到達目標
5年で行う卒業研究の準備として,それぞれの研究室に分かれて各々の指導教員から少人数で指導を受け,卒業研究の遂行上必要となる以下の項目を理解することを到達目標とする.1.安全教育,2.研究計画や実験計画の立案,3.実験ノートの記述,4.最低限の実験などの手技の習得,5.廃液処理などの環境配慮,6.データ整理,7.実験結果の報告
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
安全教育 | 卒業研究に関する実験の未知な危険性の予測ができる | 実験の危険性の理解と対策を講じることができる | 卒業研究に関する実験の危険性の理解 | 卒業研究に関する実験の危険性の理解に至らない |
研究計画や実験計画の立案 | 卒業研究のゴールが見えている | 研究計画や実験計画の立案ができる | 文献調査の方法を理解している | 実験計画が立案できない |
実験ノートの記述 | 実験ノートに記述し,内容も必要十分である | 実験ノートに記述するべきことを理解している | 実験ノートの記述を始めている | 実験ノートの記述がない |
最低限の実験などの手技の習得 | 今後必要となる実験などの手技の習得 | 必要な実験などの手技の習得 | 最低限の実験などの手技の習得ができている | 最低限の実験などの手技の習得に至らない |
廃液処理などの環境配慮 | 研究遂行による環境影響を理解する | 廃液処理などの環境配慮の必要性を理解する | 廃液処理などの環境配慮ができる | 廃液処理などの環境配慮ができない |
データ整理 | 統計上正しいデータの表示ができる | 誤差の概念を理解している | 有効数字を理解している | 有効数字も理解していない |
実験結果の報告 | 合理的な考察を含めて結果を報告できる | 実験結果の報告を正しく行える | 最低限の実験結果の報告を行っている | 実験結果の報告をしない |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
5年次に取り組む卒業研究に関連する内容となる.取り組むテーマの背景や目的を理解するとともに,その目標達成に向けて必要となる検討項目の洗い出しと実験計画の立案,実験に際して考量するべき安全対策や環境配慮,実験ノートの記述やデータ整理,結果の報告などを学ぶことになる.
授業の進め方・方法:
各卒業研究の研究分野で必要とされる基礎的な実験技術や解析方法を身につけ,卒業研究の遂行に必要な能力を身につけるため,各研究室に分かれて少人数で教員から指導をうけ,専門性の高い実験を行う準備をする.
注意点:
それぞれの研究室で培うべき共通している到達目標は物質工学に関する総合的な研究開発能力を養うことであり,その能力の醸成のためのアプローチも基本的に同じである.扱う題材,5年次に行う卒業研究のテーマは異なるので,研究を進める上で必要な学習内容は学生一人ひとりで異なる.従って,学生が主体的に取り組む姿勢が重要になる.
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
ガイダンス |
15回の実験の流れ,やるべきことについて理解する.
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2週 |
各研究室による研究内容の紹介 |
物質工学の各分野で行われている最新の研究内容に触れる
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3週 |
研究室の見学 |
各研究室で行われいる実験の様子を見学し,先生や先輩から話を聞き,求められる研究遂行能力を意識する
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4週 |
卒業研究中間発表の聴講 |
5年生が行う卒業研究中間発表を聴講し,1年後の自分の卒業研究に対する立ち位置を認識する
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5週 |
指導研究室への配属 |
研究の内容や自分の指向を勘案して,研究室を決定する
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6週 |
安全教育 |
各研究室で行われる実験に関する安全教育を聞き,危険性とその対策を認識する
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7週 |
実験ノートの記述方法 |
実験ノートに記述するべき項目や書き方などを理解する
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8週 |
実験準備や洗い物,廃液処理の方法について |
次週以降に行われる実験の内容を理解し,必要物品を準備し,後片付けまでの一連の流れを理解する
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4thQ |
9週 |
実験計画書の作成 |
実験計画書を作成する
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10週 |
研究室で共通する実験の実施 |
教員や研究室の先輩の指導のもとで実験を実施し,実験などの手技を習得する
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11週 |
研究室で共通する実験の実施 |
教員や研究室の先輩の指導のもとで実験を実施し,実験などの手技を習得する
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12週 |
研究室で共通する実験の実施 |
教員や研究室の先輩の指導のもとで実験を実施し,実験などの手技を習得する
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13週 |
データ整理方法について |
グラフソフトの使い方や統計処理の方法を理解する
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14週 |
実験結果の報告 |
研究室単位で実施するゼミなどで結果を報告する
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15週 |
物質工学実験IVレポートの作成と提出 |
物質工学実験IVで学んだ種々の卒業研究遂行のための項目をレポートにまとめる
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の工学実験・実習能力 | 化学・生物系分野【実験・実習能力】 | 分析化学実験 | 代表的な定性・定量分析装置としてクロマト分析(特にガスクロ、液クロ)や、物質の構造決定を目的とした機器(吸光光度法、X線回折、NMR等)、形態観察装置としての電子顕微鏡の中の代表的ないずれかについて、その原理を理解し、測定からデータ解析までの基本的なプロセスを行うことができる。 | 4 | 後10,後11,後12,後13,後14,後15 |
物理化学実験 | 温度、圧力、容積、質量等を例にとり、測定誤差(個人差・器差)、実験精度、再現性、信頼性、有効数字の概念を説明できる。 | 4 | 後10,後11,後12,後13,後14,後15 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | レポート | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 0 | 0 | 0 | 30 | 70 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 10 | 30 | 0 | 40 |
専門的能力 | 0 | 0 | 0 | 10 | 20 | 0 | 30 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 10 | 20 | 0 | 30 |