物質工学実験Ⅰ

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 物質工学実験Ⅰ
科目番号 1143 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 物質工学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 6
教科書/教材 プリント
担当教員 城石 英伸,(伊藤 篤子),山本 祥正

到達目標

(1)化学の各分野の基本的な実験の原理を理解できる。
(2)具体的な実験操作を行える。
(3)実験の再現が可能な実験操作手順を示し、実験結果を明瞭簡潔にまとめたレポートを作成できる。
(4)様式に従い、かつ実験を正確に伝えるレポートが書けるようになる。
(5)「実験」に関する技術を身に付ける。
(6)濃度の計算が間違えずにできる。
(7)正しい実験ノートを作成できる。
(8)コンピューターリテラシーと情報リテラシーを身に付ける。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1化学の各分野の基本的な実験の原理を本科2年生が理解できるように説明できる。化学の各分野の基本的な実験の原理を教員が理解できるように説明できる。化学の各分野の基本的な実験の原理を資料を見ながら教員が理解できるように説明できる。化学の各分野の基本的な実験の原理を資料をみても説明できない。
評価項目2具体的な実験操作を迅速に行える。具体的な実験の操作を問題なく行える。具体的な実験の操作を実験の時間内に行える。具体的な実験操作を行えない。
評価項目3実験の再現が可能な実験操作手順を示し、実験結果を明瞭簡潔にまとめたレポートを作成できる。本科2年生が理解できる程度に実験操作と実験結果をまとめたレポートを作成できる。教員が理解できる程度に実験操作と実験結果をまとめたレポートを作成できる。作成したレポートが第三者には理解できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
化学実験の基本的な単位操作を組み合わせた実験を行い、正確にデータを取得できるようになること。また、実験レポートの作成においては、実験の再現が可能な実験操作手順を示し、実験結果を明瞭簡潔にまとめる能力を身につけることを目標とする。
授業の進め方・方法:
2年生「物質工学基礎実験Ⅰ・Ⅱ」で基本的な実験単位操作を学んだあと、本科目では、専門化学(座学)の講義内容に基づいた基礎実験に臨む。実験スキルの向上を図るとともに専門化学の理解を深めるための科目である。また、4年生の「物質工学実験ⅢA・ⅢB」では考察力を評価するので、その前段階として実験結果をまとめる能力を培う科目とも位置づけている。
注意点:
前もって良くプリント等を読んで、それぞれの実験ではどのような試薬や器具が必要なのか、危険性についてはどうか、どのような操作を行うのか、またそれらはなぜ必要なのかを、よく勉強しておくこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス・安全教育・実験前講義① 実験中の安全に配慮でき、データの取り扱いと定量分析を説明できる。
2週 実験① 1属、2属の分類 定性分析のための化学反応を説明でき、正しく操作できる。
3週 実験② 3属、4属の分類 定性分析のための化学反応を説明でき、正しく操作できる。
4週 実験③ 未知試料の分類 定性分析のための化学反応を説明でき、正しく操作できる。
5週 実験前講義② 各テーマの原理を説明できる。
6週 実験④-1 大腸菌の取扱いと増殖曲線の作成、酵素活の測定、電気泳動による分析 大腸菌の取扱いと増殖曲線の作成、酵素活の測定、電気泳動による分析を説明できる。
7週 実験④-2 大腸菌の取扱いと増殖曲線の作成、酵素活の測定、電気泳動による分析 大腸菌の取扱いと増殖曲線の作成、酵素活の測定、電気泳動による分析を説明できる。
8週 実験⑤ キレート滴定およびICP発光分光分析法による水の硬度測定 キレート滴定およびICP発光分光分析法を説明でき、水の硬度を正確に測定できる。
2ndQ
9週 実験⑥ 吸光光度法によるアルミホイル中の微量鉄の定量 吸光光度法を説明でき、アルミホイル中の微量鉄を定量できる。
10週 実験⑦ 色素増感太陽電池
(ITO/ZnO/Eosin Y)の作製と評価
色素増感太陽電池の作製と評価を説明できる。
11週 実験⑧ 様々な分析機器による測定
(XRD/TG-DTA/表面積計/電気化学測定)
様々な分析機器による測定(XRD/TG-DTA/表面積計/電気化学測定)を説明できる。
12週 発表会① 実験結果をパワーポイントでまとめることができる。
13週 発表会② 実験結果をパワーポイントでまとめることができる。
14週 復習テスト 実験の内容について的確に答えることができる.
15週 レポート作成 実験操作および結果を明瞭簡潔にまとめることができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野分析化学いくつかの代表的な陽イオンや陰イオンの定性分析のための化学反応について理解できる。3
陽イオンや陰イオンの関係した化学反応について理解し、溶液中の物質の濃度計算(定量計算)ができる。3
キレート滴定についての原理を理解し、金属イオンの濃度計算ができる。3
光吸収について理解し、代表的な分析方法について説明できる。3
Lambert-Beerの法則に基づく計算をすることができる。3
分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】分析化学実験キレート滴定を理解し、錯体の濃度の計算ができる。4
陽イオンおよび陰イオンのいずれかについて、分離のための定性分析ができる。4
代表的な定性・定量分析装置としてクロマト分析(特にガスクロ、液クロ)や、物質の構造決定を目的とした機器(吸光光度法、X線回折、NMR等)、形態観察装置としての電子顕微鏡の中の代表的ないずれかについて、その原理を理解し、測定からデータ解析までの基本的なプロセスを行うことができる。4
生物工学実験適切な方法や溶媒を用いて、生物試料から目的の生体物質を抽出し、ろ過や遠心分離等の簡単な精製ができる。4
分光分析法を用いて、生体物質を定量することができる。4
クロマトグラフィー法または電気泳動法によって生体物質を分離することができる。4
酵素の活性を定量的または定性的に調べることができる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート等合計
総合評価割合01000090100
基礎的能力0500005
専門的能力050009095
分野横断的能力0000000