工学や科学において、現象を理解する際は、まずモデルを作り、これを数式で表す。本講においてはそれらの代表的な例として、フーリエ解析と偏微分方程式を取り上げて学習する。これにより、数学を専門分野に応用する方法について理解する。
概要:
数学の授業では、多くの数式を取り扱うが、それらの全ては論理的に関係しており、元をたどれば、単純な数個の考えや式から出発していることがほとんどである。そこを見誤ると、数学は無意味な式の羅列と化してしまう。本講では、それが起こらないよう気を配り、出発点はどこで、目標はどこであるかを常に意識できるよう授業を進めてゆく。
授業の進め方・方法:
講義形式で授業を進める。教科書の内容を説明しながら板書をし、学生がそれをノートに書くことで、理解を深めてゆく。また、演習の時間も取り入れて、復習をしながら次の単元に進んでゆく。
注意点:
数式を目で見ただけで理解するのは極めて困難である。授業中にノートを取ることを大切にし、後で見ても理解できるように、授業中に教員が話したことも、メモを取る習慣をつけてほしい。また、予習復習をしてくること。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
イントロダクション |
フーリエ級数展開、フーリエ変換とは何か?何の役に立つか等について理解する。
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2週 |
フーリエ級数展開 1 |
三角関数の直交性について理解する。
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3週 |
フーリエ級数展開 2 |
フーリエ級数展開の方法について理解する。
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4週 |
演習 |
フーリエ級数展開について演習を通して理解する。
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5週 |
フーリエ級数展開と関数の偶奇性 1 |
関数の対称性と展開結果との関係について理解する。
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6週 |
フーリエ級数展開と関数の偶奇性 2 |
フーリエ正弦展開及び余弦展開について理解する。
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7週 |
演習 |
フーリエ級数展開と関数の偶奇性について、演習を通して理解する。
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8週 |
前期中間試験 |
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4thQ |
9週 |
複素フーリエ級数展開 |
ベクトル空間との類似性を踏まえ、複素展開を理解する。
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10週 |
フーリエ級数展開と再現性 |
関数に不連続点がある場合のフーリエ級数展開について理解する。
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11週 |
演習 |
複素フーリエ級数展開及び、フーリエ級数展開の再現性について演習を通して理解する。
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12週 |
フーリエ変換 1 |
フーリエ級数展開において、関数の周期を無限大にした場合について理解する。
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13週 |
フーリエ変換 2 |
コーシーの留数定理を踏まえ、フーリエ積分を行う方法を理解する。
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14週 |
フーリエ変換 3 |
パーセバルの定理を踏まえたフーリエ積分について理解する。
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15週 |
演習 |
フーリエ変換の基礎計算について、演習を通して理解する。
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16週 |
前期末試験の解説
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 数学 | 数学 | 数学 | 簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。 | 3 | |
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。 | 3 | |
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。 | 3 | |
合成関数の導関数を求めることができる。 | 3 | |
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。 | 3 | |
逆三角関数を理解し、逆三角関数の導関数を求めることができる。 | 3 | |
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。 | 3 | |
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。 | 3 | |
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。 | 3 | |
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。 | 3 | |
簡単な場合について、曲線で囲まれた図形の面積を定積分で求めることができる。 | 3 | |
簡単な場合について、曲線の長さを定積分で求めることができる。 | 3 | |
簡単な場合について、立体の体積を定積分で求めることができる。 | 3 | |
2変数関数の定義域を理解し、不等式やグラフで表すことができる。 | 3 | |
合成関数の偏微分法を利用して、偏導関数を求めることができる。 | 3 | |
簡単な関数について、2次までの偏導関数を求めることができる。 | 3 | |
偏導関数を用いて、基本的な2変数関数の極値を求めることができる。 | 3 | |
簡単な1変数関数の局所的な1次近似式を求めることができる。 | 3 | |
1変数関数のテイラー展開を理解し、基本的な関数のマクローリン展開を求めることができる。 | 3 | |
オイラーの公式を用いて、複素数変数の指数関数の簡単な計算ができる。 | 3 | |