古典Ⅱ

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 古典Ⅱ
科目番号 0002 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 一般教育科 対象学年 2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「国語総合 古典編」数研出版/漢和辞典(電子辞書でも可)
担当教員 津田 潔,鈴木 雄史

到達目標

1.漢文訓読の基礎を理解し、文章を正確に音読して書き下し文を作成し、現代語訳できる。
2.漢文の様々な作品を読み、その特徴と思想内容を深く理解・鑑賞できる。
3.日本文化の古典である漢文を学習することにより、日本人としての基礎教養を身に付ける。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1漢文読解に必要な知識や句法を踏まえ、辞書を用いて現代語訳できる。漢文訓読の規則を理解し、書き下し文を作成できる。漢文訓読の規則を理解できず、書き下し文を作成できない。
評価項目2様々な作品の内容や特徴を的確に述べ、鑑賞できる。様々な作品の内容上の特徴を述べることができる。作品の内容や特徴を理解できない。
評価項目3日本文化のなかの漢文的要素を、幾つかのポイントに分けて簡潔に説明できる。日本文化における漢文的要素について、簡単に説明できる。日本文化における漢文的要素について、説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 古来、日本人の公的表現力や論理性は、言葉遣いから文章読解力・表現力まで、漢文によって磨かれてきたと言ってよい。従って、現代日本語による文章理解力と作文力をより向上させるためにも、漢文訓読体と漢語の修得が欠かせない。
 漢文の内容を理解して日本文化の根底にある倫理性や論理性を身に付けることは勿論、音読することで日本語が持つリズムや躍動感を体感する。
授業の進め方・方法:
 授業時間の前半は、講義形式でその日の授業内容のポイントを説明し、後半はそれを用いて読解等を演習形式で行う。
 適宜小テストを実施する。
注意点:
 当日の文章の予習を漢和辞典等を用いて必ずしてくること。その日に読解する予定の文章を独力で読み、読めない文章や熟語がどれで、意味がよく分からない文章がどれであるかを明確にしておくこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 日本古典としての漢文(ガイダンスを兼ねて) なぜ中国文学が日本の古典とされているのか、簡潔に説明できる。
2週 訓読の基礎Ⅰ 一二点や上下点等の決まりを理解し、それを付した文を訓読し、書き下し文を正確に作れる。
3週 訓読の基礎Ⅱ 再読文字や助字の働きを理解し、それが使われた文を訓読し、書き下し文を正確に作れる。
4週 故事Ⅰ 「漁夫之利」「矛盾」などの読解 成語の背景にある故事を読解し、それがなぜ成語として伝わったかを理解するる。
5週 故事Ⅱ 「漁夫之利」「矛盾」などの読解 成語の背景にある故事を読解し、それがなぜ成語として伝わったかを理解するる。
6週 史伝Ⅰ 「晏子之御」などの読解 歴史を切り取った一場面の記録を通して、そこで展開された議論とその背景にある人間性を知る。
7週 史伝Ⅱ 「晏子之御」などの読解 歴史を切り取った一場面の記録を通して、そこで展開された議論とその背景にある人間性を知る。
8週 前期中間試験 第1回から第7回までの学習内容の理解度を確認し、評価する。
2ndQ
9週 唐詩Ⅰ 漢詩の形式を学び、「静夜思」などを味読・鑑賞する。 唐詩の形式を理解し、各作品の表現内容を理解した上で鑑賞できる。
10週 唐詩Ⅱ 「月夜」などを味読・鑑賞する。 唐詩の形式を理解し、各作品の表現内容を理解した上で鑑賞できる。
11週 思想Ⅰ 『論語』『孟子』を読解する。 中国古代思想の主流がどのようなものであったかを理解する。
12週 思想Ⅱ 『論語』『孟子』を読解する。 中国古代思想の主流がどのようなものであったかを理解する。
13週 文章Ⅰ 「雑説」などを読解する。 古代中国人が自己の主張をどのように述べようとしたかを理解する。
14週 文章Ⅱ 「雑説」などを読解する。 古代中国人が自己の主張をどのように述べようとしたかを理解する。
15週 前期末試験 第8回から第14回までの学習内容の理解度を確認し、評価する。
16週 前期末試験 返却と解説 これまでの学習を振り返り、今後の学習計画をたてる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学国語国語代表的な古文・漢文を読み、言葉や表現方法の特徴をふまえて人物・情景などを理解し、人間・社会・自然などについて考えを深めたり広げたりすることができる。2
古文・漢文について、音読・朗読もしくは暗唱することにより、特有のリズムや韻などを味わうことができる。2
代表的な古文・漢文について、日本文学史および中国文学史における位置を理解し、作品の意義について意見を述べることができる。また、それらに親しもうとすることができる。2
教材として取り上げた作品について、用いられている言葉の現代の言葉とのつながりや、時代背景などに関する古文・漢文の基礎的知識を習得できる。2

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合700010200100
基礎的能力700010200100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000