環境物理学(2022年度以降入学生用科目)

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 環境物理学(2022年度以降入学生用科目)
科目番号 0034 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気電子工学専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 必要に応じてプリント配付
担当教員 大野 秀樹

到達目標

環境問題やエネルギー問題などについて物理学の立場からの考えを学ぶ。主に地球温暖化現象と原子力・再生可能エネルギーについて取り上げ、単純な物理モデルを適応しながら考えていく。環境への影響を配慮しエネルギー問題を解決することを考えていく力を養うことは、持続可能な社会の実現に向けての研究開発を推進していく上で重要なことである。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(A評価)標準的な到達レベルの目安(B評価)最低限の到達レベルの目安(C評価)未到達レベルの目安(D評価)
環境科学におけるモデルボックスモデルの基礎事項が説明でき、単純なモデルについて計算することができる。ボックスモデルの基礎事項が説明でき、単純なモデルについて基本的な計算することができる。ボックスモデルの基礎事項が説明でき、単純なモデルを図に表すことができる。ボックスモデルの基礎事項が説明できない。
地球のエネルギー収支・温暖化現象地球の温暖化について説明することができきる。その現象を単純モデル化して、基本計算を行うことができる。大気を含めた地球のエネルギー収支とその単純化モデルの基本的計算ができる。また、温暖化現象を説明できる。地球のエネルギー収支と温暖化現象について説明できる。地球のエネルギー収支と温暖化現象について説明できない。
エネルギー問題と物理再生可能エネルギー及び原子力エネルギーの特長と環境リスクを説明でき、今後のエネルギーについて自分の意見を持てる。再生可能エネルギー及び原子力エネルギーの特長と環境リスクを説明できる。再生可能エネルギー及び原子力エネルギーの特長を説明できる。再生可能エネルギー及び原子力エネルギーの特長を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
主に地球温暖化現象とエネルギー問題について考え学んでいく。地球温暖化現象については、現象論だけではなく単純なモデルを構築し、そのモデルを物理的に解いて検討していく。エネルギー問題では、脱炭素社会への移行が始まるとともにエネルギーミックス(2030年)では、1次エネルギーの約25%を原子力と再生可能エネルギーで供給する予定であるので、それらの特長と環境リスクについて考えていきたい。
授業の進め方・方法:
環境問題とエネルギー問題について物理学の立場からアプローチして理解していくことを目標とする授業である。この目標を達成するためには,環境科学のモデルの理解と基本的計算と物理の基本的法則にを理解することにある。授業は必要に応じて資料を配付して行う。
注意点:
学修単位の科目なので受講生は必ず予習・復習を行うこと。課題提出があるので必ず提出すること。基本的な物理法則と微積分や微分方程式を用いるので苦手な学生は事前に復習しておくこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 環境と物理学 物理学が環境問題に対して果たす役割について自分の考えを説明できる。
2週 身近なエネルギーについての考察 電気や熱など身近なエネルギーの発生について考えてみる。特に化学反応と核反応によるエネルギーについて説明できる。
3週 核エネルギー 核分裂や核融合についてその概要を説明できる。
4週 太陽放射と地球放射 地球のエネルギーバランスにいて説明できる。
5週 大気のエネルギー収支 大気が存在する場合の地球のエネルギー収支について説明できる。
6週 定常状態のモデルの基礎 環境科学における定常ボックスモデルの基本的事項を説明できる。
7週 定常状態のモデルの計算 地球環境を単純モデル化して、地球の温度について計算できる。
8週 地球温暖化のモデル計算1 温室効果ガスとそれの増加による地球温暖化現象を単純モデル化して、地球の温度の上昇について計算することができる。
2ndQ
9週 地球温暖化のモデル計算2 8週の続き
10週 放射能と放射線 放射能、放射線について説明できる。
11週 放射性崩壊と半減期の実験   放射性崩壊と半減期について簡単な実験からデータを取り考察する。
12週 放射線と物質の相互作用1  α線、β線、γ線と物質との相互作用についてその概略を説明できる。
13週 放射線と物質の相互作用2   12週の続き 
14週 原子力発電と環境問題  原子力発電と環境への影響について説明できる。
15週 再生エネルギーの概要 再生可能エネルギーの種類やその特長と問題点を説明することができる。 
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合75250000100
基礎的能力75250000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000