応用数学

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 応用数学
科目番号 0079 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 フーリエ解析 井町昌弘・内田伏一 共著 裳華房
担当教員 土屋 賢一

到達目標

工学や科学において、現象を理解する際は、まずモデルを作り、これを数式で表す。本講においてはそれらの代表的な例として、フーリエ解析と偏微分方程式を取り上げて学習する。これにより、数学を専門分野に応用する方法について学ぶ。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安単位取得可能なレベルの目安。(可)未到達レベルの目安
評価項目1フーリエ級数展開の応用問題が解ける。フーリ級数展開の基礎問題が解ける。フーリエ級数展開の基礎事項を理解できる。フーリエ級数展開の基礎事項を理解できない。
評価項目2フーリエ変換の応用問題が解ける。フーリエ変換の基礎問題が解ける。フーリエ変換の基礎事項を理解できる。フーリエ変換の基礎事項を理解できない。
評価項目3微分方程式をフーリエ級数展開やフーリエ変換を用いて解く方法についての応用問題が解ける。微分方程式をフーリエ級数展開やフーリエ変換を用いて解く方法についての基礎問題が解ける。微分方程式をフーリエ級数展開やフーリエ変換を用いて解く方法についての基礎事項を理解できる。微分方程式をフーリエ級数展開やフーリエ変換を用いて解く方法についての基礎事項を理解できない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE (c) 説明 閉じる
学習・教育目標 C10 説明 閉じる

教育方法等

概要:
数学の授業では、多くの数式を取り扱うが、それらの全ては論理的に関係しており、元をたどれば、単純な数個の考えや式から出発していることがほとんどである。そこを見誤ると、数学は無意味な式の羅列と化してしまう。本講では、それが起こらないよう気を配り、出発点はどこで、目標はどこであるかを常に意識できるよう授業を進めてゆく。
授業の進め方・方法:
講義形式で授業を進める。教科書の内容を説明しながら板書をし、学生がそれをノートに書くことで、理解を深めてゆく。また、演習の時間も取り入れて、復習をしながら次の単元に進んでゆく。
注意点:
数式を目で見ただけで理解するのは極めて困難である。授業中にノートを取ることを大切にし、後で見ても理解できるように、授業中に教員が話したことも、重要だと思えば、メモを取る習慣をつけてほしい。また、予習復習をしてくること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 イントロダクション フーリエ級数展開、フーリエ変換とは何か?何の役に立つか等について理解する。
2週 フーリエ級数展開 1 三角関数の直交性について理解する。
3週 フーリエ級数展開 2 フーリエ級数展開の方法について理解する。
4週 演習 フーリエ級数展開について演習を通して理解する。
5週 フーリエ級数展開と関数の偶奇性 1 関数の対称性と展開結果との関係について理解する。
6週 フーリエ級数展開と関数の偶奇性 2 フーリエ正弦展開及び余弦展開について理解する。
7週 演習 フーリエ級数展開と関数の偶奇性について、演習を通して理解する。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 複素フーリエ級数展開 ベクトル空間との類似性を踏まえ、複素展開を理解する。
10週 フーリエ級数展開と再現性 関数に不連続点がある場合のフーリエ級数展開について理解する。
11週 演習 複素フーリエ級数展開及び、フーリエ級数展開の再現性について演習を通して理解する。
12週 フーリエ変換 1 フーリエ級数展開において、関数の周期を無限大にした場合について理解する。
13週 フーリエ変換 2 コーシーの留数定理を踏まえ、フーリエ積分を行う方法を理解する。
14週 フーリエ変換 3 パーセバルの定理を踏まえたフーリエ積分について理解する。
15週 演習 フーリエ変換の基礎計算について、演習を通して理解する。
16週 前期末試験
後期
3rdQ
1週 デルタ関数 1 デルタ関数の性質について理解する。
2週 デルタ関数 2 デルタ関数の各種表現について理解する。
3週 演習 デルタ関数及び、そのフーリエ変換について演習を通して理解する。
4週 フーリエ変換の例 1 ガウス積分について理解する。
5週 フーリエ変換の例 2 グリーン関数について理解する。
6週 演習 フーリエ変換の基礎計算について演習を通して理解する。
7週 後期中間試験
8週 フーリエ変換と常微分方程式 1 単振動に関する運動方程式をフーリエ変換を用いて解く方法を理解する。
4thQ
9週 フーリエ変換と常微分方程式 2 強制振動に関する運動方程式をフーリエ変換を用いて解く方法について理解する。
10週 フーリエ変換と常微分方程式 3 減衰振動に関する運動方程式をフーリエ変換を用いて解く方法について理解する。
11週 演習 フーリエ変換と常微分方程式について演習を通して理解する。
12週 フーリエ級数展開と偏微分方程式 1 熱伝導方程式をフーリエ級数展開を用いて解く方法について理解する。
13週 フーリエ級数展開と偏微分方程式 2 波動方程式をフーリエ級数展開を用いて解く方法について理解する。
14週 フーリエ級数展開と偏微分方程式 3 12週、13週総括を行い、理解を深める。
15週 演習 フーリエ級数展開と偏微分方程式について演習を通して理解する。
16週 学年末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。3
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。3
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。3
微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。3前6
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。3
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000