材料化学

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 材料化学
科目番号 0087 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 村石治人、基礎固体化学ー無機材料を中心としたー、三共出版
担当教員 山本 祥正

到達目標

(1)14種類のブラベー格子を図示することができ、最密充填構造の充填率を計算できる。
(2)ミラー指数やブラッグの法則を説明でき、単位胞の一辺の長さを計算できる。
(3)点欠陥、線欠陥、面欠陥、アモルファスを説明できる。
(4)C1化学や代表的な石油精製の主な方法を説明できる。
(5)界面活性剤の性質と製法を説明できる。
(6)代表的な染料、顔料、医薬品、農薬を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
単位胞(1)14種類のブラベー格子を図示でき、7つの結晶系に分類できる。ブラベー格子を7つの結晶系に分類できる。ブラベー格子を理解していて、基本的な用語を説明できる。ブラベー格子を理解しておらず、基本的な用語を説明できない。
単位胞(2)最密充填構造を説明でき、充填率を計算できる。2種類の最密充填構造の相違点を説明できる。最密充填構造を説明できる。充填率の計算ができず、最密充填構造の説明もできない。
ミラー指数ミラー指数を説明でき、面の間隔を計算できる。ミラー指数を求めることができる。ミラー指数の概要を説明できる。面の間隔の計算ができず、ミラー指数の概要も説明できない。
X線回折ブラッグの式を導出でき、単位胞の一辺の長さを計算できる。ブラッグの式を使用し、単位胞の一辺の長さを計算できる。ブラッグの法則の概要を説明できる。単位胞の一辺の長さの計算ができず、ブラッグの法則の概要も説明できない。
石油化学工業石油精製の方法、改質法、C1化学を説明できる。石油精製の概要を説明できる。原油の蒸留を説明できる。石油精製の方法、改質法、C1化学を説明できない。
界面活性剤界面活性剤の構造、性質、製法を説明できる。界面活性剤の構造と性質を説明できる。界面活性剤の性質を説明できる。界面活性剤の構造、性質、製法を説明できない。
染料、顔料、医薬品、農薬代表的な染料、顔料、医薬品、農薬の構造を書くことができ、説明できる。代表的な染料、顔料、医薬品、農薬を説明できる。代表的な染料、医薬品を説明できる。代表的な染料、顔料、医薬品、農薬を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
材料開発に携わる化学系技術者が習得しておくべき事柄についての基礎を学ぶ。主として無機結晶、石油化学、界面活性剤について学習し、ナノマテリアル、エネルギー変換材料等々、最新のトピックスについても興味を持って学習できるようにする。
授業の進め方・方法:
前半は、教科書および補助教科書(アトキンス物理化学、東京化学同人)に沿って無機材料の結晶構造について解説する。後半は、プリントを配布し、石油化学や界面活性剤・染料・顔料・医薬品などの有機材料について解説する。
注意点:
材料の性質を学習する科目であり、物理、化学、無機化学、有機化学、物理化学、分析化学、量子論などの物質の性質に関する分野の理解が必要である。材料工学(4年後期)や物性物理化学(5年後期)などで学習する内容の基礎となる。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 無機結晶の分類 金属結晶、共有結合結晶、イオン結晶、分子結晶を説明することができる。
2週 単位胞(1) 14種類のブラベー格子を図示できる。
3週 単位胞(2) 最密充填構造を説明でき、充填率を計算できる。
4週 ミラー指数 ミラー指数を説明でき、面の間隔を計算できる。
5週 X線回折 ブラッグの法則を説明でき、単位胞の一辺の長さを計算できる。
6週 不完全な構造(1) 点欠陥、線欠陥、面欠陥、アモルファスを説明できる。
7週 不完全な構造(2) 点欠陥、線欠陥、面欠陥、アモルファスを説明できる。
8週 中間試験および答案返却 中間試験の模範解答を説明できる。
2ndQ
9週 石油精製 石油精製の主な方法を説明できる。
10週 石油化学工業(1) C1化学を説明できる。
11週 石油化学工業(2) アルコールやフェノールの工業的製法を説明できる。
12週 界面活性剤(1) 界面活性剤の構造と性質を説明できる。
13週 界面活性剤(2) 界面活性剤の製法を説明できる。
14週 染料、顔料 代表的な染料や顔料の性質や製法を説明できる。
15週 医薬品、農薬 代表的な医薬品や農薬を説明できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野無機化学イオン結合と共有結合について説明できる。3
金属結合の形成について理解できる。3前1
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。3前3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート等合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力0000000
専門的能力80000020100
分野横断的能力0000000