到達目標
化学装置を設計、制御するための基礎となる「物質収支」と「物質移動」の考え方や式の立て方を理解する。化学反応を工業的規模で行わせる際に重要な、熱およびガス吸収について学ぶ。 物質収支や物質移動の考え方および数式の意味が現象と結びつけて理解できるようになることを目標とする。また、物質収支と物質移動の意味を理解した上で化学工学計算ができるようになる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 最低限の到達レベルの目安(可) | 未到達レベルの目安 |
評価項目1
SI単位、単位換算の理解 | いろいろな単位換算ができる。 | SI単位の単位換算ができる。 | 教員が助言し、本を見ればSI単位の単位換算ができる。 | 単位換算が出来ない |
評価項目2
収支を理解 | エネルギー収支、運動量収支、物質収支がとれる。 | 物質収支がとれる。 | 教員が助言し、本を見れば物質収支がとれる。 | 収支を理解していない。 |
評価項目3
圧力損失の計算の理解 | 複雑な管路での計算ができる。 | 直管における計算ができる。 | 教員が助言し、本を見れば直管における計算ができる。 | 計算ができない。 |
評価項目4
伝熱のメカニズムの理解 | 伝熱のメカニズムを理解している。 | 伝熱のメカニズムを知っている。 | 教員が助言し、本を見れば伝熱のメカニズムを思い出す。 | 伝熱のメカニズムを知らない。 |
評価項目5
熱交換器の伝熱性能評価 | 熱交換器の伝熱性能評価を理解している。 | 熱交換器の伝熱性能評価を知っている。 | 教員が助言し、本を見れば熱交換器の伝熱性能評価を思い出す。 | 熱交換器の伝熱性能評価が出来ない。 |
評価項目6
充填塔吸収装置の設計 | 充填塔吸収装置の設計を理解している。 | 充填塔吸収装置の設計を知っている。 | 教員が助言し、本を見れば充填塔吸収装置の設計を思い出す。 | 充填塔吸収装置の設計が出来ない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
化学工学の重要なトピックスである、流動、伝熱、反応、分離、プロセスシステムのうち、流動と伝熱について学ぶ。化学反応、生物反応を起こさせるための「場」を設計する場合の基礎的な考え方を学ぶ科目として位置づけられる。反応装置の設計に必要な基礎科目として位置づけられる。また、化学プラントにおける熱交換器の改造、改善、能力増強等を最終的なイメージとして、伝熱について学習する。
授業の進め方・方法:
講義を行い、その中で例題を解き解説を行う。また章末問題等を用いて演習を行う。中間,期末試験を行う。
注意点:
授業中はアクティブに脳を活性化させること。教科書の例題は、最低限理解すること。内容が多岐にわたるので十分な予習、復習と積極的姿勢を求める。一人で正確に計算できるようになること。教科書レベルの問題で60点以上取る。演習を行うので、電卓及び定規を持参すること。
授業計画
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
化学工学とは何か / 次元と単位 |
授業のガイダンス,化学工学という授業の目標 ,化学工学の体系を知る 。次元と単位の違いを学ぶ。
|
2週 |
収支の計算 (物質収支) |
物質収支の計算ができる。
|
3週 |
収支の計算 (運動量・エネルギー収支) |
運動量収支の計算ができる。エネルギー収支の計算ができる。
|
4週 |
流体流動の特徴と解析 |
運動量収支、層流と乱流、ニュートン流体について学ぶ。
|
5週 |
流体と輸送 |
機械的エネルギー収支式、ベルヌイの式を学ぶ。
|
6週 |
流体内粒子挙動 |
ストークスの法則と終末速度を学ぶ。
|
7週 |
中間試験 |
|
8週 |
伝熱の種類と熱伝導 |
フーリエの法則の意味を学ぶ。
|
2ndQ |
9週 |
対流伝熱の取り扱い |
熱伝達係数の導き方を学ぶ。
|
10週 |
円筒壁、平面壁、多層壁の伝熱計算 |
円筒壁、平面壁、多層壁の伝熱計算演習で計算に慣れる
|
11週 |
熱交換器 |
熱交換器の構造を学ぶ。総括伝熱係数、対数平均温度差の求め方と意味を学ぶ。
|
12週 |
ふく射伝熱 |
黒体の概念、ウィーンの変移則について学ぶ。ふく射計算演習で計算方法を理解する。
|
13週 |
蒸発 |
蒸発装置について説明できる。蒸発缶の物質収支と熱収支の計算ができる。
|
14週 |
ガス吸収と充填塔吸収装置 |
ヘンリーの法則、充填塔吸収装置の原理、高さ計算を学ぶ。
|
15週 |
まとめ |
化学工学特講で学習した内容をまとめる。
|
16週 |
期末試験 |
|
モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 試験 | 演習 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 70 | 30 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
総合評価 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
基礎的能力 | 40 | 15 | 0 | 0 | 0 | 0 | 55 |
専門的能力 | 30 | 15 | 0 | 0 | 0 | 0 | 45 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |