電気電子工学特別演習

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 電気電子工学特別演習
科目番号 0024 科目区分 専門 / 必修
授業形態 演習 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 【専攻科】電気電子工学専攻 対象学年 専1
開設期 通期 週時間数 8
教科書/教材 各指導教員に従う.
担当教員 玉田 耕治,青木 宏之

到達目標

 電気電子工学およびその関連分野における高度の演習を行い、問題解決能力の育成を図る。さらに輪講により技術英語の読解力と表現力を養う。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1自主的に課題について説明ができ,その課題解決方法が提案できる.指導教官の下で,課題について,説明ができ,その課題解決方法が提案できる.指導教員の下で,課題について,説明がある程度できる.指導教員の下で,課題について,説明ができない.
評価項目2自主的に課題解決方法の提案と計画の立案ができ,計画に従い実行できる.指導教官の下で,課題解決方法の提案と計画の立案ができ,計画に従い実行できる.指導教官の下で,課題解決の計画がある程度できる.指導教官の下で,課題解決の計画が実行できない.
評価項目3自主的に課題の結果について,文献調査などを行い考察ができる,また,明確なプレゼンテーションおよびレポートの作成ができる.指導教官の下で,課題の結果について,文献調査などを行い考察ができる.また,明確なプレゼンテーションおよびレポートの作成ができる.指導教官の下で,課題結果の考察がある程度できる.また,プレゼンテーションおよびレポートがある程度作成できる.指導教官の下で,課題の結果について考察ができない.また,プレゼンテーションおよびレポートが作成できない.

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
電気電子工学およびその関連分野における高度の演習を行い、問題解決能力の育成を図る。さらに輪講により技術英語の読解力と表現力を養う。「情報・通信」,「電子物性・デバイス」,「回路・エネルギー・制御」の3つの分野から,課題を選択する.
授業の進め方・方法:
各指導教員との話し合いにより,指導記録書を作成しながら研究課題を取り組む.下記テーマの中から各自4テーマを選択すること.

・綾野秀樹:「半導体電力変換工学」
英語文献を参考に,電力変換技術について理論を学習する。
参考文献はJ.G.Kassakian 著 Principle of Power Electronics などを使用する。

・伊藤 浩:「集積回路工学」
 集積回路設計CADソフトを使ってシフトレジスタや加算回路などの回路を設計し,回路抽出と回路シミュレーションによる動作確認を行ない,集積回路設計の基本技術について学ぶ。

・木村知彦:「システム同定に関する演習」
 制御系設計ツール(MATLAB/Simlink)を用いたシミュレーションにより、過渡応答データ(実験によって得られる「データ」)を利用した制御対象のモデルを推定する手法について学ぶ。

・舘泉雄治:「計算機工学」
 ハードウェア、OS・ソフトウェア、ネットワーク・セキュリティの3項目について、UNIXワークステーション、ネットワーク機器などを用いて実機を操作しながら学んで行く。

・玉田耕治「電気電子材料工学」
半導体工学関連の演習を行う。英語による半導体工学の演習問題を解くことにより、電子材料工学の基本的な計算能力と本授業の目標にある英語の読解力と表現力を養う。

・新國広幸:「光エレクトロニクス」
 光エレクトロニクスの重要要素である光検出器の原理について学習し、実際に光計測用の検出器の設計、評価を行い、光検出の基礎を修得する。

・青木宏之「パターンの識別と学習」
神経回路網モデルを用いたパターンの識別と学習の問題について,理論を学びシミュレーションを通してその検証を行う。

・大塚友彦:「CMOSインバータのパルス応答波形解析演習」
 MOSトランジスタを用いたCMOS論理回路の基礎として、CMOSインバータのパルス応答波形について、回路微分方程式を解析する。

・小池清之:「ディジタル通信システムのシミュレーション」
 ディジタル通信システムのモデル化に関連する課題を与え、C言語によるプログラミングを通じて研究遂行に必要なシミュレーション技法を習得させる。

・一戸隆久:「材料評価技術演習」
 半導体などの材料評価に用いられる計測機器を用いて実際に測定を行い、材料評価技術について学習する。

・加藤 格:「環境材料に関する工学的検討」
 環境の改善や保全のための機能性材料について、その作成法、評価法および利用法などを工学的に検討し、1つの環境対策プログラムを設計する。

・永吉 浩:「電子デバイス工学」
 太陽電池について基礎となる理論の計算演習およびカーブフィッティングによるデバイスパラメータ抽出演習を行う。

・安田利貴「生体工学」
 生体の機能や特徴などについて工学的に検討し,医療・福祉機器の開発に関する基礎を習得する。

・水戸慎一郎「スピンエレクトロニクス概論」
 光と磁気の相互作用である磁気光学効果を主軸としながら、近年活発な研究開発が行われているスピンエレクトロニクスについて学ぶ。各受講者はスピンエレクトロニクスに関するレポート、プレゼン資料を作成し、全員で情報共有と議論を行う。

・永井 翠「生体情報工学」
 体が発生している電気について発生原因などについて習得する.また,体の持っているセンサがどのように工学的に応用されているか検討する.
注意点:
研究者としての倫理を忘れないこと.実験を行う際には,実験の安全の手引などに従うこと.実験ノートを作成すること.電子工学および関連分野の知識をまとめておくこと.各種提出物については,定められた書式,部数および提出期限を厳守すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学リテラシー工学リテラシー実験テーマの内容を理解し、実験・測定結果の妥当性評価や考察等について論理的な説明ができる。3
実験ノートの記述、及び実験レポートの作成の方法を理解し、実践できる。3
専門的能力専門的能力の実質化PBL教育PBL教育工学が関わっている数々の事象について、自らの専門知識を駆使して、情報を収集することができる。3
集められた情報をもとに、状況を適確に分析することができる。3
与えられた目標を達成するための解決方法を考えることができる。3
状況分析の結果、問題(課題)を明確化することができる。3
各種の発想法や計画立案手法を用いると、課題解決の際、効率的、合理的にプロジェクトを進めることができることを知っている。3
各種の発想法、計画立案手法を用い、より効率的、合理的にプロジェクトを進めることができる。3
共同教育共同教育技術者として、社会に対して有益な価値を提供するために存在し、社会の期待に十分応えられてこそ、存在の価値のあることを理解できる。3
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能現状と目標を把握し、その乖離の中に課題を見つけ、課題の因果関係や優先度を理解し、そこから主要な原因を見出そうと努力し、解決行動の提案をしようとしている。3
現状と目標を把握し、その乖離の中に課題を見つけ、課題の因果関係や優先度を理解し、発見した課題について主要な原因を見出し、論理的に解決策を立案し、具体的な実行策を絞り込むことができる。3
事象の本質を要約・整理し、構造化(誰が見てもわかりやすく)できる。3
複雑な事象の本質を整理し、構造化(誰が見てもわかりやすく)できる。結論の推定をするために、必要な条件を加え、要約・整理した内容から多様な観点を示し、自分の意見や手順を論理的に展開できる。3
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性日常生活の時間管理、健康管理、金銭管理などができる。常に良い状態を維持するための努力を怠らない。3
ストレスやプレッシャーに対し、自分自身をよく知り、解決を試みる行動をとることができる。日常生活の管理ができるとともに、目標達成のために対処することができる。3
未来の多くの可能性から技術の発展と持続的社会の在り方を理解し、自らのキャリアを考えることができる。3
技術の発展と持続的社会の在り方に関する知識を有し、未来社会を考察することができるとともに、技術の創造や自らのキャリアをデザインすることが考慮できる。3
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力現実を踏まえ、公衆の健康・安全や文化・社会・環境に配慮すべきことが理解できる。さらに、複合的な工学的課題や、需要に適合したシステム・構成要素・工程の設計に取り組むことができる。3
現実を踏まえ、公衆の健康・安全への配慮、文化的・社会的・環境的な観点に配慮をしつつ、既存の枠にとらわれずに、複合的な工学的課題や、需要に適合したシステム・構成要素・工程を設計することができる。3
クライアントの要求を解決するための設計解を作り出すプロセス理解し、設計解を創案できる。さらに、創案した設計解が要求を解決するものであるかを評価しなければならないことを理解する。3
クライアントの要求を解決するための設計解を作り出すプロセスを理解し、設計解を創案できる。さらに、創案した設計解が要求を解決するものであるかを評価しデザインすることができる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合030010600100
基礎的能力0000000
専門的能力030010600100
分野横断的能力0000000