到達目標
コンピュータの内部構造や原理を、主にハードウェア設計技術の観点から習得する.コンピュータを構成する装置類の関連と処理、主要構成技術,アーキテクチャ上のトレードオフについて基礎理解に基づき説明でき,代表的なコンピュータシステムの分類や応用システムについても説明できるよう,さらにはシステム設計手法についても説明できるよう,実験・実習も含め,学習を進める.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 最低限の到達レベルの目安(可) | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | コンピュータを構成する装置とその主要技術を理解している. | コンピュータを構成する装置とその主要技術を説明できる. | コンピュータを構成する装置とその主要技術のいくつかを説明できる. | コンピュータを構成する装置とその主要技術を説明できない. |
評価項目2 | コンピュータシステムの代表的な処理形態を説明できる. | コンピュータシステムの基本的な処理形態を説明できる. | コンピュータシステムの基本的な処理形態のいくつかを説明できる. | コンピュータシステムの基本的な処理形態を説明できない. |
評価項目3 | アーキテクチャに基づいたシステム設計に必要な基礎技術を説明できる. | アーキテクチャに基づいたシステム設計に必要な基礎技術の幾つかを説明できる. | アーキテクチャに基づいたシステム設計に必要な基礎技術のいくつかの特徴を説明できる. | アーキテクチャに基づいたシステム設計に必要な基礎技術を説明できない. |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
ユニットⅠ(1週~)では,コンピュータの基本構成と原理,演算方式,命令制御方式,ユニットⅡ(6週~)では,回路の構造と設計,割り込み,入出力,メモリアーキテクチャ,ユニットⅢ(10週~)では,プログラムの実行とコンピュータの性能,様々なアーキテクチャと関連設計技術を学ぶ.
汎用コンピュータアーキテク チャの基礎を中心に,ハードウェア設計,コンピュータシステム,システム設計,最近の動向についても学習の幅を広げ,コンピュータの可能性と限界、再構成可能デバイスの応用等を理解することにより,コンピュータをより有効に利用する力を養う.
コンピュータアーキテクチャに関する基本的な知識について定期試験で確認する.レポートは課題を理解し,課題に沿った報告になっているかで評価する.
この科目は10年以上企業で通信・分散プロセッシングを担当していた教員が、その経験を活かしコンピュータの構成や設計手法などについて主として講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
教室での座学を中心とした授業形式で行う.PC,回路・測定装置・CADなどを使用した実験や演習も行う.
ユニットを区切りとして進めるため毎回の授業ではある程度順序等が前後する場合がある.また、アクティブラーニングを取り入れており、毎日の練習問題状況などに基づき最適な学習となるよう順番を入れ替えるなどの場合もある。
適宜配布する課題シートを使って,演習或いは授業内容の整理に,各自及びグループで取り組む.レポート等に関わる事項について指名による回答を求める場合があるので,各自で考えて答える.
原則的に毎回の授業の冒頭は復習に充てるので,前回授業を思い出して当該回の授業に備える.
この科目は学修単位科目のため、自学自習により事前・事後学習として予習、復習及び演習を行うこと。
注意点:
前提として,電子計算機の基礎とプログラミング言語の基本を学んでいることが望ましい.
レポートは必ず指定期限までに提出する.
定期試験だけでなく予習・復習の自学自習も含めて評価されるので、自学自習の習慣を身につけることが必要。授業の予習・復習及び演習については自学自習により取り組み学習する。
板書とスライド(パワーポイント)を併用する。時間は確保するので各自でノートをとり復習等に役立てる。
授業で配布する課題シートは、特に指示しない限り当該回の授業内に提出する。その他のレポート等も必ず指定期日までに提出する。
授業全体を通し、a)グループ内で役割を持って実験ができ、b)CPUとI/O等の並列動作するコンピュータのハードウェアとソフトウェアの関係を理解し、c)マイクロコンピュータ及びCADを用いたシステム設計実験と知識習得を相補的に取り組むことが望まれる。
定期試験だけでなく予習・復習の自学自習も含めて評価されるので、自学自習の習慣を身につけることが必要。HBの黒鉛筆と消えない赤ボールペンを持参し,定期試験にはHBの黒鉛筆と消しゴムを持参する。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
コンピュータの基本構成と原理 |
コンピュータ構造の概要(CPU・主記憶・入出力),コンピュータの動作原理を理解する.
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2週 |
コンピュータにおけるデータ表現 |
符号無し整数,符号付き整数,固定小数点数,浮動小数点数,文字の表現,10進数の表現を理解する.
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3週 |
演算方式 |
符号無し整数,符号付き整数,固定小数点,四則演算,論理シフトと算術シフト,論理演算とALU,命令セットの例,アドッレシングモード,命令フォーマット,種々の命令や命令セットを理解する.
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4週 |
命令制御方式(1) |
制御の実現方式,複雑なコンピュータの命令制御,CISCとRISC,バス制御回路,実際のコンピュータシステムの例を理解する.
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5週 |
命令制御方式(2) |
制御の実現方式,複雑なコンピュータの命令制御,CISCとRISC,バス制御回路,際のコンピュータシステムの例を理解する.
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6週 |
回路の構造と設計 |
プログラマブルロジックとメモリ,再構成可能デバイス,基本回路設計とハードウェア記述言語,CADによ る設計及びシミュレーションを理解する.
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7週 |
割り込み |
割り込み要因,割り込み処理を理解する.
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8週 |
入出力 |
入出力装置,入出力制御を理解する. プロセッサなど内部処理論理の測定方法の基本を理解する.
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2ndQ |
9週 |
メモリアーキテクチャ |
基礎知識,記憶階層,キャッシュ,仮想記憶を理解する.
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10週 |
プログラムの実行とコンピュータの性能(1) |
オペレーティングシステム(OS),ファイルシステム,性能評価方法,集中/分散処理システム,システム設計プロセスとプロジェクト管理を理解する.
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11週 |
プログラムの実行とコンピュータの性能(2) |
分散処理システム,システム設計プロセスとプロジェクト管理を理解する.
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12週 |
様々なアーキテクチャと関連設計技術(1) |
パイプライン制御方式,スーパーパイプライン,スーパースケーラ,デュアル/マルチプロセッサシステム,VLIW,ハードウェア設計要件間トレードオフを理解する.
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13週 |
様々なアーキテクチャと関連設計技術(2) |
パイプライン制御方式,スーパーパイプライン,スーパースケーラ,デュアル/マルチプロセッサシステム,VLIW,ハードウェア設計要件間トレードオフを理解する.
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14週 |
様々なアーキテクチャと関連設計技術(3) |
パイプライン制御方式,スーパーパイプライン,スーパースケーラ,デュアル/マルチプロセッサシステム,VLIW,ハードウェア設計要件間トレードオフを理解する.再構成可能デバイスの応用・計算機基本構造・処理について実験・実習を通し理解する.
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15週 |
復習 |
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 70 | 0 | 0 | 0 | 30 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 35 | 0 | 0 | 0 | 15 | 0 | 50 |
専門的能力 | 35 | 0 | 0 | 0 | 15 | 0 | 50 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |