物質は低分子量の化合物と分子量が非常に大きい高分子化合物に分類される。まず、高分子化合物がどのような化合物であるかを説明できるようになること。次いで、高分子化合物をさらにいくつかのグループに分類できるようになり、それぞれの性質や反応性を説明できるようになること。高校の教科書に記載された高分子化合物の基本的な知識の定着が目標となる。
概要:
3年生前期までに学習した化学Ⅰ~化学Ⅴ、ものづくり基礎工学とともに、化学および工学の基礎科目として位置づけられる。物質工学科専門科目の有機化学および高分子化学、生物学を学習する際にも、この講義内容を理解しておくことは大切である。高分子化合物の分類と特徴について学習しながら、天然高分子化合物や合成高分子化合物などさまざまな高分子化合物の構造と性質について学ぶ。
授業の進め方・方法:
高校の検定教科書を使用して、単元ごとに理解すべき要点を説明していく。具体的には、第5編「高分子化合物」を学習する。毎回教科書5~10ページ程度の目安で進めていく。問題集も購入済みであるので、予習・復習に役立てること。各学科の授業で扱う基礎的な内容は同じであり、下記の授業計画に示している。さらに発展的な内容を学科の専門性に応じて付け加えることもある。
注意点:
化学Ⅰ~化学Ⅴ の内容を適宜復習すること。講義用ノートを準備し、授業に集中すること。副教材の問題集等を利用して予習・復習を欠かさず、自学自習の習慣を確立させること。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
ガイダンス、有機化合物の復習 |
有機化合物の構造や分類について説明できる。
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2週 |
1章 高分子化合物の性質 高分子化合物の構造と性質 |
高分子化合物をいくつかのグループに分類し、高分子化合物の特徴を挙げることができる。重合反応の種類や平均分子量について説明ができる。
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3週 |
2章 天然高分子化合物 単糖・二糖 |
糖類を分類でき、単糖類および二糖類の代表的な物質を挙げ、その性質を説明できる。
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4週 |
2章 天然高分子化合物 多糖 |
多糖類の代表的な物質を挙げ、性質を説明できる。
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5週 |
2章 天然高分子化合物 アミノ酸、タンパク質 |
アミノ酸の構造や特徴的な性質を説明できる。ペプチド結合を理解する。
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6週 |
2章 天然高分子化合物 タンパク質 |
タンパク質の構造と反応を説明できる。
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7週 |
前半のまとめ |
中間試験までの学習内容の要点を整理する。
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8週 |
中間試験 |
前半の学習内容を確認する。
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4thQ |
9週 |
中間試験の返却と解説 |
中間試験を返却し、解説する。前半の学習内容の理解度を確認する。
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10週 |
2章 天然高分子化合物 酵素と核酸 |
酵素のはたらき、特徴を説明できる。また、核酸の構造とはたらきについて説明できる。
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11週 |
3章 合成高分子化合物 合成繊維 |
代表的な合成繊維の名称と合成方法を説明できる。
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12週 |
3章 合成高分子化合物 合成樹脂 |
熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の具体的物質を挙げ、両者の差異について構造と性質の観点から説明できる。
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13週 |
2章 合成高分子化合物 イオン交換樹脂、ゴム |
イオン交換樹脂の仕組みについて説明ができる。また、天然ゴムと合成ゴム、それぞれの構造を理解し、性質を説明することができる。
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14週 |
3章 高分子化合物と人間生活 |
機能性高分子化合物の種類とそれらの機能を説明できる。高分子のリサイクル例を挙げることができる。
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15週 |
後半のまとめ |
中間試験後の学習内容の要点を整理する。
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16週 |
学年末試験返却 |
中間試験後の学習内容の定着度を確認する。
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 化学(一般) | 化学(一般) | 代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。 | 3 | 後14 |
物質の三態とその状態変化を説明できる。 | 3 | 後2 |
共有結合について説明できる。 | 3 | 後1,後2 |
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。 | 3 | 後1,後2,後3,後4,後5,後10,後11,後12,後13 |
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。 | 3 | 後3,後4,後5,後11,後12,後13 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 有機化学 | 有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。 | 3 | 後1,後2 |
高分子化合物がどのようなものか説明できる。 | 3 | 後2 |
代表的な高分子化合物の種類と、その性質について説明できる。 | 3 | 後3,後4,後5,後6,後10,後11,後12,後13 |
高分子の分子量、一次構造から高次構造、および構造から発現する性質を説明できる。 | 3 | 後2,後6,後12 |
高分子の熱的性質を説明できる。 | 3 | 後2 |
重合反応について説明できる。 | 3 | 後2 |
重縮合・付加重合・重付加・開環重合などの代表的な高分子合成反応を説明でき、どのような高分子がこの反応によりできているか区別できる。 | 3 | 後2,後11,後12,後13 |
生物化学 | タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。 | 3 | 後4,後5,後6,後10 |
単糖の化学構造を説明でき、各種の異性体について説明できる。 | 3 | 後3 |
グリコシド結合を説明できる。 | 3 | 後3,後4 |
多糖の例を説明できる。 | 3 | 後4 |
タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を説明できる。 | 3 | 後5 |
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。 | 3 | 後5,後6 |
ヌクレオチドの構造を説明できる。 | 3 | 後10 |
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。 | 3 | 後10 |