機械力学特論(2022年度以降入学生用科目)

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 機械力学特論(2022年度以降入学生用科目)
科目番号 0033 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械情報システム工学専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 プリント等を配布する
担当教員 髙田 宗一朗,原口 大輔

到達目標

機械・構造物における非線形振動,不規則振動,モード解析法を理解する.これを通じ,実際の稼働状況における機械・構造物の動的挙動を解析する基礎を学ぶ.持続可能な社会の実現に貢献する新しい機械・構造物をモデル化し評価する基礎力を高めることを目標とする.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(A評価)標準的な到達レベルの目安(B評価)最低限の到達レベルの目安(C評価)未到達レベルの目安(D評価)
評価項目1非線形振動系に平均化法を適用し振幅依存の固有角振動数を導出できる.線形系に平均化法を適用し固有角振動数を導出できる.平均化法による振幅方程式と位相方程式を説明できる.平均化法による振幅方程式と位相方程式を説明できない.
評価項目2ガウス性励振を受ける線形系のフォッカー・プランク方程式を導き,定常応答分布を導出できる.ガウス性励振を受ける線形系の定常応答から1次モーメントと2次モーメントを導出できる.ガウス性励振を受ける線形系の定常応答における1次モーメントと2次モーメントの定義を説明できる.ガウス性励振を受ける線形系の定常応答における1次モーメントと2次モーメントの定義を説明できない.
評価項目3両端支持梁の強制振動応答を計算でき,周波数応答関数よりモード形状を導出できる.両端支持梁の強制振動応答が計算でき,モード形状について説明できる.両端支持梁の強制振動応答が計算できる.両端支持梁の強制振動応答が計算できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
振動解析法として,非線形振動,不規則振動,モード解析法について学習する.非線形振動では平均化法の導出をおこない,実際の系への適用をおこなう.不規則振動では,概念の理解に始まり,各種の確率的な計算方法の修得,ガウス性励振を受ける線形系の定常応答から1次モーメントと2次モーメントを求める.モード解析では,理論モード解析を主体して有限要素法との対比をおこない理解を深める.
授業の進め方・方法:
企業において構造動力学解析を行っていた担当教員の経験を活かし,スライド資料を主に使って高度な振動解析の基礎を学習する.適宜演習として実際にコードを書いたり,既存の有限要素法ソフトウエアを利用したりして実際に計算を行い,理解を深める.本科目は学修単位であるので,本科で学んだ機械力学や各回に必要な数学に関する予習が必須である.また,復習も行われている前提で授業を進める.
注意点:
板書を確実にとること.授業中の演習課題は全て自力で解けるようにすること.全3回の各単元の終わりにレポートを課す.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 機械力学の復習(1自由度系,2自由度系,運動方程式の立て方) 1自由度系,2自由度系の運動方程式が立てられる.自由振動解/強制振動解が計算できる.
2週 非線形振動:平均化法の導出 平均化法の導出方法が理解できる
3週 非線形振動:線形1自由度系への適用 線形1自由度系を対象に平均化法を適用し,振幅方程式と位相方程式を導くことができる
4週 非線形振動:3次非線形系への適用 3次非線形系を対象に平均化法を適用し,振幅方程式と位相方程式を導くことができる
5週 非線形振動:様々な非線形振動系 身近にある非線形振動系を支配方程式とともに例示できる
6週 不規則振動:定義と統計量の理解 不規則振動の定義と各種の統計量について説明できる
7週 不規則振動:統計量の計算方法,モーメント,確率密度関数,特性関数 モーメント,確率密度関数,特性関数の計算ができる
8週 不規則振動:ガウス性励振を受ける線形系の応答モーメントの計算 ガウス性励振を受ける線形系の応答モーメントの計算ができる
2ndQ
9週 不規則振動:ガウス性励振を受ける線形系のフォッカー・プランク方程式 ガウス性励振を受ける線形系の応答確率密度関数の計算ができる
10週 不規則振動:様々な不規則振動系 身近にある不規則振動系を支配方程式とともに例示できる
11週 モード解析:線形入出力システムの関係 線形系の入出力システムの関係について説明でき,線形1自由度系の周波数応答関数を計算できる
12週 モード解析:1自由度曲線適合法 1自由度曲線適合法を理解し,同定プログラムを作成できる
13週 モード解析:実験モード解析 実験モード解析の手順を説明し,モード形状の可視化結果について解釈をあたえることができる
14週 モード解析:理論モード解析 両端支持梁の強制振動応答が計算でき,周波数応答関数を計算できる.モード形状の可視化ができる
15週 演習 非線形振動,不規則振動,モード解析に関する演習問題を解けるようにする
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学重心の意味を理解し、平板および立体の重心位置を計算できる。5
速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。5
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。5
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。5
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。5
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。5
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。5
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。5
仕事の意味を理解し、計算できる。5
てこ、滑車、斜面などを用いる場合の仕事を説明できる。5
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。5
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。5
動力の意味を理解し、計算できる。5
すべり摩擦の意味を理解し、摩擦力と摩擦係数の関係を説明できる。5
運動量および運動量保存の法則を説明できる。5
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。5
平板および立体の慣性モーメントを計算できる。5
部材が引張や圧縮を受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。5
部材が曲げやねじりを受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。5
カスティリアノの定理を理解し、不静定はりの問題などに適用できる。5
振動の種類および調和振動を説明できる。5
不減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。5
減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。5
調和外力による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。5
調和変位による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。5

評価割合

試験レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合85150000100
基礎的能力0000000
専門的能力85150000100
分野横断的能力0000000