構造用金属材料に関する微視的構造,材料強度とそのメカニズム、弾性力学に関する基礎的な解析法について理解する。機械・構造物設計に必要な材料強度の評価方法や問題点を学習することにより、安全・安心かつ持続可能な社会を実現するための機械・構造物設計のための知識を得ることを目標とする。
概要:
鋼に代表される構造用金属材料は、今日までの社会的基盤を支えてきた重要な材料である。機械・構造物設計において、部材に用いられる材料の強さ、変形および安定性を評価することは安全性を確保するうえで重要な情報となる。本授業では、構造用金属材料を対象に「材料の強さ」に関する基礎的な知識、評価方法について理解を深めてもらう。
授業の進め方・方法:
大学、企業にて構造用金属材料の研究に従事してきた担当教員による知見を活用し、構造用金属材料の微視的構造、材料強度とそのメカニズム、基礎的な弾性力学に関する解析法について学習する。スライド資料をもとに、機械設計や材料の基礎研究に役立つ実践的な内容について講義する。レポート課題と筆記試験によって成績を評価する。
注意点:
本科で学習した材料力学、機械材料学の知識が必要である。授業の予習・復習及び演習については自学自習により取り組み学修すること。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
金属材料の構造:結晶構造 |
金属材料を構成する結晶構造について説明できる。
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2週 |
金属材料の構造:金属材料の状態の変化 |
合金の状態図について説明できる。
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3週 |
金属材料の構造:鋼と非鉄金属 |
代表的な構造用金属材料である鋼とアルミニウムの特徴について説明できる。
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4週 |
材料強度の評価とメカニズム:材料の機械的性質1 |
種々の材料試験法とその評価項目について理解できる。
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5週 |
材料強度の評価とメカニズム:材料の機械的性質2 |
単軸応力状態における塑性変形特性と熱処理特性について理解できる。
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6週 |
材料強度の評価とメカニズム:塑性加工による機械的性質の変化 |
塑性加工による内部組織変化が強度に与える影響について説明できる。
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7週 |
材料強度の評価とメカニズム:金属材料の代表的な強化法 |
金属材料の強度向上させるための具体的な方策について説明できる。
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8週 |
材料強度の評価とメカニズム:次世代構造用金属材料の創製法 |
著しい材料強度の向上をもたらす加工法とその問題点について説明できる。
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2ndQ |
9週 |
材料強度の評価とメカニズム:機械設計における材料強度の解釈 |
機械設計に用いる材料強度の評価方法に関する問題点について説明できる。
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10週 |
弾性問題の解析:ひずみエネルギ |
ひずみエネルギに関する基礎理論について理解できる。
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11週 |
弾性問題の解析:ひずみエネルギ(演習) |
弾性問題の解析:ひずみエネルギ(演習) ひずみエネルギの適用問題に関する解法について理解できる。
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12週 |
弾性問題の解析:柱 |
柱の座屈に関する基礎理論について理解できる。
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13週 |
弾性問題の解析:柱(演習) |
柱の座屈問題に関する解法について理解できる。
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14週 |
弾性問題の解析:弾性力学の基礎 |
弾性力学に関する基礎理論について理解できる。
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15週 |
弾性問題の解析:弾性力学の基礎(演習) |
仮想仕事の定理に関する近似解評価の数値計算プログラムを作成できる。
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 力学 | 重心の意味を理解し、平板および立体の重心位置を計算できる。 | 5 | 前9 |
速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。 | 5 | 前12 |
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。 | 5 | 前12 |
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。 | 5 | 前12 |
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。 | 5 | 前12 |
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。 | 5 | 前12 |
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。 | 5 | 前13 |
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。 | 5 | 前13 |
仕事の意味を理解し、計算できる。 | 5 | 前13 |
てこ、滑車、斜面などを用いる場合の仕事を説明できる。 | 5 | 前13 |
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。 | 5 | 前14 |
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。 | 5 | 前14 |
動力の意味を理解し、計算できる。 | 5 | 前14 |
すべり摩擦の意味を理解し、摩擦力と摩擦係数の関係を説明できる。 | 5 | |
運動量および運動量保存の法則を説明できる。 | 5 | 前15 |
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。 | 5 | 前15 |
平板および立体の慣性モーメントを計算できる。 | 5 | 前15 |
部材が引張や圧縮を受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。 | 5 | 前10,前11 |
部材が曲げやねじりを受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。 | 5 | 前10,前11 |
カスティリアノの定理を理解し、不静定はりの問題などに適用できる。 | 5 | 前10,前11 |