工業化学II

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 工業化学II
科目番号 0121 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 新版 新しい触媒化学
担当教員 北折 典之

到達目標

化学の学習をより実際の工業に生かすための知識と技術を学習する。具体的には、環境を配慮した工業を目指すための触媒とデータの解析方法を身に着ける。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(可) 未到達レベルの目安
評価項目1触媒の原理を理解し、環境触媒の活用と応用を例を挙げて解説できる。触媒の原理を理解し、環境触媒について十分理解している。触媒の原理を理解し、環境触媒の例を挙げることができる。環境触媒の役割を理解していない。
評価項目2光触媒の原理を十分理解し、応用例を示して解説できる。光触媒の原理を理解し、応用例を示しすことができる。光触媒の機構をおおよそ理解している。光触媒の原理の理解が不十分である。
評価項目3品質管理の重要性を理解し、統計的手法が使え、管理図を自由に使えこなすことができる品質管理の重要性を理解し、統計的手法が使え、管理図が使用できる。品質管理の重要性を理解し、ある程度統計的手法が使え、管理図も知っている。品質管理の重要性を理解が不十分で、統計的手法が十分使えず、管理図が描けない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
化学工業がもたらす環境問題に注目し、環境触媒(自動車用触媒や光触媒)に焦点をあてて学習する。次いで、工業化学をサポートする品質管理を学び技術者の最低限のスキルを身に着ける。
授業の進め方・方法:
企業で化学工業製品の開発、管理等を行ってきた教員が、その経験を活かし、工業化学に必要な事項を学習する。講義、グループ討議、実習および発表を通して学ぶ。また、この科目は学修単位科目のため、事前・事後学習として予習・復習を行うこと。
注意点:
予習および発表資料等の期間内の作成

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 工業化学Ⅱのガイダンス
化学エンジニアに求められるスキルについて学ぶ。
触媒の重要性と定義と歴史を学ぶ。
2週 工業化学上必要な触媒 アンモニアの合成触媒の原理と触媒の分類を学ぶ。
エネルギー図を学ぶ。
3週 一般的な触媒の働き 触媒の発現する原理と反応速度の簡単な計算を学び、触媒の効果を理解する。
4週 触媒の選択制、固体表面モデルについて 特定の反応だけを優先的に起こす触媒と触媒表面の吸着モデルを学ぶ。
5週 反応容器と触媒の形状 実際の反応容器と触媒の形状・大きさについて理解する。
6週 環境触媒1(自動車用触媒など) 自動車触媒の原理を学び理解する。
7週 環境触媒2(燃料電池用触媒など)/まとめ リン酸形燃料電池で使用される触媒の働きを学ぶ。
復習とまとめ
8週 中間試験
4thQ
9週 環境触媒3(光触媒が提案される社会背景と本多-藤嶋) 酸化チタンで発見された光触媒の原理を理解する。
10週 環境触媒4(光触媒のメカニズム) 酸化チタンの光触媒のメカニズムを理解する。
11週 環境触媒5(光触媒の応用)と触媒のまとめ 光触媒の応用例を学ぶ。触媒一般を総合理解する。
12週 品質管理1(品質管理の定義と重要性) 品質管理の特徴と国際規格を学び理解する。
13週 品質管理2(QCの7つ道具) 品質管理で使用される代表的な解析方法を学び、使えるようにする。
14週 品質管理3(管理図について) 管理図の重要性を理解し、使えるようにする。
15週 工業化学Ⅱのまとめ 今まで学習してきたことを総復習し、しっかりと身に着ける。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3
技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。3
現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。3
技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。3
社会における技術者の役割と責任を説明できる。3
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。3
環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。3
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。3
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。3
科学技術が社会に与えてきた影響をもとに、技術者の役割や責任を説明できる。3
科学者や技術者が、様々な困難を克服しながら技術の発展に寄与した姿を通し、技術者の使命・重要性について説明できる。3
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野物理化学平衡の記述(質量作用の法則)を説明できる。4
化合物の標準生成自由エネルギーを計算できる。4
反応速度定数、反応次数の概念を理解して、計算により求めることができる。4
化学工学バッチ式と連続式反応装置について特徴や用途を理解できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合801000010100
基礎的能力0000000
専門的能力801000010100
分野横断的能力0000000