物理化学Ⅲ

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 物理化学Ⅲ
科目番号 9292 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 アトキンス物理化学要論 千原秀昭、稲葉章著、 ベーシック量子論 土屋賢一著 裳華房
担当教員 土屋 賢一

到達目標

現在の科学技術との関係を踏まえて、放射線の種類や性質について、理解できる。
また、化学の基礎とも言える分子や原子の性質を、ミクロの世界を記述する量子論を踏まえて、理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)単位取得可能レベルの目安(可)未到達レベルの目安(不可)
評価項目1放射線の種類や性質を、及び、原子核崩壊等について、深く理解し、説明できる。放射線の種類や性質を、及び、原子核崩壊等について、理解し、説明できる。放射線の種類や性質を、及び、原子核崩壊等について、理解できる。放射線の種類や性質を、及び、原子核崩壊等について、理解できない。
評価項目2純物質の状態図、相図について、深く理解し、説明できる。純物質の状態図、相図について理解し、説明できる。純物質の状態図、相図について理解できる。純物質の状態図、相図について理解できない。
評価項目3化学にまつわる熱力学の基礎について深く理解し、説明できる。化学にまつわる熱力学の基礎について理解し、説明できる。化学にまつわる熱力学の基礎について理解できる。化学にまつわる熱力学の基礎について理解できない。
評価項目4反応速度式の基礎について深く理解し、説明できる。反応速度式の基礎について理解し、説明できる。反応速度式の基礎について理解できる。反応速度式の基礎について理解できない。
評価項目5電池内の化学反応について深く理解し、説明できる。電池内の化学反応について理解し、説明できる。電池内の化学反応について理解できる。電池内の化学反応について理解できない。
評価項目6ボーアの量子論について、数式を踏まえて、説明できる。ボーアの量子論について説明できる。ボーアの量子論と古典力学の違いを説明できる。ボーアの量子論と古典力学の違いを説明できない。
評価項目7自由電子及び井戸型ポテンシャルにに関するシュレディンガー方程式解いて考察できる。自由電子及び井戸型ポテンシャルに関するシュレディンガー方程式を解くことができる。に関するシュレデ自由電子及び井戸型ポテンシャルィンガー方程式の成り立ちについて理解できる。に自由電子及び井戸型ポテンシャル関するシュレディンガー方程式の成り立ちについて理解でない。
評価項目8水素原子の電子軌道についてシュレディンガー方程式解いて考察できる。水素原子の電子軌道についてシュレディンガー方程式を解くことができる。水素原子の電子軌道に関するシュレディンガー方程式の成り立ちについて理解できる。水素原子の電子軌道に関するシュレディンガー方程式の成り立ちについて理解でない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
放射線の種類や性質について学ぶことは、これらにまつわる技術を理解するうえで、最近ますます重要となりtるtるある。そこで、放射線の種類や性質について学ぶ。次に、熱力学の基礎について復習する。また、状態図、反応速度論とうについて復習する。最後に、化学の基礎とも言える、原子や分子の理解のために、前期量子論やシュレディンガー方程式について学ぶ。
授業の進め方・方法:
講義形式で授業を進める。数式を用いることが多々あるが、必要であれば、数学の基礎に戻って説明を行う。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 放射線の性質 α線、β線、γ線の性質について理解する。
2週 原子核の崩壊、放射性元素 原子核の崩壊、放射性元素について理解し、半減期について説明できるようにする。また、C14による年代測定について説明できるようにする。
3週 核分裂、核融合 核分裂や原子力発電について理解する。また核融合や核融合を用いた発電について理解する。、
4週 純物質の状態図 純物質の状態図(PV-P-T)を理解し、蒸気圧反応を説明できる。
5週 相律 相律の定義を理解し、純物質、混合物の自由度(温度、圧力、組成)を計算し、平衡状態を説明できる。
6週 熱力学の基礎 気体の等温、定圧、定容、断熱変化等ののdU,W,Qを計算できる。
7週 反応速度式 連続反応、可逆反応、併発反応、律速段階近似、および、定常状態近似を理解し、応用できる。
8週 電池 種々の電池内の化学反応について理解し、説明できる。
2ndQ
9週 ボーアの量子論 ボーアの量子論について、数式を用いて理解できる。
10週 物質波 ド・ブロイの理論について理解できる。
11週 シュレディンガー方程式 シュレディンガー方程式の成り立ちについて理解できる。
12週 自由電子、井戸型ポテンシャル 自由電子及び無限に深いポテンシャルに関してシュレディンガー方程式を解き、考察できる。
13週 水素原子の電子軌道 1 水素原子に関し、シュレディンガー方程式を立て、変数分離できる。
14週 水素原子の電子軌道 2 角度成分に関するシュレディンガー方程式を解き、考察できる。
15週 水素原子の電子軌道 3 動径成分に関するシュレディンガー方程式を解き、考察できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野物理化学放射線の種類と性質を説明できる。4前1
放射性元素の半減期と安定性を説明できる。4前2
年代測定の例として、C14による時代考証ができる。4前2
核分裂と核融合のエネルギー利用を説明できる。4前3,前4
気体の法則を理解して、理想気体の方程式を説明できる。4
気体の分子速度論から、圧力を定義して、理想気体の方程式を証明できる。4
実在気体の特徴と状態方程式を説明できる。4
臨界現象と臨界点近傍の特徴を説明できる。4
混合気体の分圧の計算ができる。4
純物質の状態図(P-V、P-T)を理解して、蒸気圧曲線を説明できる。4前4
2成分の状態図(P-x、y、T-x、y)を理解して、気液平衡を説明できる。4
束一的性質を説明できる。4
蒸気圧降下、沸点上昇より、溶質の分子量を計算できる。4
凝固点降下と浸透圧より、溶質の分子量を計算できる。4
相律の定義を理解して、純物質、混合物の自由度(温度、圧力、組成)を計算し、平衡状態を説明できる。4前5
熱力学の第一法則の定義と適用方法を説明できる。4
エンタルピーの定義と適用方法を説明できる。4
化合物の標準生成エンタルピーを計算できる。4
エンタルピーの温度依存性を計算できる。4
内部エネルギー、熱容量の定義と適用方法を説明できる。4
平衡の記述(質量作用の法則)を説明できる。4
諸条件の影響(ルシャトリエの法則)を説明できる。4
均一および不均一反応の平衡を説明できる。4
熱力学の第二・第三法則の定義と適用方法を説明できる。4
純物質の絶対エントロピーを計算できる。4
化学反応でのエントロピー変化を計算できる。4
化合物の標準生成自由エネルギーを計算できる。4
反応における自由エネルギー変化より、平衡定数・組成を計算できる。4
平衡定数の温度依存性を計算できる。4
気体の等温、定圧、定容および断熱変化のdU、W、Qを計算できる。4前6
反応速度の定義を理解して、実験的決定方法を説明できる。4
反応速度定数、反応次数の概念を理解して、計算により求めることができる。4
微分式と積分式が相互に変換できて半減期が求められる。4
連続反応、可逆反応、併発反応等を理解している。4前7
律速段階近似、定常状態近似等を理解し、応用できる。4前7
電池反応と電気分解を理解し、実用例を説明できる。4前8

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート合計
総合評価割合00000100100
基礎的能力0000000
専門的能力00000100100
分野横断的能力0000000