化学Ⅵ

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 化学Ⅵ
科目番号 0109 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 (東京書籍)改訂化学・改訂ニューステップアップ化学・図説化学
担当教員 中川 修

到達目標

物質は低分子量の化合物と分子量が非常に大きい高分子化合物に分類される。まず、高分子化合物がどのような化合物であるかを説明できるようになること。次いで、高分子化合物をさらにいくつかのグループに分類できるようになり、それぞれの性質や反応性を説明できるようになること。高校の教科書に記載された高分子化合物の基本的な知識の定着が目標となる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
高分子化合物高分子化合物を分類し特徴を説明することができる。高分子化合物を分類し、特徴を挙げることができる。高分子化合物の分類ができる。高分子化合物の分類ができない。
天然高分子化合物(糖類)単糖類、二糖類など糖類の分類ができ、構造およびそれらの性質を説明できる。単糖類、二糖類などの糖類の分類ができ、構造の違いがわかる。単糖類、二糖類などの糖類の分類ができる。単糖類、二糖類などの糖類の分類ができない。
天然高分子化合物(アミノ酸、タンパク質)アミノ酸とタンパク質の性質や反応を理解し、たんぱく質の構造について説明することができる。アミノ酸、ペプチド結合、タンパク質について説明できる。アミノ酸とはどのような物質であるかを説明できる。アミノ酸とはどのような物質であるかを説明できない。
天然高分子化合物(核酸)核酸の構造を理解しDNAの構造とはたらきについて説明できる。核酸の構造を理解していて、DNAについて説明ができる。核酸の構造を説明できる。核酸の構造を説明できない。
合成高分子化合物合成高分子の分類ができ、代表的な物質を挙げることができる。また、合成方法も説明することができる。合成高分子の分類ができ、それぞれの代表的な物質を挙げることができる。合成高分子の分類ができる。合成高分子の分類ができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
3年生前期までに学習した化学Ⅰ~化学Ⅴ、ものづくり基礎工学とともに、化学および工学の基礎科目として位置づけられる。物質工学科専門科目の有機化学および高分子化学を学習する際にも、この講義内容を理解しておくことは大切である。高分子化合物の分類と特徴について学習しながら、天然高分子化合物や合成高分子化合物などさまざまな高分子化合物の構造と性質について学ぶ。
授業の進め方・方法:
高校の検定教科書を使用して、単元ごとに理解すべき要点を説明していく。具体的には、第6編「高分子化合物」を学習する。毎回教科書1節分(5~10ページ程度)の目安で進めていく。問題集も購入済みであるので、予習・復習に役立てること。各学科の授業で扱う基礎的な内容は同じであり、下記の授業計画に示している。さらに発展的な内容を学科の専門性に応じて付け加えることもある。
注意点:
化学Ⅰ~化学Ⅴ の内容を適宜復習すること。講義用ノートを準備し、授業に集中すること。副教材の問題集等を利用して予習・復習を欠かさず、自学自習の習慣を確立させること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス、有機化合物の復習 有機化合物の構造や分類について説明できる。
2週 1章 天然高分子化合物  高分子化合物の分類と構造 高分子化合物をいくつかのグループに分類し、高分子化合物の構造的な特徴を挙げることができる。
3週 1章 天然高分子化合物  単糖類・二糖類 糖類を分類でき、単糖類および二糖類の代表的な物質を挙げ、その性質を説明できる。
4週 1章 天然高分子化合物  多糖類 多糖類の代表的な物質を挙げ、性質を説明できる。
5週 1章 天然高分子化合物  アミノ酸 アミノ酸の種類を挙げ、ペプチド結合を説明できる。
6週 1章 天然高分子化合物  タンパク質 タンパク質の構造と反応を説明できる。
7週 1章 天然高分子化合物  酵素
前半のまとめ
酵素のはたらき、特徴を説明できる。
中間試験までの学習内容の要点を整理する。
8週 中間試験 前半の学習内容を確認する。
4thQ
9週 中間試験の返却と解説 中間試験を返却し、解説する。前半の学習内容の理解度を確認する。
10週 1章 天然高分子化合物  核酸 核酸の構造とはたらきについて説明できる。
11週 2章 合成高分子化合物 合成高分子の種類と特徴・重合反応 合成高分子の特徴を低分子化合物と比較しながら説明し、いくつかのグループに分類することができる。また、重合反応の種類を説明できる。
12週 2章 合成高分子化合物  合成繊維 代表的な合成繊維の名称と合成方法を説明できる。
13週 2章 合成高分子化合物  プラスチック 熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の差異を構造と性質の観点から説明できる。
14週 2章 合成高分子化合物  ゴム 天然ゴムと合成ゴム、それぞれの構造を理解し、性質を説明することができる。
15週 3章 高分子化合物と人間生活
後半のまとめ
高分子化合物の新しい機能や処理方法を説明できる。
中間試験後の学習内容の要点を整理する。
16週 学年末試験返却 中間試験後の学習内容の定着度を確認する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。3後14
物質の三態とその状態変化を説明できる。3後10
共有結合について説明できる。3後1
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。3後3,後4,後5,後6,後7,後11,後12,後13
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。3後11,後12,後13
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。3後1,後2
高分子化合物がどのようなものか説明できる。3後2
代表的な高分子化合物の種類と、その性質について説明できる。3後3,後4,後5,後6,後7,後11,後12,後13
高分子の熱的性質を説明できる。3後10
重合反応について説明できる。3後9
重縮合・付加重合・重付加・開環重合などの代表的な高分子合成反応を説明でき、どのような高分子がこの反応によりできているか区別できる。3後9,後11,後12,後13
生物化学タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。3後4,後5,後6,後7
単糖の化学構造を説明でき、各種の異性体について説明できる。3後3
グリコシド結合を説明できる。3後3,後4
多糖の例を説明できる。3後4
タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を説明できる。3後5
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。3後6
ヌクレオチドの構造を説明できる。3後7
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。3後7

評価割合

試験課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力8020100