高分子化学Ⅱ

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 高分子化学Ⅱ
科目番号 0161 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 高分子合成化学 (井上祥平著、裳華房)
担当教員 中川 修

到達目標

高分子合成にはいくつかの方法があるが、その一種である付加重合について説明できるようになる。また、付加重合の下位の分類であるラジカル重合とイオン重合の特徴を理解し、それらの相違点を説明できるようになる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
重合反応の種類について説明できる重縮合、付加重合などの重合反応を相違点を明確にしながら説明できる。重縮合、付加重合などの重合反応を説明できる。重合反応の種類を挙げることができる。重合反応の種類を挙げることができない。
付加重合のラジカル重合について説明できるラジカル重合の反応速度など、動力学について説明できる。ラジカル重合の素反応を説明できる。ラジカル重合の素反応を挙げることができる。ラジカル重合の素反応を挙げることができない。
付加重合のイオン重合について説明できるイオン重合の特徴をラジカル重合と比較しながら説明することができるイオン重合の特徴を挙げ、説明ができる。イオン重合の特徴を挙げることができる。イオン重合の特徴を挙げることができない。
開環重合について説明できる付加重合と開環重合の違いが説明でき、どのような化合物が開環重合するかを理解している。付加重合と開環重合の違いを明確に説明できる。開環重合の特徴を説明できる。開環重合の特徴を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
3年・4年で有機化学の基礎、また、4年で高分子化学の基礎を学習済みである。4年生の高分子化学Ⅰでは、重合反応の分類について学習したが、この講義では付加重合について理解を深める。具体的には、ラジカル重合とイオン重合の特徴および相違点を理解する。また、開環重合についても解説を加える。
授業の進め方・方法:
使用する教科書の内容を具体例を挙げながら説明していく。要点を黒板にまとめていくので、講義用ノートを用意すること。途中で理解度を確認するため中間試験を実施する。
注意点:
有機化学および4年次の高分子化学の講義内容を再確認しておくこと。ノートを準備しておくこと。 欠課時間数が授業時間数の3分の1を超えた者には単位を認定しない。予習・復習を欠かさず自学自習の習慣を確立させること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス、高分子化学Ⅰの復習 重合反応の種類を説明できる。
2週 ラジカル重合の反応機構と素反応 ラジカル重合の素反応である開始反応、成長反応、停止反応を説明できる。
3週 ラジカル重合の動力学 ラジカル重合の重合速度式と動力学的鎖長を示す式を理解し、活用できる。
4週 連鎖移動と禁止剤 ラジカル重合の連鎖移動と禁止剤の働きを知る。
5週 ゲル効果、重合反応の平衡 ラジカル重合に特徴的なゲル効果を説明できる。重合熱について理解し、ビニル重合の平衡および天井温度について説明できる。
6週 ラジカル重合の方法 ラジカル共重合(1) 塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合の特徴を説明できる。2種類以上のモノマーを重合させるラジカル共重合を理解する。
7週 前半の学習内容の理解度をテストで確認する ラジカル重合の素反応や動力学、重合方法の特徴を説明できる。
8週 ラジカル共重合(2) モノマー反応性比、Q-e値を理解し、ポリマーの構造を予測できる。
2ndQ
9週 アニオン重合の反応機構と素反応 アニオン重合の素反応である開始反応、成長反応、停止反応を説明できる。
10週 アニオン重合性のモノマーとアニオン開始剤 アニオン重合性のモノマーとアニオン開始剤の種類について説明ができる。
11週 アニオン共重合 アニオン共重合の特徴をラジカル共重合と比較できる。
12週 カチオン重合性のモノマーとカチオン開始剤 カチオン重合するモノマーの特徴とカチオン開始剤の特徴について説明できる。
13週 カチオン重合の副反応 カチオン重合で留意すべき副反応を説明できる。
14週 開環重合 開環重合の特徴を付加重合と比較して説明ができる。
15週 学年末試験 学習範囲で理解度が低いところがあれば、復習すべき内容を確認する。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験合計
総合評価割合100100
基礎的能力3030
専門的能力7070