化学工学Ⅰ

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 化学工学Ⅰ
科目番号 0158 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 基礎からわかる化学工学、著者:石井宏幸、発行所:森北出版
担当教員 石井 宏幸,山本 祥正

到達目標

化学装置を設計、制御するための基礎となる「物質収支」と「物質移動」の考え方や式の立て方を理解する。化学反応を工業的規模で行わせる際に重要な、熱およびガス吸収について学ぶ。 物質収支や物質移動の考え方および数式の意味が現象と結びつけて理解できるようになることを目標とする。また、物質収支と物質移動の意味を理解した上で化学工学計算ができるようになる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1 SI単位、単位換算の理解いろいろな単位換算ができる。SI単位の単位換算ができる。教員が助言し、本を見ればSI単位の単位換算ができる。単位換算が出来ない
評価項目2 収支を理解エネルギー収支、運動量収支、物質収支がとれる。物質収支がとれる。教員が助言し、本を見れば物質収支がとれる。収支を理解していない。
評価項目3 圧力損失の計算の理解複雑な管路での計算ができる。直管における計算ができる。教員が助言し、本を見れば直管における計算ができる。計算ができない。
評価項目4 伝熱のメカニズムの理解伝熱のメカニズムを理解している。伝熱のメカニズムを知っている。教員が助言し、本を見れば伝熱のメカニズムを思い出す。伝熱のメカニズムを知らない。
評価項目5 熱交換器の伝熱性能評価熱交換器の伝熱性能評価を理解している。熱交換器の伝熱性能評価を知っている。教員が助言し、本を見れば熱交換器の伝熱性能評価を思い出す。熱交換器の伝熱性能評価が出来ない。
評価項目6 蒸留塔の設計蒸留塔の設計を理解している。蒸留塔の設計を知っている。教員が助言し、本を見れば蒸留塔の設計を思い出す。蒸留塔の設計が出来ない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
化学工学の重要なトピックスである、流動、伝熱、反応、分離、プロセスシステムのうち、流動、伝熱と蒸留について学ぶ。化学反応、生物反応を起こさせるための「場」を設計する場合の基礎的な考え方を学ぶ科目として位置づけられる。反応装置の設計に必要な基礎科目として位置づけられる。
授業の進め方・方法:
講義前に教科書の例題、章末問題を予習で解いてきてもらう。予習で分からないところをピックアップしておき、当日の授業では集中的に聞く。講義に使用するpptやその他の資料も全てチームズにアップロードされている。原理や算出式の詳細な説明である。例題や章末問題が身に付いているかを中間,期末試験で評価する。
注意点:
必ず、予習をすること(学修単位である)。授業中はアクティブに脳を活性化させること。原理や算出式の導出においては、授業のpptを見ただけでなく、学生各自、紙に鉛筆で太く、濃く書いて欲しい。配布資料はファイルすること。演習を行うので、電卓を持参すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 導入:化学工学とは?/単位 化学工学の目的の理解および単位換算ができる。
2週 収支:物質収支 物質収支の概念の理解と計算ができる。
3週 収支:エネルギー収支 エネルギー収支の概念の理解と計算ができる。
4週 流動:管内流れの物質収支とエネルギー収支 定常流れの物質収支、エネルギー収支(ベルヌーイの式、機械的エネルギー収支)を理解する。
5週 流動:層流と乱流 ニュートン流体、流れの状態、レイノルズ数の意味を知る。
6週 流動:管内流れの運動量収支 層流、乱流における半径方向速度分布式が導ける。
7週 流動:圧力損失の計算 直管、エルボ、オリフィスなどがある管内流れの圧力損失の計算ができる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 伝熱:伝熱の種類 フーリエの法則、平板や円筒内の熱伝導計算ができる。
10週 伝熱:総括伝熱係数 境膜伝熱係数、総括伝熱係数を理解できる。
11週 伝熱:熱交換器の設計 熱交換器の原理を理解し、設計計算ができる。
12週 蒸留:気液平衡 気液平衡線図、相対揮発度を理解できる。
13週 蒸留:単蒸留 レイリー式をを理解する。
14週 蒸留:連続精留塔の設計 マッケーブシーレ法による連続精留塔の計算ができる。
15週 まとめ
16週 期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野化学工学SI単位への単位換算ができる。4前1
物質の流れと物質収支についての計算ができる。4前2
化学反応を伴う場合と伴わない場合のプロセスの物質収支の計算ができる。4前3
管径と流速・流量・レイノルズ数の計算ができ、流れの状態(層流・乱流)の判断ができる。4前4
流れの物質収支の計算ができる。4前4
流れのエネルギー収支やエネルギー損失の計算ができる。4前4
流体輸送の動力の計算ができる。4前4
蒸留の原理について理解できる。4前12
単蒸留、精留・蒸留装置について理解できる。4前13,前14
蒸留についての計算ができる(ラウールの法則、マッケーブシール法等)。4前14

評価割合

試験演習相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合60400000100
総合評価0000000
基礎的能力0000000
専門的能力60400000100
分野横断的能力0000000