イノベーティブリサーチプロジェクト(2022年度以降入学生用科目)

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 イノベーティブリサーチプロジェクト(2022年度以降入学生用科目)
科目番号 0002 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 学修単位: 8
開設学科 機械情報システム工学専攻 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 8
教科書/教材 メンター教員グループによる
担当教員 角田 陽,齊藤 浩一,多羅尾 進,小山 幸平,髙田 宗一朗,筒井 健太郎,堤 博貴,冨沢 哲雄,原口 大輔,小泉 隆行,廣池 桜子,鈴木 慎也,北越 大輔

到達目標

東京高専専攻科では、持続可能な社会の実現に向けて、科学技術が環境に与える影響を常に意識し、自ら修得した専門知識および技術を複合・融合的に応用して社会に実装する能力を涵養するために、専攻科1年の後期にPBL等の主体的活動の期間を設けている。この期間には集中講義科目である「インテンシブキャリアデザイン」と、実験科目である本科目が配置され、本科目では,「インテンシブキャリアデザイン」で学生が自身の個性や関心に応じて主体的に作成した実施計画書に従って、メンター教員グループの支援の下,社会実装、国内外における長期インターンシップ(共同研究型、海外)、創造的な研究、を組み合わせた活動を行う。これにより、学生は自らの個性や興味を活かせるキャリアについてイメージを持つことができ、自分のライフプランを考える切っ掛けとする。

【ディプロマ・ポリシーおよびSDGsとの関係】ディプロマ・ポリシー:(1), (2), (3) , (4) ,SDGs:4, 6, 7, 9, 12, 13, 14, 15, 17

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1タイムマネージメントができ、実施計画書通りに活動することができる。実施計画書に従って、時間軸を意識した活動ができる。実験計画書に基づいた活動ができない。
評価項目2PDCAサイクルをまわしてPBL等の主体的な活動に取り組むことができる。PBL等の主体的な活動の中でPDCAサイクルをまわす努力をすることができる。PDCAサイクルを意識したPBL等の主体的な活動ができない。
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
「インテンシブキャリアデザイン」で学生が自身の個性や関心に応じて主体的に作成した実施計画書に従って、メンター教員グループの支援の下,社会実装、国内外における長期インターンシップ(共同研究型、海外)、創造的な研究、を組み合わせた活動を行う。
授業の進め方・方法:
本科目は,「インテンシブキャリアデザイン」で学生が自身の個性や関心に応じて主体的に作成した実施計画書に従って、メンター教員グループの支援の下、社会実装、国内外における長期インターンシップ(共同研究型、海外)、創造的な研究、を組み合わせた活動を行う。
以下に1週間当りの活動事例のイメージを示す.

a)社会実装比率が高い場合の活動イメージ
 例)情報系機械学習エンジニアを志向した活動イメージ
・月曜は研究室で創造研究.機械学習を実行するためのプログラミングをおこない,大量の画像データを
学習させるアルゴリズムを走らせる.学習に時間がかかるので,結果の解析は金曜日に実施.
・火曜~木曜午前は社会実装で連携先企業との組み込みシステムの試作開発/客先での評価に従事.
・木曜午後はフィンランドの留学生チームとビデオ会議を実施.創造研究や社会実装の取り組みを外国語
でプレゼンテーションして外部から見たコメントをもらって自分の活動を振り返る.
・金曜は研究室で創造研究.月曜に走らせた学習結果のデータ解析.結果を踏まえて翌週の実験に向けた
再定式化やアルゴリズムのチューニングを実施する.

b)社会実装と創造研究の比率が半々とした場合の活動イメージ
例)物質系研究開発エンジニアを志向した活動イメージ
・月曜は研究室で創造研究から.今週の実験計画を立案し,実験開始.反応と計測に時間を要するため要
領よく段取りを組んで試料を仕掛けておく.
・火曜は社会実装.月曜に仕掛けた実験の反応や計測は同時並行で進んでいく.社会実装では,連携先企
業と新塗料の開発.創造研究とは別系統の実験を並行しておこなう.
・水曜は創造研究.月曜に仕掛けた実験結果の解析と次の実験の仕掛けをおこなう.
・木曜は社会実装.火曜の実験結果の解析と連携企業先への報告をおこなう.
・金曜は創造研究.創造研究の成果を国際会議で発表するため,英文論文の執筆をおこなう.
金曜の帰宅前には翌週の創造研究の実験の予定を確認し,指導教員とディスカッション.

C)長期インターンと創造研究を並行実施するとした場合の活動イメージ
例)情報系研究開発エンジニアを志向した活動イメージ
・インターンシップ先(海外)との時差を踏まえた時間帯で週に1回(上記では月曜午後)、日本とオン
ラインで研究に関する進捗報告・取組計画に関して&実習活動報告に関しての打ち合わせ
・インターンシップ先での日中は現地での実習に従事する.


「インテンシブキャリアデザイン」で自身の個性や関心に応じて主体的に作成した実施計画書に従って、活動を進めること.また,プロジェクトの取り組み記録を作成し,提出すること.

注意点:
本科4年次の社会実装プロジェクトⅠ,社会実装プロジェクトⅡ,5年次の社会実装プロジェクトⅢ,卒業研究で身につけた知識と経験を基に,主体的に考え協調的に学ぶ能力を高めるための実験科目として開設する。「インテンシブキャリアデザイン」で自ら主体的に作成した本科目の実施計画書に従って活動し,タイムマネジメントができるようになること。また,社会実装、国内外における長期インターンシップ(共同研究型、海外)、創造的な研究、を組み合わせた活動を行うことにより、PDCAサイクルをまわして研究開発に取り組む能力を身に着けること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 実験科目として開講。授業の進め方と授業内容・方法に記載
2週
3週
4週
5週
6週
7週
8週
4thQ
9週
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。5
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。5
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。5
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。5
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。5
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。5
他者の意見を聞き合意形成することができる。5
合意形成のために会話を成立させることができる。5
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。5
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。5
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。5
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。5
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。5
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。5
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。5
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる5
複数の情報を整理・構造化できる。5
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。3
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。5
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。5
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。5
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。5
事実をもとに論理や考察を展開できる。5
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。5
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。5
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。5
目標の実現に向けて計画ができる。5
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。5
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。5
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。5
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3
法令やルールを遵守した行動をとれる。3
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。3
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。5
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。5
キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。5
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。5
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。5
企業等における技術者・研究者等の実務を認識している。3
企業人としての責任ある仕事を進めるための基本的な行動を上げることができる。3
企業における福利厚生面や社員の価値観など多様な要素から自己の進路としての企業を判断することの重要性を認識している。3
企業には社会的責任があることを認識している。3
企業が国内外で他社(他者)とどのような関係性の中で活動しているか説明できる。5
調査、インターンシップ、共同教育等を通して地域社会・産業界の抱える課題を説明できる。5
企業活動には品質、コスト、効率、納期などの視点が重要であることを認識している。5
社会人も継続的に成長していくことが求められていることを認識している。5
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などが必要とされることを認識している。5
技術者が知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践な活動を行った事例を挙げることができる。5
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。5
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。5
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。5
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。5
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。5
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。5

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ取り組み記録合計
総合評価割合030020050100
基礎的能力000005050
専門的能力0000000
分野横断的能力0300200050