地球・環境・省エネルギー

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 地球・環境・省エネルギー
科目番号 0121 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 地学基礎(第一学習社)、改訂ネオパルノート地学基礎(第一学習社)、その他プリント
担当教員 藤井 俊介

到達目標

モデルコアカリキュラムに沿って、太陽系の起源・創成・現在の姿を概観し、地球の内部構造の理解から自然災害である地震などの現象の科学的理解を深め、一方で地球の大気の熱収支や海流の循環を基盤理解として、高潮津波など自然現象と災害の背景理解を目指す。地球温暖化なども扱う。また、地学の基礎的背景としての物理学も紹介し、学際的な視野を広げるとともに身近な地球現象をも工学の対象としてみることができるように、認識を広げ、全地球的視野で物事を考えるための基盤を養成することを目標とする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安可であるレベルの目安未到達レベルの目安
地球的現象・宇宙的現象を説明できる地球的現象・宇宙的現象の例が生じる理由を構造的に説明できる。他の分野への応用ができる。地球的現象・宇宙的現象の例が生じる理由を構造的に説明できる。地球的現象・宇宙的現象の例は挙げることができる。地球的現象・宇宙的現象の例さえ挙げることができない。
地球的現象・宇宙的現象を現象論的に説明できる地球的現象・宇宙的現象の理論的背景を物理学の一部として、定量的に取り扱うことができる。地球的現象・宇宙的現象を物理学の立場から見直し統一的な視点で説明できる。地球的現象・宇宙的現象の例と物理学的現象の例を関連付けることができる。地球的現象・宇宙的現象の例と物理学的現象の例を関連付けることができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
個々の専門の以前に俯瞰的に地球・宇宙現象を見るために必要な知識を習得する。そのために、太陽系の起源から惑星まで、地球の内部構造と地震、大気や海流の循環と熱収支、津波や火山、地球温暖化など災害とかかわる現象を、地学・地球物理的な視点でとらえなおし、巨視的な視野で現象を見つめる視点を養う。
授業の進め方・方法:
教科書をベースに進めていく。学修単位で2単位相当なので、復習用プリントを10回ほど配布し知識の定着を図る。教員によっては、余った時間で地学と物理学の関連についてテーマを絞ってより詳細にみていき、自然現象を定量的に扱う方法論の基礎の導入も行う。
注意点:
復習プリントは、学修単位としての成績根拠資料となるので、毎回、丸付け・訂正の上、提出すること。復習プリントが、1枚でも足りない場合は、学習単位分の根拠資料が不足するので、無条件にDとなるので、注意すること。成績は、復習プリント+他の提出物で50%、定期テスト50%とする。後期中間試験は行わない。学年末試験のみ実施する。後期中間試験は行わない。成績表の評価方法は、このシラバスの通りとする。再テストは、必ずしも行うとは限らないが、再テストを行う場合の基準は、再テストのみで60点以上が合格条件である。追加課題等の補填は行わない。再テストをやる場合は、1回のみであり、それ以外の再評価は行わない。初見の問題にも対応できるよう、普段から授業をよく聞き、暗記型学習から脱却することがとても大事なる。本試験も再テストも、テストで示される基準以上の物理的思考力を持っているかを確認することが趣旨なので、そこを理解しておいてほしい。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス。地学で扱うスケール 太陽系のスケール感覚を説明できる。
2週 地球の形と大きさの測定、地球の形と大きさ 地球の形と大きさがどのように測定されたのか説明できる。
3週 地球の内部構造、地球の構成物質、プレートの運動 地球の内部構造、地殻の運動の説明ができる
4週 プレートの収束と造山運動、火山の分布、火山の地形 プレートテクトニクスが説明できる。火山の分布や地形が説明できる。
5週 火山の噴火と火成岩、火成岩の種類、地震が発生する仕組み 火山の噴火や火成岩の種類、地震が発生する仕組みを説明できる。
6週 地震の動き、地震の発生する地域、大気の構成 地震の動きや発生する地域の特色をあげられる、大気の構成について説明できる。
7週 大気圏の特徴、対流圏における水の変化、太陽放射と地球放射 大気圏の構造が説明できる。対流圏の水の状態変化を通して雲などの発生の仕組みを説明できる。太陽放射と地球放射について説明できる。
8週 地球のエネルギー平衡、緯度によるエネルギー収支、風 地球の熱収支について説明できる。
4thQ
9週 大気の大循環、海洋の構造、大気と海洋の密接な関係 大気と海洋の循環や構造を説明できる。
10週 気候変動・地球温暖化による変化 気候変動・地球温暖化について説明できる
11週 オゾン層の変化・日本の自然環境・季節の変化 オゾン層の破壊・日本の自然環境について説明できる。
12週 気象災害①・気象災害②・地震災害・地震による被害の軽減・火山災害と防災 気象災害・地震災害・火山災害について説明でき、防災に関心を持てる
13週 太陽の誕生・太陽の活動・物理学との関連 太陽がいかにしてできたのか説明できる。地学的な現象を物理学的現象としてとらえなおすことができる。
14週 太陽系と地球の誕生・物理学との関連 太陽系がいかにしてできたのか説明できる。地学的な現象を物理学的現象としてとらえなおすことができる。
15週 ケプラーの法則・物理学との関連 ケプラーの法則が説明できる。地学的な現象を物理学的現象としてとらえなおすことができる。
16週 後期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学ライフサイエンス/アースサイエンスライフサイエンス/アースサイエンス太陽系を構成する惑星の中に地球があり、月は地球の衛星であることを説明できる。3後13,後14,後15
地球は大気と水で覆われた惑星であることを説明できる。3後7,後13,後14
陸地および海底の大地形とその形成を説明できる。3後1
地球の内部構造を理解して、内部には何があるか説明できる。3後2,後3,後4
マグマの生成と火山活動を説明できる。3後5
地震の発生と断層運動について説明できる。3後5,後6
地球科学を支えるプレートテクトニクスを説明できる。3後4,後6
プレート境界における地震活動の特徴とそれに伴う地殻変動などについて説明できる。3後4,後6
大気圏の構造・成分を理解し、大気圧を説明できる。3後7
大気の熱収支を理解し、大気の運動を説明できる。3後8
大気の大循環を理解し、大気中の風の流れなどの気象現象を説明できる。3後9
海水の運動を理解し、潮流、高潮、津波などを説明できる。3後9
地球温暖化の問題点、原因と対策について説明できる。3後10,後11,後12

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合50000050100
基礎的能力2000003050
専門的能力2000001030
分野横断的能力1000001020