有機化合物の物性や有機反応を,電荷の偏りや電子の流れで理解できるようにするために,アルデヒド,ケトン,エステル,カルボン酸誘導体等のカルボニル化合物の性質と反応,および代表的な塩基であるアミンの性質と反応について学ぶ。
概要:
有機化合物の物性や有機反応を電荷の偏りや電子の流れで理解できるようにすることを目的として,カルボニル化合物の性質と反応,およびアミンの性質と反応について学ぶ。有機化学Ⅰ、有機化学Ⅱに引き続き,有機化学の知識を積み上げる科目であり,有機化学Ⅰ・Ⅱで得た知識を基礎として,専攻科1年次の構造有機化学でさらに専門性を深める。
授業の進め方・方法:
この科目は、企業で有機機能性材料の研究開発を行っていた教員が、その経験を活かし、有機化合物の合成や物性について講義形式で授業を行うものである。学修単位科目であるので、事前・事後学習として、予習復習を行うこと。各定期試験までに教科書の2章分を講義する。講義の最初でも前回の講義内容についてもう一度話をするが、基礎科目は反復的な学習が重要なので自宅での復習を必ず行うこと。講義の中で教科書の重要な箇所には印をつけるように言うので、板書内容と併せて重点をおいて復習すると効率が良い。
注意点:
化学Ⅴ、有機化学Ⅰ、有機化学Ⅱで学んだことを良く復習して講義に臨むこと。有機化学Ⅲは基礎科目なので,理解できていない章がないようにすることが重要である。尚、この科目は学修単位の科目である。授業の予習・復習及び演習については自学自習により取り組み学修すること。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
アルデヒドとケトンの命名法,合成,求核付加反応,およびアルドール反応について学ぶ。 |
アルデヒドとケトンの命名法,合成,求核付加反応,およびアルドール反応について説明できる。
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2週 |
アルデヒドとケトンの性質,Grignard反応,およびWittig反応について学ぶ。 |
アルデヒドとケトンの性質,Grignard反応,およびWittig反応について説明できる。
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3週 |
カルボン酸誘導体の種類,命名法,カルボン酸の性質,酸性度について学ぶ。 |
カルボン酸誘導体の種類,命名法,カルボン酸の性質,酸性度について説明できる。
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4週 |
カルボン酸の合成,求核アシル置換反応,およびその他のカルボン酸の反応について学ぶ。 |
カルボン酸の合成,求核アシル置換反応,およびその他のカルボン酸の反応について説明できる。
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5週 |
酸ハロゲン化物,酸無水物の性質,および反応について学ぶ。 |
酸ハロゲン化物,酸無水物の性質,および反応について説明できる。
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6週 |
その他のカルボン酸誘導体の反応について学ぶ。 |
その他のカルボン酸誘導体の反応について説明できる。
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7週 |
エステル,アミド,ニトリルの性質,および反応について学ぶ。 |
エステル,アミド,ニトリルの性質,および反応について説明できる。
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8週 |
後期中間試験 |
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4thQ |
9週 |
ケト-エノール互変異性,およびエノールの反応性(α置換反応の機構)について学ぶ。 |
ケト-エノール互変異性,およびエノールの反応性(α置換反応の機構)について説明できる。
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10週 |
エノラートイオンの性質,および反応性について学ぶ。 |
エノラートイオンの性質,および反応性について説明できる。
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11週 |
カルボニル化合物のα置換反応について学ぶ。 |
カルボニル化合物のα置換反応について説明できる。
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12週 |
カルボニル化合物の縮合反応について学ぶ。 |
カルボニル化合物の縮合反応について説明できる。
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13週 |
アミンの命名法,アミンの構造と性質,塩基性度について学ぶ。 |
アミンの命名法,アミンの構造と性質,塩基性度について説明できる。
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14週 |
アミンの合成法について学ぶ。 |
アミンの合成法について説明できる。
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15週 |
アミンの反応および複素環アミンについて学ぶ。 |
アミンの反応および複素環アミンについて説明できる。
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 有機化学 | 有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。 | 4 | 後1,後3,後13 |
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。 | 4 | 前1,前3,前12,後1,後3,後13 |
σ結合とπ結合について説明できる。 | 4 | 後1,後3,後13 |
混成軌道を用い物質の形を説明できる。 | 4 | 後1,後3,後13 |
誘起効果と共鳴効果を理解し、結合の分極を予測できる。 | 4 | 前2,前3,前6,前12,後1,後3,後13 |
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。 | 4 | 後1,後3,後13 |
共鳴構造について説明できる。 | 4 | 後3 |
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。 | 4 | |
芳香族性についてヒュッケル則に基づき説明できる。 | 4 | 前15 |
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。 | 4 | 後1,後3,後13 |
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。 | 4 | |
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。 | 4 | |
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。 | 4 | 前2,前3,前6,前12,後2,後3,後5,後7,後10,後13 |
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。 | 4 | 前1,前2,前4,前5,前6,前8,前9,前10,前11,前13,前14,後1,後4,後5,後9,後14 |
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。 | 4 | 前1,前2,前4,前5,前6,前8,前9,前10,前11,前13,前14,後1,後2,後4,後5,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後15 |
高分子化合物がどのようなものか説明できる。 | 3 | |
代表的な高分子化合物の種類と、その性質について説明できる。 | 3 | |
電子論に立脚し、構造と反応性の関係が予測できる。 | 4 | 前1,前2,前4,前6,前8,前9,前10,前11,前13,前14,後1,後2,後4,後5,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後15 |
反応機構に基づき、生成物が予測できる。 | 4 | 後1,後2,後4,後5,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後15 |