線形空間論

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 線形空間論
科目番号 0016 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 【専攻科】電気電子工学専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材 Linear Algebra (Serge Lang 著・Springer) 東京大学工学教程 フーリエ・ラプラス解析(加藤雄介、求幸年著・丸善出版)
担当教員 井口 雄紀

到達目標

1.線形空間の基底と次元の概念を理解し、計算ができる
2.内積空間、とくにヒルベルト空間の概念を理解し、内積等の種々の計算ができる
3.フーリエ解析の概念を理解し、計算ができる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
線形空間線形写像の像と核が部分空間であることを証明できて、基底と次元が計算できる部分空間の基底と次元が計算できる部分空間の基底と次元が計算できる部分空間の基底と次元が計算できない
内積空間ヒルベルト空間の正規直交基底を求めることができる内積を使ってベクトルの長さやベクトル同士のなす角を計算できる関数同士の内積を計算できる関数同士の内積を計算できない
フーリエ解析フーリエ級数展開の計算およびフーリエ変換のたたみこみ積分が計算できるフーリエ級数展開およびフーリエ変換の計算ができるフーリエ級数展開の計算ができるフーリエ級数展開の計算ができない

学科の到達目標項目との関係

JABEE (c) 説明 閉じる
学習・教育目標 C1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本科で触れる機会が少なかった線形(ベクトル)空間について学ぶ。講義で使うテキストは英語で書かれており、自然科学における英語の表現に触れる良い機会となるだろう。ベクトル空間を具体例を通し、直感的に理解すること、とくに基底と次元の計算が出来るようになることが目標である。後半は、フーリエ解析について述べる.
授業の進め方・方法:
講義はできるだけ具体例を示すよう心掛けるが、自ら手を動かして理解して欲しいので、講義ででてくる簡単な計算をレポートとして課すことがある。
注意点:
本科3年までに学んだ数学、特に線形代数学I,IIの知識を前提とする。フーリエ解析を理解するため、微分積分の基礎知識を必要とする.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
n次元空間
2週 抽象ベクトル空間の定義と具体例 ベクトル空間の具体例を挙げることができる
3週 部分空間および基底と次元 部分空間の具体例を挙げることができる
基底と次元を求めることができる
4週 線形写像の定義と性質 線形写像の定義と性質が理解できる
5週 線形写像の像と核 線形写像の像と核の基底と次元を計算できる
6週 内積空間の定義およびヒルベルト空間の例 関数空間上で内積を計算できる
7週 関数空間の正規直交基底 正規直交基底を求めることができる
8週 フーリエ級数 フーリエ級数展開の対象となる関数の集合(関数空間)を理解できる
2ndQ
9週 フーリエ変換 フーリエ変換可能な関数の集合(関数空間)を理解できる
10週 フーリエ級数とフーリエ変換の具体例と計算 フーリエ級数およびフーリエ変換の計算ができる
11週 たたみこみ積分とパーセバルの不等式および不確定性原理 たたみこみ積分が計算できる
12週 離散フーリエ変換(DFT)と高速フーリエ変換(FFT) DFTを行列で表現できる
13週 高速フーリエ変換(FFT)のアルゴリズム FFTアルゴリズムの仕組みを理解できる
14週 工学への応用事例の紹介 フーリエ変換が利用されている工学現象の例を挙げることができる
15週 期末試験
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学英語英語運用の基礎となる知識聞き手に伝わるよう、句・文における基本的なリズムやイントネーション、音のつながりに配慮して、音読あるいは発話できる。3
明瞭で聞き手に伝わるような発話ができるよう、英語の発音・アクセントの規則を習得して適切に運用できる。3
中学で既習の語彙の定着を図り、高等学校学習指導要領に準じた新出語彙、及び専門教育に必要となる英語専門用語を習得して適切な運用ができる。3
中学で既習の文法や文構造に加え、高等学校学習指導要領に準じた文法や文構造を習得して適切に運用できる。3
英語運用能力の基礎固め日常生活や身近な話題に関して、毎分100語程度の速度ではっきりとした発音で話された内容から必要な情報を聞きとることができる。3
日常生活や身近な話題に関して、自分の意見や感想を基本的な表現を用いて英語で話すことができる。3
説明や物語などの文章を毎分100語程度の速度で聞き手に伝わるように音読ができる。3
平易な英語で書かれた文章を読み、その概要を把握し必要な情報を読み取ることができる。3
日常生活や身近な話題に関して、自分の意見や感想を整理し、100語程度のまとまりのある文章を英語で書くことができる。3
母国以外の言語や文化を理解しようとする姿勢をもち、実際の場面で積極的にコミュニケーションを図ることができる。3
実際の場面や目的に応じて、基本的なコミュニケーション方略(ジェスチャー、アイコンタクト)を適切に用いることができる。3
英語運用能力向上のための学習自分の専門分野などの予備知識のある内容や関心のある事柄に関する報告や対話などを毎分120語程度の速度で聞いて、概要を把握し、情報を聞き取ることができる。3
英語でのディスカッション(必要に応じてディベート)を想定して、教室内でのやり取りや教室外での日常的な質問や応答などができる。3
英語でディスカッション(必要に応じてディベート)を行うため、学生自ら準備活動や情報収集を行い、主体的な態度で行動できる。3
母国以外の言語や文化を理解しようとする姿勢をもち、教室内外で英語で円滑なコミュニケーションをとることができる。3
関心のあるトピックや自分の専門分野のプレゼン等にもつながる平易な英語での口頭発表や、内容に関する簡単な質問や応答などのやりとりができる。3
関心のあるトピックや自分の専門分野に関する論文やマニュアルなどの概要を把握し、必要な情報を読み取ることができる。3
実際の場面や目的に応じて、効果的なコミュニケーション方略(ジェスチャー、アイコンタクト、代用表現、聞き返しなど)を適切に用いることができる。3

評価割合

試験レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合75250000100
基礎的能力75250000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000