到達目標
量子力学における、状態の重ね合わせの原理を理解する。この原理を光量子の光の偏りの現象や 電子の二重スリット干渉実験等に応用し、粒子性と波動性の両立の問題を 状態の重ね合わせの原理の導入によって解明することを目標とする。このように問題を解決する 手法を学び、自身の研究の困難を乗りこえて研究開発能力を推進する力を養う。 また、状態の重ね合わせの原理及び波束の収縮を有効に利用した例として最近、話題にな っている量子コンピュータを紹介する。量子情報技術を進展させるきっかけとなった量子もつれについても、あわせて紹介する。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 到達レベルの目安(可) | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 位相を理解し、一般の波の 干渉を位相を用いて十分に 説明できる。 | 位相を理解し、一般の波の 干渉を位相を 用いて説明で きる。 | 位相を理解し、水の波の干 渉を位相を 用いて説明でき る。 | 位相を理解し、水の波の干 渉を位相を 用いて説明でき ない。 |
評価項目2 | 光量子の光の偏りを、状態 の重ね合わせの原理 によっ て十分に説明できる。 | 光量子の光の偏りを、状態 の重ね合わせの原理 によっ て説明できる。 | 光量子の光の偏りを、状態 の重ね合わせの原理 によっ て理解できる。 | 光量子の光の偏りを、状態 の重ね合わせの原理 によっ て理解できない。 |
評価項目3 | ビットと量子ビットの違い を 状態の重ね合わせの原理 を用いて十分に説明できる 。 | ビットと量子ビットの違い を 状態の重ね合わせの原理 を用いて説明できる。 | ビットと量子ビットの違い を 状態の重ね合わせの原理 を用いて理解できる。 | ビットと量子ビットの違い を 状態の重ね合わせの原理 を用いて理解できない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
ミクロの世界は古典力学では記述できず、量子力学がどのように古典力学にとって代わったのかを振り返り、量子力学 の基礎を説明する。そして、古典力学にはない、量子力学に特有の「状態の重ね合わせの原理」の考え方を、3つの具体 的な例を通して解説する。すなわち、光量子の光の偏り、電子の二重スリット干渉実験、電子の スピンの3つである。最近、話題となっている量子コンピュータの量子ビットで、状態の重ね合わせの原理が重要な役割を担 っていることにも触れる。
授業の進め方・方法:
講義の最初の数回は、文献のプリント(英語)を使う。あらかじめ日本語訳してきてもらう箇所を各自に当てるので予習す ること。また、初めのほうで課題を出すので、 後日、提出すること。講義は板書を中心に行う。
注意点:
複素数の知識(複素数の絶対値、共役複素数、オイラーの公式など)及び固有値、固有ベクトルの知識が必要になるので復 習してくること。英語文献の予習をしてくること。 また、講義終了後は復習を行い、自学自習をしっかり行うこと。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
量子の考え方について学ぶ。 |
量子の考え方について説明できる。
|
2週 |
測定精度の限界について学ぶ。 |
測定精度の限界について説明できる。
|
3週 |
位相による波の干渉を学ぶ。 |
位相による波の干渉を説明できる。
|
4週 |
光電効果について学ぶ。 |
光電効果について説明できる。
|
5週 |
波としての光の偏光について学ぶ。 |
波としての光の偏光について説明できる。
|
6週 |
「状態の重ね合わせの原理」具体例 1:光量子の光の偏 り、を学ぶ。 |
「状態の重ね合わせの原理」例1:光量子の 光の偏りを 説明できる。光の粒子性 と波動性の両立の困難さが状 態の重ね合わせ の原理の導入によって解消され るこ とを学び自身の研究の困難を乗りこえて 研究開発能力 を推進する力を養う。
|
7週 |
「状態の重ね合わせの原理」具体例 2:電子の二重スリ ット干渉実験、を 学ぶ。 |
「状態の重ね合わせの原理」具体例2:電子の 二重スリ ット干渉実験、を説明できる。
|
8週 |
パウリの排他原理について学ぶ。 |
パウリの排他原理について説明できる。
|
2ndQ |
9週 |
電子のスピン:固有値と固有状態を 学ぶ。 |
電子のスピン:固有値と固有状態を説明でき る。
|
10週 |
「状態の重ね合わせの原理」具体例 3:電子のスピン、 を学ぶ。 |
「状態の重ね合わせの原理」具体例3:電子の スピン、 を説明できる。
|
11週 |
量子コンピュータにおける量子ビ ットと状態の重ね合 わせの原理を 学ぶ。 |
量子コンピュータにおける量子ビットと状態 の重ね合 わせの原理を説明できる。
|
12週 |
量子もつれについて学ぶ。 |
量子もつれについて説明できる。
|
13週 |
量子力学と隠れた変数理論について学ぶ。 |
量子力学と隠れた変数理論について説明できる。
|
14週 |
シュレーディンガーの猫について学ぶ。 |
シュレーディンガーの猫について説明できる。
|
15週 |
期末試験 |
期末試験
|
16週 |
|
|
モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | レポート | 合計 |
総合評価割合 | 75 | 0 | 0 | 0 | 0 | 25 | 100 |
基礎的能力 | 75 | 0 | 0 | 0 | 0 | 25 | 100 |
専門的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |