量子化学

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 量子化学
科目番号 0098 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 大野公一著、量子化学、岩波書店
担当教員 土屋 賢一

到達目標

分子軌道の求め方について理解できたかどうか定期試験により評価する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安単位取得可能なレベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1変分法について理解し、実際の問題に応用できる。変分法について理解し、基礎的問題に適用できる。変分法の基礎事項をを理解できる。変分法の基礎事項をを理解できない。
評価項目2軌道間相互作用について理解し、実際の問題に応用できる。軌道間相互作用について理解し、基礎的問題に対し適用できる。軌道間相互作用の基礎事項をを理解できる。軌道間相互作用の基礎事項をを理解できない。
評価項目3混成軌道について理解し、sp, sp2, sp3混成について理解できる。混成軌道について基礎的事項を理解できる。混成軌道の基礎事項について理解できる。混成軌道の基礎事項について理解できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本校では、分子軌道法の基礎を習得し、様々な分子の構造を量子力学的を基礎にして理解する。そのために、変分原理等を駆使して近似を行い、複雑な問題を解いてゆく。
授業の進め方・方法:
講義形式で授業を進める。また、その都度練習問題を踏まえて理解を深める。
注意点:
量子論Ⅰ、Ⅱを復習しておくこと。授業の予習・復習及び演習については自学自習により取り組み学修すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 なぜ量子化学が必要か? 分子軌道を正確にに求めることは不可能であり、近似が必要なことを理解する。
2週 変分法(1) 変分原理について理解する。
3週 変分法(2) リッツの変分法について理解する。
4週 水素イオン分子と水素分子(1) 水素イオン分子の結合性軌道と反結合性軌道について理解する。
5週 水素イオン分子と水素分子(2) 水素分軌道を求める。
6週 ヒュッケルの分子軌道法(1) 分子軌道の原子軌道による展開、重なり積分、クーロン積分、共鳴積分等について理解する。
7週 ヒュッケルの分子軌道報(2) 単純ヒュッケル法および、拡張ヒュッケル法について理解する。
8週 中間試験 中間試験で合格点を取る。
4thQ
9週 軌道の重なりと軌道間相互作用(1) π型やσ型の軌道の重なりについて理解する。
10週 軌道の重なりと軌道間相互作用(2) 軌道間相互作用の原理について理解する。
11週 AH型分子とAH2型分子(1) 軌道間相互作用の原理をAH型分子軌道に適用する。
12週 AH型分子とAH2型分子(2) 軌道間相互作用の原理をAH2型分子軌道に適用する。
13週 軌道の混成(1) 同一原子の軌道の混成、sp混成について理解する。
14週 軌道の混成(2) sp2混成、sp3混成について理解する。
15週 期末試験 期末試験で合格点を取る。
16週 期末試験内容の解説 出題の意図や正しい計算法等を理解する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野無機化学主量子数、方位量子数、磁気量子数について説明できる。3
電子殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。3
パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。3
物理化学化合物の標準生成エンタルピーを計算できる。4
エンタルピーの温度依存性を計算できる。4
内部エネルギー、熱容量の定義と適用方法を説明できる。4

評価割合

試験レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000