到達目標
物質の示す様々な性質:電気伝導性、誘電性、光学的性質などの起源、その定量的な表し方およびこれらの性質を利用したデバイスについて理解するのが本科目の目標である。これらの物性には相互に関係しているものが少なくない。そのことに気づくことができれば、本科目の内容についてより深く理解したことになる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
電子構造 | 右記に加えて、エネルギーの単位変換、エネルギーと等価な光の振動数、温度との間の数値変換ができる。 | 右記に加え、金属・半導体・絶縁体のバンド構造の違いを説明できる。バンドギャップ、フェルミ準位を説明できる。 | 分子軌道図を描き分子の結合定数を求めることができる。 | 金属・半導体・絶縁体のバンド構造の違いを説明できない。 |
電気伝導性(熱的性質含む) | 右記に加え、直接型・間接型半導体の違いを説明できる。 固体のイオン伝導とそれを利用したデバイスについて説明できる。 | 右記に加え、キャリア移動度、電気伝導率など関係する諸量の計算ができる。 | 固体を電気伝導性により分類できる。 半導体の電子構造を説明できる。 | 固体の電気学的性質の説明ができない |
誘電性 | 右記に加え、誘電性関数諸量を数式を用いて表すことができる。 | 右記に加え、固体の誘電性を利用したデバイスとその動作原理について説明できる。 | 固体内の分極の種類及び誘電体の分類ができる。 | 固体内の分極の種類及び誘電体の分類ができない。 |
光学的性質 | 右記に加え、光学現象を利用したデバイスとその動作原理について説明できる。また、複雑な光学現象について説明できる。 | 右記に加え、光学現象を数式を用いた定量的な表現ができる。 | 固体に生じる様々な光学現象の種類を説明できる | 固体の光学現象を説明できない |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
これまでに物理学、物理化学、化学工学、材料化学、材料工学等の科目で学習した知識をもとに、物質の示す重要な物性のいくつかについて学習する。それぞれの物性の側面から物質を理解し、物性に関する知識を広げるための科目である。
授業の進め方・方法:
座学の授業を基本とし、分野ごとに説明と演習を繰り返しながら進める。 関連する研究トピックの紹介、マルチメディアの利用は適宜行う。 定期試験前などに授業内容の振り返りの時間を設ける。
注意点:
本科目は幅広い物性に関する科目であり、その内容は一部復習に相当する内容を含む。既習の分野を中心に学習を進めることが求められる。それ以外の分野においても、積極的な自学自習の態度は評価される。 数学の初等関数の計算、微積分の知識は必要である。必要な知識は物理化学IおよびIIに準じる。 演習および定期試験では関数電卓を使用するので常に持参しておくこと。 物理化学IおよびIIの教科書および参考書が本科目の理解の助けになる。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
イントロダクション 復習 電子構造 1 |
本校(物質工学科)カリキュラム内での本科目の位置づけを理解できる。 2原子分子の分子軌道のエネルギー図を描き、その結合の結合定数を説明できる。 分子の電子構造を基に、固体の電子構造の成り立ちを説明できる。
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2週 |
電子構造 2 |
エネルギーと等価な光の振動数、温度との間で数値の変換ができる。 金属・半導体・絶縁体などの電子構造の違いを説明できる。 バンドギャップ・フェルミ準位などの概念を説明できる。
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3週 |
電気的性質(電気伝導性) 1 |
電気伝導性による物質の分類ができる。 キャリア密度、移動度、伝導率、抵抗率の間の関係式を用いて、相互に値を求めることができる。
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4週 |
電気的性質(電気伝導性) 2 |
真性半導体と不純物半導体の電子構造を説明できる。 直接遷移・間接遷移の違いを説明できる。
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5週 |
電気的性質(電気伝導性) 3 |
pn接合への光・電気の作用を説明できる。 半導体の光応答を利用した様々なデバイスの動作原理を説明できる。
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6週 |
電気的性質(電気伝導性) 4 熱的性質 |
固体のイオン伝導とそれを利用したデバイスの動作原理を説明できる。 金属の電気伝導性と熱伝導性の関係について説明できる。
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7週 |
振り返りの時間 |
授業前半のまとめ、復習、問題の解説など
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8週 |
中間試験 |
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4thQ |
9週 |
電気的性質(誘電性) 1 |
中間試験の解説 電気双極子モーメントと固体の分極を説明できる。
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10週 |
電気的性質(誘電性) 2 |
固体の分極の種類を説明できる。 誘電体の分類を説明できる。 コンデンサーの動作の説明ができる。
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11週 |
電気的性質(誘電性) 3 |
誘電分散の説明ができる。 誘電体を用いたデバイスとその動作を説明できる。
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12週 |
固体の光学的性質 1 |
Lambert - Beer則を用いた光吸収に関する計算ができる。 電子遷移および振動遷移による光吸収の特徴を説明できる。
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13週 |
固体の光学的性質 2 |
Snellの式およびFresnelの式を用いて光の屈折・反射について説明できる。
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14週 |
固体の光学的性質 3 |
発光・その他の固体と光の相互作用による現象を説明できる。
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15週 |
振り返りの時間 |
授業後半のまとめ、問題の解説など
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 試験 | レポート等 | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 20 | 100 |
基礎的能力 | 80 | 20 | 100 |
専門的能力 | 0 | 0 | 0 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 |