到達目標
物質は低分子量の化合物と分子量が非常に大きい高分子化合物に分類される。まず、高分子化合物がどのような化合物であるかを説明できるようになること。次いで、高分子化合物をさらにいくつかのグループに分類できるようになり、それぞれの性質や反応性を説明できるようになること。高校の教科書に記載された高分子化合物の基本的な知識の定着が目標となる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 最低到達レベルの目安(可) | 未到達レベルの目安 |
高分子化合物 | 高分子化合物の特徴と分類のしかたを理解し、重合反応の種類を挙げ、説明することができる。 | 高分子化合物の特徴と分類のしかたを説明できる。 | 高分子化合物の分類ができる。 | 高分子化合物の分類ができない。 |
天然高分子化合物(糖類) | 単糖類、二糖類など糖類の分類ができ、構造およびそれらの性質を説明できる。 | 単糖類、二糖類などの糖類の分類ができ、構造の違いがわかる。 | 単糖類、二糖類などの糖類の分類ができる。 | 単糖類、二糖類などの糖類の分類ができない。 |
天然高分子化合物(アミノ酸、タンパク質) | アミノ酸とタンパク質の性質や反応を理解し、たんぱく質の構造について説明することができる。 | アミノ酸、ペプチド結合、タンパク質について説明できる。 | アミノ酸とはどのような物質であるかを説明できる。 | アミノ酸とはどのような物質であるかを説明できない。 |
天然高分子化合物(核酸) | 核酸の構造を理解し、DNAの構造とはたらきについて説明できる。 | 核酸の構造を理解していて、DNAについて説明ができる。 | 核酸の構造を説明できる。 | 核酸の構造を説明できない。 |
合成高分子化合物 | 合成高分子の分類ができ、それぞれの代表的な物質を挙げることができる。また、合成方法も説明することができる。 | 合成高分子の分類ができ、それぞれの代表的な物質を挙げることができる。 | 合成高分子の分類ができる。 | 合成高分子の分類ができない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
3年生前期までに学習した化学Ⅰ~化学Ⅴ、ものづくり基礎工学とともに、化学および工学の基礎科目として位置づけられる。3年生以降の専門科目を理解するうえで重要な科目であり、特に、有機化学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ、高分子化学、物質工学実験と密接に関連する。高分子化合物の分類と特徴について学習した後、天然高分子化合物や合成高分子化合物などさまざまな高分子化合物の構造と性質について学ぶ。
授業の進め方・方法:
高校の検定教科書を使用して、単元ごとに理解すべき要点を説明していく。具体的には、第6編「高分子化合物」を学習する。毎回教科書1節分(5~10ページ程度)の目安で進めていく。問題集も購入済みであるので、予習・復習に役立てること。
注意点:
化学Ⅰ~化学Ⅴ の内容を適宜復習すること。講義用ノートを準備し、授業に集中すること。副教材の問題集等を利用して予習・復習を欠かさず、自学自習の習慣を確立させること。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
ガイダンス、有機化合物の復習 |
有機化合物の構造や分類について説明できる。
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2週 |
1章 高分子化合物 高分子化合物の分類、構造と合成 |
高分子化合物を分類し、合成方法を挙げることができる。
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3週 |
1章 高分子化合物 高分子化合物の特徴 |
高分子化合物の性質について、低分子量の化合物と比較しながら説明ができる。
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4週 |
2章 天然高分子化合物 単糖類・二糖類 |
糖類を分類でき、単糖類および二糖類について代表的な物質を挙げ、その性質を説明できる。
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5週 |
2章 天然高分子化合物 多糖類 |
多糖類について代表的な物質を挙げ、性質を説明できる。
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6週 |
2章 天然高分子化合物 アミノ酸 |
アミノ酸の種類を挙げ、ペプチド結合を説明できる。
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7週 |
2章 天然高分子化合物 タンパク質 |
タンパク質の構造と反応を説明できる。
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8週 |
2章 天然高分子化合物 酵素、核酸 |
酵素のはたらき、特徴を理解し、核酸の構造とはたらきについても説明できる。
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4thQ |
9週 |
中間試験 |
後期前半の学習内容を確認する。
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10週 |
中間試験の解説 |
知識の定着度を確認し、復習すべき点を整理する。
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11週 |
3章 合成高分子化合物 合成繊維 |
代表的な合成繊維の名称とその合成方法を説明できる。
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12週 |
3章 合成高分子化合物 プラスチック |
熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の差異を構造と性質の観点から説明できる。
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13週 |
3章 合成高分子化合物 ゴム |
天然ゴムと合成ゴム、それぞれの構造を理解し、性質を説明することができる。
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14週 |
4章 高分子化合物と人間生活 |
高分子化合物のいくつかの新しい機能や処理方法を説明できる。
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15週 |
学年末試験 |
後期後半の学習内容を確認する。
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16週 |
学年末試験の解説 |
知識の定着度を確認し、復習すべき点を整理する。
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 有機化学 | 有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。 | 3 | |
高分子化合物がどのようなものか説明できる。 | 3 | |
代表的な高分子化合物の種類と、その性質について説明できる。 | 3 | |
重合反応について説明できる。 | 3 | |
無機化学 | 結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。 | 3 | |
水素結合について説明できる。 | 3 | |
物理化学 | 実在気体の特徴と状態方程式を説明できる。 | 3 | |
混合気体の分圧の計算ができる。 | 3 | |
蒸気圧降下、沸点上昇より、溶質の分子量を計算できる。 | 3 | |
凝固点降下と浸透圧より、溶質の分子量を計算できる。 | 3 | |
反応速度の定義を理解して、実験的決定方法を説明できる。 | 3 | |
生物化学 | 単糖の化学構造を説明でき、各種の異性体について説明できる。 | 3 | |
グリコシド結合を説明できる。 | 3 | |
多糖の例を説明できる。 | 3 | |
タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を説明できる。 | 3 | |
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。 | 3 | |
ヌクレオチドの構造を説明できる。 | 3 | |
評価割合
| 試験 | 課題 | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 20 | 100 |
基礎的能力 | 80 | 20 | 100 |