物質工学実験ⅢA

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 物質工学実験ⅢA
科目番号 0093 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 6
教科書/教材 実験分野毎にテキストあるいはプリントを作成/補助教材 書 物理化学実験法(後藤廉平編 共立全書)、有機化学概説(マクマリー 東京化学同人)
担当教員 石井 宏幸,高橋 三男,町田 茂,中野 雅之

到達目標

化学実験の基本的な単位操作を確実に行い,精度の高いデータを再現性良く得られるようになること。また,実験レポートの作成においては,実験データをわかりやすくまとめる技量と,根拠を明確に示しながら論理的に考察する能力を身につけることを目標とする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目13分野の実験を安全に行い,精度の高いデータが得られる。また,得られたデータを論理的に考察して完成度の高い報告書を提出締切までに作成できる。3分野の実験を安全に行い,再現性のあるデータを得ることができる。また,得られたデータを考察して標準的な報告書を提出締切までに作成できる。3分野の実験を安全に行い,データを得ることができる。また,得られたデータを簡単に考察して報告書を提出締切までに作成できる。3分野の実験を安全に行い,データを得ることができない。あるいは,得られたデータを考察して報告書を提出締切までに作成できない。
評価項目2
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
2年生「物質工学基礎実験Ⅰ・Ⅱ」で基本的な実験単位操作を学び,3年生「物質工学実験Ⅰ・Ⅱ」では,専門化学(座学)の講義内容に基づいた基礎実験を行い,実験スキルの向上をと専門化学の理解を深めた。物質工学実験ⅢAでは,物理化学,化学工学,有機化学の3分野の実験を行い,2年生、3年生で培われた実験結果をまとめる能力を活かして,得られた実験結果について根拠を明確に示しながら論理的に考察する力を培う科目と位置づけられている。
授業の進め方・方法:
4Cのクラスを3班に分けて,5週間でひとつの分野の実験を行いレポートを提出する。レポートでは,2年生,3年生で培われた実験結果をまとめる能力を活かして,得られた実験結果について根拠を明確に示しながら論理的に考察できているかが評価される。
注意点:
実験講義のときに履修上の注意等を講義する。安全に十分に気をつけ、環境保全の意識を持って実験に取り組むこと。レポートの提出期限を厳守すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1)有機化学分野: 
実験講義および事前レポートの作成。
安全に精度の高い実験が可能な計画書が作成できる。
2週 ジベンザルアセトンの合成(アルドール縮合反応),吸引ろ過による粗結晶の回収,恒量操作。 ジベンザルアセトンの粗結晶が回収できる。
3週 ジベンザルアセトンの再結晶,吸引ろ過による精結晶の回収,恒量操作。 ジベンザルアセトンの精結晶が回収できる。
4週 ジベンザルアセトンのNMR測定,IR測定,融点測定。 NMR測定,IR測定,融点測定で正確な実験データが得られる。
5週 実験報告書の作成。 得られた実験結果について,根拠を明確に示しながら論理的に考察できる。
6週 2)物理化学分野:
実験講義および事前レポートの作成。
安全に精度の高い実験が可能な計画書が作成できる。
7週 反応速度の実験
1次反応
塩化ベンゼンジアゾニュウムの加水分解
8週 蒸気圧の実験 アセトンのエンタルピーを求めることができる。
2ndQ
9週 等電位曲線の実験 等電位曲線を理解して描けること。
10週 実験報告書の作成。 得られた実験結果について,根拠を明確に示しながら論理的に考察できる。
11週 3)化学工学分野:
実験講義および事前レポートの作成。
12週 伝熱速度の実験 伝熱速度の実験により、熱伝導率と伝熱係数について理解する
13週 流動実験 流動実験を通じて、各部位の圧力損失およびレイノルズ数について理解する
14週 蒸留実験 メタノールの蒸留実験において、段数計算を理解する
15週 レポート作成
16週 ※1)~3)を1分野5週間でローテーション

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野物理化学放射線の種類と性質を説明できる。3前1,前3
分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】有機化学実験蒸留による精製ができる。4前1
吸引ろ過ができる。4前1,前2,前3,前5
再結晶による精製ができる。4前1,前3,前5
薄層クロマトグラフィによる反応の追跡ができる。4前1
融点または沸点から生成物の確認と純度の検討ができる。4前1,前4,前5
収率の計算ができる。4前1,前2,前3,前5
物理化学実験温度、圧力、容積、質量等を例にとり、測定誤差(個人差・器差)、実験精度、再現性、信頼性、有効数字の概念を説明できる。4前7,前8,前9
相平衡(液体の蒸気圧、固体の溶解度、液体の相互溶解度等)を理解して、平衡の概念を説明できる。4前7,前8
化学工学実験流量・流速の計測、温度測定など化学プラント等で計測される諸物性の測定方法を説明できる。4前12
液体に関する単位操作として、特に蒸留操作の原理を理解しデータ解析の計算ができる。4前14
流体の関わる現象に関する実験を通して、気体あるいは液体の物質移動に関する原理・法則を理解し、物質収支やエネルギー収支の計算をすることができる。4前13

評価割合

レポート発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000