到達目標
分子と光との相互作用:赤外吸収およびラマン散乱過程について説明することができる。 赤外およびラマンスペクトルを非経験的分子軌道法により予測し、分子構造や分子の置かれた環境の分子振動への影響を説明することができる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 最低限の到達レベルの目安(可) | 未到達レベルの目安 |
分子の赤外吸収とラマン散乱過程 | ・赤外吸収およびラマン散乱過程の違いについてエネルギーダイアグラムを用いて説明できる ・分子構造をもとに基準振動数を求めることができる ・基準振動の赤外、ラマン活性を判別できる。また相互禁制則が成り立つ分子を判定できる | 理想的な到達レベルの目標に掲げた内容のうち2項目を達成することができる | 理想的な到達レベルの目標に掲げた内容のうち1項目を達成することができる | 理想的な到達レベルの目標に掲げた内容のいずれも達成することができない |
化学計算ソフトウェアの利用 | 任意の分子の振動解析を効率よく行い、赤外/ラマンスペクトルを計算して予測し、それを分子の諸物性、環境等と関連付けて説明することができる。 | 任意の分子の振動解析を赤外/ラマンスペクトルを計算して予測し、それを分子の特定の物性と関連付けて説明することができる。 | 特定の簡単な分子の振動解析を行い赤外/ラマンスペクトルを計算し予測することができる | 分子の振動解析ができない |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
本授業ではまず光と分子の相互作用すなわち、光吸収や散乱等の現象について学習する。 次に分子の振動解析により赤外/ラマンスペクトルを計算により取得する方法について学ぶ。 さらに実測のスペクトルとの比較や、分子ごとのスペクトルの違いを分子構造や分子の置かれた環境などにより説明することができるようにする。
授業の進め方・方法:
座学とコンピューターを使った演習を交互に行う。
注意点:
・本科目の学習内容をマスターするためには積極的な自学自習への取り組みが必要である。課題には発展的な内容も含まれるので、可能な限りチャレンジすることが望まれる。 ・Windows OSの基本的な操作方法を習得していること。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
イントロダクション |
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2週 |
光(電磁波)の性質 |
光(電磁波)の吸収、散乱等の物質と光の相互作用について説明することができる。
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3週 |
吸収、散乱等の物質と光の相互作用について説明することができる。 |
吸収、散乱等の物質と光の相互作用について説明することができる。
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4週 |
分光法概説 |
(振動)分光に用いられる分析機器の原理の概要を説明することができる。
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5週 |
分子の対称性 |
分子を対称性によって分類することができる。(点群の理解を含む)
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6週 |
赤外活性とラマン活性 |
分子の対称性によって赤外活性およびラマン活性となる振動モードを判別することができる。
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7週 |
量子化学計算 |
いくつかの量子化学計算の原理や特徴を説明することができる。
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8週 |
分子モデリング |
Winmostar等のソフトウェアを用いて分子モデリングができる。
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2ndQ |
9週 |
分子モデリングと振動計算、前半部分のまとめ |
半径経験的分子軌道法により(MOPAC等のソフトウェア使用)分子構造の最適化及びスペクトルの計算ができる。
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10週 |
振動計算 |
非経験的手法により(Firefly, GAMESS等使用)赤外およびラマンスペクトルを計算することができる。
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11週 |
分子間、分子内相互作用 1 |
分子間および分子内の置換基同士が互いの分子振動に及ぼし合うことを計算により確かめ、その影響を説明することができる。
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12週 |
分子間、分子内相互作用 2 |
分子間および分子内の置換基同士が互いの分子振動に及ぼし合うことを計算により確かめ、その影響を説明することができる。
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13週 |
計算化学ソフトウェアの応用 1 |
授業で用いたソフトウェアのその他の利用法
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14週 |
計算化学ソフトウェアの応用 2 |
同上
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15週 |
授業後半部分のまとめ |
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 試験 | レポート等 | 合計 |
総合評価割合 | 50 | 50 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 50 | 50 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 |