無機化学I

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 無機化学I
科目番号 1136 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 ベーシック化学シリーズ1入門無機化学
担当教員 北折 典之

到達目標

無機化学Ⅰは、すべての元素および単体、無機化合物について学習するのが目標である。原子の電子配置と周期律、化学結合と分子の構造、錯体、気体、固体の性質、電気分解、酸塩基、中和などを理解し、基本的な計算問題ができること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1定比例の法則、倍数比例、不定比化合物に関し十分理解し、説明と計算ができる。定比例の法則、倍数比例、不定比化合物を理解し、説明と簡単な計算ができる。定比例の法則、倍数比例、不定比化合物を理解し、簡単な計算ができる。定比例の法則、倍数比例、不定比化合物に関し理解が不十分で、説明と計算ができきない。
評価項目2気体に関する法則を理解し、計算等の応用問題が解けること。気体に関する法則を理解し、基本的な計算問題ができるくらいに活用できること。気体に関する法則を理解し、基本的な計算問題ができること。気体に関する法則の理解が不十分。
評価項目3ファラデーの電気分解法則を理解し、その応用問題が解ける。ファラデーの電気分解法則を理解し、基本的な問題が十分解ける。ファラデーの電気分解法則の基本的な問題が解ける。ファラデーの電気分解法則の理解が不十分。
評価項目4中和反応の応用問題が解ける。中和反応を理解し、基本的な問題は十分解ける。中和反応の基本的な問題が解ける。中和反応の化学式を正確に示せない。
評価項目5ルシャトリエの原理を理解し、説明できる。応用問題ができる。ルシャトリエの原理を理解し、基本的な問題は十分解ける。ルシャトリエの原理を理解し、基本的な問題が分解ける。ルシャトリエの原理の理解が不十分である。
評価項目6緩衝溶液を説明し、任意のpHの緩衝溶液を計算できる。緩衝溶液を理解し、緩衝溶液に関する計算ができる。緩衝溶液を理解している。緩衝溶液の理解が不十分である。
評価項目73つの酸塩基の定義を例を示して説明できる。3つの酸塩基の定義を十分に説明できる。3つの酸塩基の定義を説明できる。3つの酸塩基の定義を十分に説明できない。
評価項目8周期表を理解し、原子番号30までの原子の電子配置が正確に書ける。周期表を理解し、電子配置の基本的な説明ができる。周期表を理解し、電子配置の説明ができる。周期表の理解が電子配置の理解が不十分。不十分である。
評価項目9錯体のついて、構造や結合を理解し、説明できること。錯体について十分に説明できること。錯体について説明できること。錯体についての理解が不十分である。
評価項目10無機化合物の命名法を理解し、自由に活用できる。無機化合物の命名法を理解している。基本的な化合物に関しては正確に命名できる。無機化合物の命名法を理解している。無機化合物の命名法を十分理解していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
高校で学ぶ化学のレベルから、一歩上級の化学へのアプローチ的授業。無機化学を通して基礎から応用まで幅広く化学を学ぶ。加えて計算問題を通して理解度を高める。
授業の進め方・方法:
講義と演習
注意点:
本科目は、予習・復習等の自学自習で効果が向上するので、必ず心がけること。自学自習の習慣を身に着けること。
化学1の基礎科学を十分理解しておくこと。元素の周期表、原子量を覚えておくこと。予習、復習をしっかりすること。授業の毎に電卓を持参すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 定比例の法則、倍数比例の法則および不定比化合物について 原子説についの経緯を学び、実際の化合物と比較する。
2週 周期律表
電子軌道について
周期表を理解し、軌道に入っていく電子の順番を理解すること。
3週 電子配置について 原子番号30までの元素の電子配置を示せること。
4週 イオン化エネルギー
エネルギーの単位
イオン化エネルギーの意味を理解し、eVの単位を学び、計算問題が解けること。
5週 電気分解について ファラデーの電気分解の法則を使い、計算問題ができる。
6週 小テスト
7週 中間テスト
8週 中間テストの解説および気体に関する法則について 気体の性質を学び。
4thQ
9週 気体に関する計算と質量作用の法則の解説 気体に関する計算問題を学ぶ。
質量作用について理解する。
10週 ルシャトリエの法則と緩衝液について1(pH計算含む) ルシャトリエの法則の実用例を学び緩衝液の計算を解く。
11週 ルシャトリエの法則と緩衝液について2 ルシャトリエの法則の実用例を学び緩衝液の応用計算を解く。
12週 3つの酸塩基の定義について 3の酸、塩基の定義を理解し、例を示せること。
13週 配位化合物(錯体について) 配位化合物の特徴と性質を理解し、説明できること。
14週 小テスト
15週 無機化学Ⅰのまとめ
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。1
σ結合とπ結合について説明できる。1
混成軌道を用い物質の形を説明できる。1
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。1
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。3
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。2
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。1
無機化学主量子数、方位量子数、磁気量子数について説明できる。4前4,後2,後3
電子殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。4前4,後2,後3
パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。4後2,後3
価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。4前5,後2,後3
元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質を説明できる。4前13,後2,後3
イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度について説明できる。4前9,前11,後2,後3,後4
イオン結合と共有結合について説明できる。4前6,前9,前14,後5,後9,後12
基本的な化学結合の表し方として、電子配置をルイス構造で示すことができる。4後9,後10
金属結合の形成について理解できる。4後2,後3,後12,後13
代表的な分子に関して、原子価結合法(VB法)や分子軌道法(MO法)から共有結合を説明できる。2
電子配置から混成軌道の形成について説明することができる。2
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。3前11,後5,後13
配位結合の形成について説明できる。4後9,後10
錯体化学で使用される用語(中心原子、配位子、キレート、配位数など)を説明できる。4後10,後11
錯体の命名法の基本を説明できる。4後10,後11
配位数と構造について説明できる。4前2,後10
代表的な錯体の性質(色、磁性等)を説明できる。4
代表的な元素の単体と化合物の性質を説明できる。4前1,前2,前3,前9,前10,前11,前13,前14,前15,後12
分析化学いくつかの代表的な陽イオンや陰イオンの定性分析のための化学反応について理解できる。3
電離平衡と活量について理解し、物質量に関する計算ができる。3
強酸、強塩基および弱酸、弱塩基についての各種平衡について説明できる。3
強酸、強塩基、弱酸、弱塩基、弱酸の塩、弱塩基の塩のpHの計算ができる。3
緩衝溶液とpHの関係について説明できる。3
錯体の生成について説明できる。3
陽イオンや陰イオンの関係した化学反応について理解し、溶液中の物質の濃度計算(定量計算)ができる。3
中和滴定についての原理を理解し、酸及び塩基濃度の計算ができる。3
酸化還元滴定についての原理を理解し、酸化剤及び還元剤の濃度計算ができる。3
キレート滴定についての原理を理解し、金属イオンの濃度計算ができる。3
光吸収について理解し、代表的な分析方法について説明できる。3
Lambert-Beerの法則に基づく計算をすることができる。3
イオン交換による分離方法についての概略を説明できる。3
無機および有機物に関する代表的な構造分析、定性、定量分析法等を理解している。3
物理化学平衡の記述(質量作用の法則)を説明できる。3
諸条件の影響(ルシャトリエの法則)を説明できる。3
均一および不均一反応の平衡を説明できる。3
電池反応と電気分解を理解し、実用例を説明できる。2

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力0000000
専門的能力80000020100
分野横断的能力0000000