物理化学Ⅲ

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 物理化学Ⅲ
科目番号 1214 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 アトキンス物理化学要論 千原秀昭、稲葉章著、 ベーシック量子論 土屋賢一著 裳華房
担当教員 土屋 賢一

到達目標

現在の科学技術との関係を踏まえて、放射線の種類や性質について、理解できる。
また、化学の基礎とも言える分子や原子の性質を、ミクロの世界を記述する量子論を踏まえて、理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)単位取得可能レベルの目安(可)未到達レベルの目安(不可)
評価項目1放射線の種類や性質を、及び、原子核崩壊等について、深く理解し、説明できる。放射線の種類や性質を、及び、原子核崩壊等について、理解し、説明できる。放射線の種類や性質を、及び、原子核崩壊等について、理解できる。放射線の種類や性質を、及び、原子核崩壊等について、理解できない。
評価項目2純物質の状態図、相図について、深く理解し、説明できる。純物質の状態図、相図について理解し、説明できる。純物質の状態図、相図について理解できる。純物質の状態図、相図について理解できない。
評価項目3化学にまつわる熱力学の基礎について深く理解し、説明できる。化学にまつわる熱力学の基礎について理解し、説明できる。化学にまつわる熱力学の基礎について理解できる。化学にまつわる熱力学の基礎について理解できない。
評価項目4反応速度式の基礎について深く理解し、説明できる。反応速度式の基礎について理解し、説明できる。反応速度式の基礎について理解できる。反応速度式の基礎について理解できない。
評価項目5電池内の化学反応について深く理解し、説明できる。電池内の化学反応について理解し、説明できる。電池内の化学反応について理解できる。電池内の化学反応について理解できない。
評価項目6ボーアの量子論について、数式を踏まえて、説明できる。ボーアの量子論について説明できる。ボーアの量子論と古典力学の違いを説明できる。ボーアの量子論と古典力学の違いを説明できない。
評価項目7自由電子及び井戸型ポテンシャルにに関するシュレディンガー方程式解いて考察できる。自由電子及び井戸型ポテンシャルに関するシュレディンガー方程式を解くことができる。に関するシュレデ自由電子及び井戸型ポテンシャルィンガー方程式の成り立ちについて理解できる。に自由電子及び井戸型ポテンシャル関するシュレディンガー方程式の成り立ちについて理解でない。
評価項目8水素原子の電子軌道についてシュレディンガー方程式解いて考察できる。水素原子の電子軌道についてシュレディンガー方程式を解くことができる。水素原子の電子軌道に関するシュレディンガー方程式の成り立ちについて理解できる。水素原子の電子軌道に関するシュレディンガー方程式の成り立ちについて理解でない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
放射線の種類や性質について学ぶことは、これらにまつわる技術を理解するうえで、最近ますます重要となりtるtるある。そこで、放射線の種類や性質について学ぶ。次に、熱力学の基礎について復習する。また、状態図、反応速度論とうについて復習する。最後に、化学の基礎とも言える、原子や分子の理解のために、前期量子論やシュレディンガー方程式について学ぶ。
授業の進め方・方法:
講義形式で授業を進める。数式を用いることが多々あるが、必要であれば、数学の基礎に戻って説明を行う。
注意点:

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 放射線の性質 α線、β線、γ線の性質について理解する。
2週 原子核の崩壊、放射性元素 原子核の崩壊、放射性元素について理解し、半減期について説明できるようにする。また、C14による年代測定について説明できるようにする。
3週 核分裂、核融合 核分裂や原子力発電について理解する。また核融合や核融合を用いた発電について理解する。、
4週 原子核反応 第1週から3週までの内容を総括し、原子核反応全般について理解する。
5週 純物質の状態図
相律
純物質の状態図を理解し、蒸気圧反応を説明できる。
相律の定義を理解し、純物質、混合物の自由度(温度、圧力、組成)を計算し、平衡状態を説明できる。
6週 熱力学の基礎 気体の等温、定圧、定容、断熱変化等の計算ができる。
7週 反応速度式
電池
連続反応、可逆反応、併発反応、律速段階近似、および、定常状態近似を理解し、応用できる。
種々の電池内の化学反応について理解し、説明できる。
8週 化学反応の物理化学的理解 第5週から7週までの内容を総括し、化学反応を物理化学的観点から理解する。
2ndQ
9週 ボーアの量子論 ボーアの量子論について、数式を用いて理解できる。
10週 物質波 ド・ブロイの理論について理解できる。
11週 シュレディンガー方程式 シュレディンガー方程式の成り立ちについて理解できる。
12週 自由電子、井戸型ポテンシャル 自由電子及び無限に深いポテンシャルに関してシュレディンガー方程式を解き、考察できる。
13週 水素原子の電子軌道 1 水素原子に関し、シュレディンガー方程式を立て、変数分離できる。
14週 水素原子の電子軌道 2 角度成分に関するシュレディンガー方程式を解き、考察できる。
15週 水素原子の電子軌道 3 動径成分に関するシュレディンガー方程式を解き、考察できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野物理化学放射線の種類と性質を説明できる。4前1
放射性元素の半減期と安定性を説明できる。4前2
年代測定の例として、C14による時代考証ができる。4前2
核分裂と核融合のエネルギー利用を説明できる。4前3,前4
気体の法則を理解して、理想気体の方程式を説明できる。4
気体の分子速度論から、圧力を定義して、理想気体の方程式を証明できる。4
実在気体の特徴と状態方程式を説明できる。4
臨界現象と臨界点近傍の特徴を説明できる。4
混合気体の分圧の計算ができる。4
純物質の状態図(P-V、P-T)を理解して、蒸気圧曲線を説明できる。4前4
2成分の状態図(P-x、y、T-x、y)を理解して、気液平衡を説明できる。4
束一的性質を説明できる。4
蒸気圧降下、沸点上昇より、溶質の分子量を計算できる。4
凝固点降下と浸透圧より、溶質の分子量を計算できる。4
相律の定義を理解して、純物質、混合物の自由度(温度、圧力、組成)を計算し、平衡状態を説明できる。4前5
熱力学の第一法則の定義と適用方法を説明できる。4
エンタルピーの定義と適用方法を説明できる。4
化合物の標準生成エンタルピーを計算できる。4
エンタルピーの温度依存性を計算できる。4
内部エネルギー、熱容量の定義と適用方法を説明できる。4
平衡の記述(質量作用の法則)を説明できる。4
諸条件の影響(ルシャトリエの法則)を説明できる。4
均一および不均一反応の平衡を説明できる。4
熱力学の第二・第三法則の定義と適用方法を説明できる。4
純物質の絶対エントロピーを計算できる。4
化学反応でのエントロピー変化を計算できる。4
化合物の標準生成自由エネルギーを計算できる。4
反応における自由エネルギー変化より、平衡定数・組成を計算できる。4
平衡定数の温度依存性を計算できる。4
気体の等温、定圧、定容および断熱変化のdU、W、Qを計算できる。4前6
反応速度の定義を理解して、実験的決定方法を説明できる。4
反応速度定数、反応次数の概念を理解して、計算により求めることができる。4
微分式と積分式が相互に変換できて半減期が求められる。4
連続反応、可逆反応、併発反応等を理解している。4前7
律速段階近似、定常状態近似等を理解し、応用できる。4前7
電池反応と電気分解を理解し、実用例を説明できる。4前8

評価割合

レポート合計
総合評価割合100100
基礎的能力100100
専門的能力00
分野横断的能力00