経済史入門(教養ゼミⅠ)

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 経済史入門(教養ゼミⅠ)
科目番号 0104 科目区分 一般 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 適宜、プリントを配布
担当教員 鈴木 慎也

到達目標

①歴史学とは様々な歴史資料をもとに、科学的・論理的にそれらを組み立てることで、歴史的事実に迫り、その過程や歴史的意義を考える学問であるということを実感させる。
②ある特定のモノが、当時の社会に与えた影響を理解することで、新技術が社会に及ぼす影響について自分なりに考察することができる洞察力を養う。            
③自ら課題を設定して調査し、自分の考えをまとめて発表する能力を養う。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安到達レベルの最低限の目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1経済史を学ぶ意義を十分に理解し、様々な歴史資料をもとに、自らの考えを論理的にまとめることができる。経済史を学ぶ意義を理解し、様々な歴史資料をもとに、自らの考えをまとめることができる。経済史を学ぶ意義を理解できている。経済史を学ぶ意義について、理解が不十分であり、歴史資料をもとに、自らの考えをまとめることができない。
評価項目2経済活動が人類の歴史の中で果たした役割について、十分に理解し、自分の言葉でまとめることができる。経済活動が人類の歴史の中で果たした役割について、十分に理解できている。経済活動が人類の歴史の中で果たした役割について、理解できている。経済活動が人類の歴史の中で果たした役割について、理解が不十分である。
評価項目3自ら課題を設定して調査することができ、それを論理的にまとめ、発表することが十分にできる。 自ら課題を設定して調査することができ、それをまとめて発表することが十分にできる。 自ら課題を設定して調査することができ、それをまとめて発表することができる。 自ら課題を設定して調査すること、および、それをまとめて発表することができない。

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
「経済」を通じて歴史を学ぶ意義は、各時代、各地域の人々の具体的な生活の様子を理解することができるという点です。教科書等で学ぶ歴史は、どうしても政治史が中心となってしまいがちです。本講座では、為政者だけではなく、当時を生きた多くの民衆の経済活動に注目することで、各地の文化や生活様式がどのようにして形成されたかを学んでいきます。
授業の進め方・方法:
前半部分では講義形式を中心に授業を進めていく。適宜、授業で扱ったテーマに関して、学生らにも考えをまとめ発表してもらう機会を設ける。後半部分では、前半の講義を参考にしながら、学生自身が興味をもった経済の歴史を調べるとともに、それらが社会に与えた影響について、自分の考えを交えながら報告を行ってもらう。
注意点:
①必要に応じてプリントを配布するので、なくさないようにして下さい。            
②課題発表をきちんと済ませなかった場合は、学年末評価が単位不可となります。                                           
③配布プリントはワークシート型式のものがメインとなります。ですので、授業内容については各自が重要だと思うところを適宜メモを取るようにして下さい。ワークシートの取り組み方、メモ取り方なども評価対象となります。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス 歴史学と関連諸学について、それぞれの特徴を理解し、それらがどのように関連しているのか理解する。
2週 お金の歴史(1)お金とは? お金の機能とその歴史について概観しながら、貨幣の起源説である商品貨幣起源説と信用貨幣起源説を理解する。
3週 お金の歴史(2)紙幣とは? 紙幣の起源とその歴史について理解することで、金本位制と管理通貨制の違いについて考察する。
4週 お金の歴史(3)仮想通貨とは? 仮想通貨や電子マネーなど近年登場した新たな「お金」のそれぞれの特徴を理解することで、今後の「お金」について考察する。
5週 お金の歴史(4)金利・利子とは? 金利・利子について理解するとともに、銀行の歴史を概観することで、様々な金融商品について基礎的な知識を獲得する。
6週 お金の歴史(5)株式とは? 株式会社の歴史とその仕組みについて理解する。
7週 お金の歴史(6)国債とは? 国債の起源とその歴史について概観しながら、現代社会における各国の国債の状況について理解する。
8週 世界経済史概説(1) 16世紀~17世紀の世界経済の歴史について概観し、現代社会が直面している様々な課題について考察する。
4thQ
9週 世界経済史概説(2) 18世紀~19世紀の世界経済の歴史について概観し、現代社会が直面している様々な課題について考察する。
10週 世界経済史概説(3) 20世紀前半~戦中の世界経済の歴史について概観し、現代社会が直面している様々な課題について考察する。
11週 世界経済史概説(4) 戦後~現代の世界経済の歴史について概観し、現代社会が直面している様々な課題について考察する。
12週 経済から見た歴史① これまでの授業を踏まえて、各自がテーマを設定し、それについて調査した内容をプレゼンする。
13週 経済から見た歴史② これまでの授業を踏まえて、各自がテーマを設定し、それについて調査した内容をプレゼンする。
14週 経済から見た歴史③ これまでの授業を踏まえて、各自がテーマを設定し、それについて調査した内容をプレゼンする。
15週 経済から見た歴史④ これまでの授業を踏まえて、各自がテーマを設定し、それについて調査した内容をプレゼンする。
16週 経済から見た歴史⑤ これまでの授業を踏まえて、各自がテーマを設定し、それについて調査した内容をプレゼンする。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会地理歴史的分野世界の資源、産業の分布や動向の概要を説明できる。3
民族、宗教、生活文化の多様性を理解し、異なる文化・社会が共存することの重要性について考察できる。3
近代化を遂げた欧米諸国が、19世紀に至るまでに、日本を含む世界を一体化していく過程について、その概要を説明できる。3
19世紀後期以降の日本とアジア近隣諸国との関係について、その概要を説明できる。3
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能他者の意見を聞き合意形成することができる。3
合意形成のために会話を成立させることができる。3
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合060020200100
基礎的能力060020200100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000