合成化学

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 合成化学
科目番号 0086 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 奥山格 有機化学 丸善株式会社/補助教材 マクマリー 有機化学概説 東京化学同人 
担当教員 町田 茂

到達目標

有機化学Ⅰ,有機化学Ⅱで学んだ有機反応と有機化合物の諸性質の知識を基礎として,有機電子論,および有機反応において反応性を支配する因子について学び,有機反応の反応機構を系統的に理解できるようになる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1有機反応の分類を十分に理解し,高度な反応について説明できる。有機反応の分類を理解し,標準的な反応について説明できる。有機反応の分類を理解し,基礎的な反応について説明できる。有機反応の分類を理解できず,基礎的な反応について説明できない。
評価項目2有機電子論を十分に理解し,高度な反応について,構造と反応性が予測できる。有機電子論を理解し,標準的な反応について構造と反応性が予測できる。有機電子論を理解し,基礎的な反応について構造と反応性を予測できる。有機電子論を理解できず,基礎的な反応について構造と反応性が予測できない。
評価項目3高度な有機反応に関して,反応機構が十分に説明できる。標準的な有機反応に関して,反応機構が説明できる。基礎的な有機反応に関して,反応機構が説明できる。基礎的な有機反応に関しても,反応機構が説明できない。
評価項目4高度な有機反応に関して,速度論支配・熱力学支配に基づき、生成物が予測できる。標準的な有機反応に関して,速度論支配・熱力学支配に基づき、生成物が予測できる。基礎的な有機反応に関して,速度論支配・熱力学支配に基づき、生成物を予測できる。基礎的な有機反応に関しても,速度論支配・熱力学支配に基づき、生成物が予測できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
合成化学では,3年次の有機化学Ⅰ,4年次前期の有機化学Ⅱの知識を基礎として,有機電子論,および有機反応において反応性を支配する因子について学ぶ。また,有機反応の分類と用いられる反応試薬の特徴を理解し,有機電子論に基づく反応機構で生成物が予測できるようにする。
授業の進め方・方法:
講義は教科書を中心に行う。講義の最初でも前回の講義内容についてもう一度話をするが,反復的な学習が重要なので自宅での復習を必ず行うこと。講義の中で教科書の重要な箇所には印をつけるように言うので,板書内容と併せて重点をおいて復習すると効率が良い。
注意点:
本科目の成績は定期試験のみならず、予習・復習等の自学自習の実施状況も考慮して判断される。したがって自学自習の習慣も身につけることが重要である。
有機化学Ⅰ,有機化学Ⅱで学んだことがベースになるので,わからないところがある学生はマクマリーを復習しておくこと。本教科についても,理解できていない章がないようにすることが重要である。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 有機反応の分類について学ぶ。 有機反応の分類について説明できる。
2週 有機電子論,および有機反応において反応性を支配する因子について学ぶ。 有機電子論,および有機反応において反応性を支配する因子について説明できる。
3週 有機リチウム試薬,Grignard 試薬について学ぶ。 有機リチウム試薬,Grignard 試薬について説明できる。
4週 有機銅試薬,有機亜鉛試薬について学ぶ。
有機銅試薬,有機亜鉛試薬について説明できる。
5週 エノラート,および交差アルドール反応について学ぶ。 エノラート,および交差アルドール反応について説明できる。
6週 エノラート,および交差 Claisen 縮合について学ぶ。 エノラート,および交差 Claisen 縮合について説明できる。
7週 後期中間試験および答案返却・解説。
8週 分子内縮合,およびリチウムエノラートについて学ぶ。
分子内縮合,およびリチウムエノラートについて説明できる。
4thQ
9週 Diels-Alder 反応,シグマトロピー転位,電子環状反応について学ぶ。
Diels-Alder 反応,シグマトロピー転位,電子環状反応について説明できる。
10週 ピナコール反応,アシロイン縮合について学ぶ。
ピナコール反応,アシロイン縮合について説明できる。
11週 Wagner-Meerwein 転位,ピナコール転位について学ぶ。
Wagner-Meerwein 転位,ピナコール転位について説明できる。
12週 Wolff 転位,ニトレンの転位について学ぶ。 Wolff 転位,ニトレンの転位について説明できる。
13週 Beckmann 転位,Baeyer-Villiger 酸化について学ぶ。
Beckmann 転位,Baeyer-Villiger 酸化について説明できる。
14週 酸化反応,還元反応について学ぶ。
酸化反応,還元反応について説明できる。
15週 講義内容の総復習
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。4
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。4
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。4後3,後4,後5,後6,後8,後9,後10,後11,後12,後13,後14
電子論に立脚し、構造と反応性の関係が予測できる。4後1,後2
反応機構に基づき、生成物が予測できる。4後2

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力0000000
専門的能力80000020100
分野横断的能力0000000