社会と文化からみる歴史I

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 社会と文化からみる歴史I
科目番号 1119 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 詳説日本史B(山川出版)
担当教員 鈴木 慎也

到達目標

①歴史学とは様々な歴史資料をもとに、科学的・論理的にそれらを組み立てることで、歴史的事実に迫り、その過程や歴史的意義を考える学問であるということを実感させる。 ②日本の戦国時代〜日露戦争までの歴史についての知識を身につけ、それを基に現代社会の諸問題について考察を深められる。
③自ら課題を設定して調査し、自分の考えをまとめて発表する能力を養う。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1歴史学を学ぶ意義を十分に理解し、様々な歴史資料をもとに、自らの考えを論理的にまとめることができる。歴史学を学ぶ意義を理解し、様々な歴史資料をもとに、自らの考えをまとめることができる。歴史学を学ぶ意義について、理解が不十分であり、歴史資料をもとに、自らの考えをまとめることができない。
評価項目2日本を中心とした東アジアの基本的知識を十分に身につけている。日本を中心とした東アジアの基本的知識を身につけている。日本を中心とした東アジアの基本的知識が不十分である。
評価項目3自ら課題を設定して調査することができ、それをまとめて発表することが十分にできる。 自ら課題を設定して調査することができ、それをまとめて発表することができる。 自ら課題を設定して調査すること、および、それをまとめて発表することができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
・東アジア史、および、日本史の基本的な知識を身につけ、自ら課題を設定して、資料を取捨選択しながら客観的に考察して分析し、自らの意見を発表する積極的な姿勢が求められる。このような授業を通して、国際社会に主体的に生きる日本人技術者としての資質を養う科目と位置づけられる。                          
・日本とそれ以外の東アジアや東南アジア諸地域との関係性について、各地の地理的な特徴が産業に与えた影響や実際に交易品としてやり取りされた文物などから理解を深める。このような授業内容を通して、世界の多様性のある生活や文化がどのように形成されたのかを理解し、諸外国で活躍することができる教養を身につけた日本人技術者としての資質を養う科目と位置付けられる。
授業の進め方・方法:
上記の目的を果たすために、前期は通常の歴史の授業を行い、夏休みにレポートを課し、後期の授業(「社会と文化から見る歴史Ⅱ」)では通常の授業に交えて一人一人がレポートを発表する演習形式をとる。
注意点:
①必要に応じてプリントを配布するので、なくさないようにして下さい。                                       ②課題発表をきちんと済ませなかった場合は、学年末評価が単位不可となります。                                    ③授業は、ノート形式・空欄補充式のプリントのいずれかを採用します。ただし、黒板を丸写しするだけ、空欄補充だけではノート・プリントは完成したとはいえません。ですので、時代的背景や歴史的関連などしっかりメモをとりましょう。ノート・プリントにどんどん書き込むようにすると、不思議と歴史の流れがわかってきます。また、予習、復習で自分が調べてみたこともプリントへ書き込んで下さい。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス             授業の進め方や学ぶ知識について見通しをもつこと。歴史学に関連する分野について、知識を深める。
2週 戦国時代の日本1 南蛮貿易の特徴と戦国時代の諸大名に与えた経済的な影響について理解する。
3週 戦国時代の日本2 戦国時代における日本産の銀が世界に与えた影響を地理的な側面から理解する。
4週 戦国時代の日本3 織田信長、豊臣秀吉などの諸大名が行った政策について知識を深めるとともに、経済に与えた影響を理解する。
5週 江戸時代の日本1 江戸幕府の禁教令と鎖国政策がどのような社会的背景のもとで行われたものであったのかを考察する。
6週 江戸時代の日本2 江戸幕府の貨幣制度の仕組みと貨幣改鋳がもたらした経済的・社会的影響について理解する。
7週 江戸時代の日本3 江戸の庶民や諸大名の経済状況について、各資料を読み解きながら理解する。
8週 前期中間試験 戦国時代から江戸時代までの歴史的な基礎知識の定着度合いを確認する。
2ndQ
9週 明治維新 大政奉還を当時の東アジアの情勢を踏まえた上で、その意義を理解し、明治政府の諸政策への知識を深める。
10週 明治時代の日本1 明治政府が行った殖産興業政策と近代的な貨幣制度の整備について理解し、その後の松方財政について考察する。
11週 明治時代の日本2 明治政府の軍事体制の整備を概観し、日清戦争開戦に至る過程とその後の展開について考察する。
12週 明治時代の日本3 日露戦争を経済的・地理的な側面からとらえることで、当時の国際社会における日本を多面的に理解する。
13週 明治時代の日本4 軽工業・重工業の発展の過程について、具体的な資料を基に考察し、現代社会との関連性について理解する。
14週 レポートの書き方 レポートの書き方の基本を理解すること。この授業に基づいて、夏季休業中の課題に取り組む。
15週 大正時代の日本1 第一次世界大戦を概観し、大戦前後の様々な経済指標を読み解き、この大戦が日本に与えた影響を理解する。
16週 大正時代の日本2 明治・大正期の庶民の生活について、経済的、文化的な側面から理解する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会地歴産業活動(農牧業、水産業、鉱工業、商業・サービス業等)などの人間活動の歴史的発展過程または現在の地域的特性、産業などの発展が社会に及ぼした影響について理解できる。3前1,前2,前3,前7,前16
人間活動と自然環境との関わりや、産業の発展が自然環境に及ぼした影響について、地理的または歴史的観観点から理解できる。3前2,前3,前13,前16
社会や自然環境に調和した産業発展に向けた現在までの取り組みについて理解できる。3前7,前13,前16
日本を含む世界の様々な生活文化、民族・宗教などの文化的諸事象について、歴史的または地理的観点から理解できる。3前1,前2,前3,前5,前12
国家間や国家内で見られる、いわゆる民族問題など、文化的相違に起因する諸問題について、地理的または歴史的観点から理解できる。3前2,前3,前4,前5,前9,前11,前12
文化の多様性を認識し、互いの文化を尊重することの大切さを理解できる。3前1,前3,前5
公民民主政治の基本的原理、日本国憲法の成り立ちやその特性について理解できる。2前10
資本主義経済の特質や財政・金融などの機能、経済面での政府の役割について理解できる。2前4,前6,前12,前15
地歴・公民今日の国際的な政治・経済の仕組みや、国家間の結びつきの現状とそのさまざまな背景について理解できる。3前2,前3,前6,前9,前15
環境問題、資源・エネルギー問題、南北問題、人口・食糧問題といった地球的諸課題とその背景について理解できる。2前3
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能相手を理解した上で、説明の方法を工夫しながら、自分の意見や考えをわかりやすく伝え、十分な理解を得ている。3
ICTやICTツール、文書等を基礎的な情報収集や情報発信に活用できる。3前14

評価割合

試験発表とレポート小テスト・提出物等合計
総合評価割合502525100
基礎的能力502525100
専門的能力0000
分野横断的能力0000