教養選択Ⅰ(現代物理学入門)

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 教養選択Ⅰ(現代物理学入門)
科目番号 0152 科目区分 一般 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 特に指定しない。必要に応じてプリントを配布する。
担当教員 大野 秀樹

到達目標

3年次までに学んだ数学・物理・化学を基盤として、現代物理学(前期量子論・量子力学)の分野について学ぶ。この授業を通じて物理的な見方・考え方を身につけ、自然現象を系統的、論理的に考えていく力を養っていく。物理学は工学を学ぶための極めて重要な基礎であり、多くの分野において欠かせない知識である。教養選択Ⅰ(現代物理学入門)では、次のような到達目標を設定する。
【1】量子力学誕生の歴史的背景を踏まえ、前期量子論の概要について理解し説明できる。また、シュレディンガー方程式についてその概要について理解できる。
【2】前期量子論に関連する各種実験を班員と協力して行い、その実験結果を通じてそれら物理現象を説明でき、そのレポートを作成できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安(不可)
評価項目1前期量子論について、歴史的背景を踏まえ、その概要について理解し説明できる。また、シュレデインカー方程式を用いた基本的な計算ができる。前期量子論について、その概要について理解し説明できる。また、シュレディンガー方程式を導出できる。前期量子論について、その概要について理解できる。前期量子論について、その概要について理解できない。
評価項目2物理実験を安全に行い、結果と考察をレポートにまとめられる。また、その結果を通して物理現象を説明できる。物理実験を安全に行い、結果と考察をレポートにまとめられる。物理実験を安全に行い、結果をレポートにまとめられる。物理実験を安全に行い、結果と考察をレポートにまとめられない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
原子分子レベルの微視的世界を記述する量子力学の基礎について講義していく。簡単な歴史的背景を踏まえながら前期量子論について学ぶ。その後、関連した実験をグループで行い、結果をまとめてレポート作成、議論を行う。最後に、量子力学における基本法則であるシュレディンガー方程式について学ぶ。また、その基本的な例について計算を行いその結果について考察する。
授業の進め方・方法:
本授業は座学、実験、レポート作成、演習から成り立つ。受講学生の主体的学びが重要である。
なお、この科目は学修単位科目のため、事前・事後学習として、予習・復習を行うこと。
注意点:
評価割合の項目別では、それぞれ次の評価が行われる。「グループワーク」は実験とその結果と議論、レポートの作成である。「課題」は演習レポート等の成績である。
※コロナウイルス感染症による社会情勢によっては学校の状況も変わることがある。その場合は、授業内容・方法等を一部変更することがある。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 量子力学の誕生とその工学への応用について、歴史的背景をみながら俯瞰する。
2週 前期量子論① エネルギー量子について理解できる。
3週 前期量子論② 光と量子論的粒子の粒子性と波動性について理解できる。
4週 前期量子論③ 光と量子論的粒子の粒子性と波動性について理解できる。(3週の続き)
5週 前期量子論④ ボーアの量子条件と原子模型について理解できる。
6週 実験準備 7週〜9週にかけて行う実験について下調べを行う。
7週 光電効果の実験 7週〜9週にかけて、グループごとに実験を行う。
8週 フランクヘルツの実験 7週〜9週にかけて、グループごとに実験を行う。
2ndQ
9週 水素原子の輝線スペクトル測定 7週〜9週にかけて、グループごとに実験を行う。
10週 実験結果の議論 各グループごとに実験結果と課題の議論を行う。
11週 量子力学の基礎① 前期量子論の結果を踏まえ、量子力学の基本法則について理解できる。
12週 量子力学の基礎② シュレディンガー方程式を導出できる。
13週 量子力学の基礎③ 単純なシュレディンガー方程式を用いた計算ができる。
14週 量子力学の基礎④ 位置やエネルギーの期待値について説明できる。
15週 本科目のまとめ まとめ
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理実験物理実験測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。3前7,前8,前9
安全を確保して、実験を行うことができる。3前7,前8,前9
実験報告書を決められた形式で作成できる。3前10,前11
有効数字を考慮して、データを集計することができる。3前7,前8,前9
電子・原子に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3前7,前8,前9

評価割合

試験グループワーク相互評価態度ポートフォリオ課題合計
総合評価割合02500075100
基礎的能力02500075100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000