無機化学Ⅱ

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 無機化学Ⅱ
科目番号 0085 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 絶対にわかる無機化学 齋藤勝裕、渡會仁 著 講談社 およびプリント
担当教員 北折 典之

到達目標

無機化合物を今後学習、研究していく上で必要な項目に絞って、演習などを行いながら無機化学の本質を理論的に理解し、説明できるようななること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1核分裂の反応式および計算が十分できる。核分裂の反応式および計算ができる。核分裂の反応式の基本はし理解かつ計算ができる。核分裂の反応式の理解および計算が不十分である。
評価項目2錯体の発色原理と分裂エネルギーを説明できる。錯体の発色原理と分裂エネルギーをほぼ説明できる。錯体の発色原理と分裂エネルギーを十分に説明できない場合がある。錯体の発色原理と分裂エネルギーを十分に説明できない。
評価項目3半導体の性質、バンド理論、点欠陥などを十分説明できる。半導体の性質、バンド理論、点欠陥などをほぼ説明できる。半導体の性質、バンド理論、点欠陥などについて説明が不十分の場合がある。半導体の性質、バンド理論、点欠陥などを説明できない。
評価項目4無機固体に関する、焼結、、構造に伴う性質、濡れ性などを正しく理解し解説できる。無機固体に関する、焼結、、構造に伴う性質、濡れ性などを理解している。無機固体に関する、焼結、、構造に伴う性質、濡れ性などを概ね理解している。無機固体に関する、焼結、、構造に伴う性質、濡れ性などを十分に理解していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
2年次に学んだ無機化学Ⅰは基礎である。本講義は、無機化学全体を広い視野でさらに学ぶ。具体的には、核分裂や核融合に伴う質量欠損、半導体および錯体のエネルギー分裂などを学習する。加えて、計算問題を通して理解を深める。
授業の進め方・方法:
テキストとプリントに沿って、昨年学習した無機化学Ⅰよりさらに深く学習する。講義形式で実施しする。
注意点:
無機化学Ⅰを十分理解していること。無機化学実験とリンクしているところ、および今後の研究において実践的な項目もあり、上辺だけの暗記でなく、整理して理解する必要がある。授業では電卓を持参すること。学習を深めるために自学自習に努めること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンスおよび小テスト 無機化学1の基本的な問題が解けること。
2週 イオン化エネルギー、化学結合および
HSAB理論
イオン化エネルギー、化学結合およびHSAB理論について説明できること。
3週 原子核反応 原子核反応式が書けること。応用例として、年代測定への利用が説明および計算できる。
4週 核分裂 核融合、核分裂に伴う質量欠損とエネルギーの計算ができること。
5週 錯体の構造およびその発色 錯体のエネルギー分裂の説明と計算ができること。
6週 錯体の性質 錯体の性質について説明できること。
7週 理解度を高めるための復習と確認テスト 今まで学習の理解度を確認し、定着させる。
8週 中間試験 錯体の性質について説明できること。
2ndQ
9週 半導体および点欠陥について 絶縁体、導体、半導体の特徴を説明できる。代表的な固体の欠陥を説明できる。
10週 バンド理論について バンド理論を理解し、演習問題が解ける。
11週 欠陥方程式に関して 欠陥の表記法をマスターし、使用することができる。
12週 活性化エネルギーに関して 活性化エネルギーの意味を理解し計算ができること。
13週 固体の表面構造と水の濡れ性について 水に対する濡れ性に関して説明できる。
14週 焼結体に関して 焼結現象を説明できる。
15週 中間試験後の理解度を高めるための復習と確認テスト 中間テスト後の内容を理解しているか確認する。
16週 期末試験返却 無機化学Ⅱの理解度を確認する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野無機化学主量子数、方位量子数、磁気量子数について説明できる。4
電子殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。4
パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。4
価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。4
元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質を説明できる。4
イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度について説明できる。4
イオン結合と共有結合について説明できる。4
基本的な化学結合の表し方として、電子配置をルイス構造で示すことができる。4
金属結合の形成について理解できる。4
代表的な分子に関して、原子価結合法(VB法)や分子軌道法(MO法)から共有結合を説明できる。4前5
電子配置から混成軌道の形成について説明することができる。4前3,前5
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。4
配位結合の形成について説明できる。4前5
水素結合について説明できる。4
錯体化学で使用される用語(中心原子、配位子、キレート、配位数など)を説明できる。4前5
錯体の命名法の基本を説明できる。4前2,前5
配位数と構造について説明できる。4前5
代表的な錯体の性質(色、磁性等)を説明できる。4前5
代表的な元素の単体と化合物の性質を説明できる。4
分析化学錯体の生成について説明できる。4
光吸収について理解し、代表的な分析方法について説明できる。4
Lambert-Beerの法則に基づく計算をすることができる。4
無機および有機物に関する代表的な構造分析、定性、定量分析法等を理解している。4
物理化学放射線の種類と性質を説明できる。4
放射性元素の半減期と安定性を説明できる。4
年代測定の例として、C14による時代考証ができる。4
核分裂と核融合のエネルギー利用を説明できる。4
気体の法則を理解して、理想気体の方程式を説明できる。4
混合気体の分圧の計算ができる。4
平衡の記述(質量作用の法則)を説明できる。4
諸条件の影響(ルシャトリエの法則)を説明できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力0000000
専門的能力80000020100
分野横断的能力0000000