ベンチャー起業論(2022年度以降入学生用科目)

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 ベンチャー起業論(2022年度以降入学生用科目)
科目番号 0048 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気電子工学専攻 対象学年 専2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 ベンチャー経営論 (はじめての経営学)  長谷川 博和 (著) 東洋経済新報社,スライド資料等
担当教員 山下 晃弘,原口 大輔

到達目標

スタートアップ事業を企画し,ベンチャー企業を立ち上げることを想定して,ベンチャー企業の経営に必要となる基本的な知識を学び,会社の仕組みや資金に関係する大まかな全体像を理解する.
新規事業の事業計画を作るための基本的な知識を学び,ならんらかの事業を想定して具体的な事業計画書を試作してみることによって企業におけるステークホルダーの存在や資金の流れを理解する.
実際の企業の経営者や技術者の講演を聞き,様々な業界における新規事業の立ち上げや経営の事例を学ぶことで,実社会におけるビジネスのイメージを構築する.
これまで学んだ知識や技術を生かし,社会的な意義や持続可能な社会への貢献を常に意識して新しい社会のあり方やビジネスを考えることができるアントレプレナーシップを育成する.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(C評価)未到達レベルの目安
ベンチャー企業におけるステークホルダーの存在を理解し,資本や株式の基本概念を説明できる.ベンチャー企業におけるステークホルダーの存在を理解し,資本戦略の基本的な考え方を理解して自ら検討することができる.ベンチャー企業におけるステークホルダーの存在を理解し,資本戦略の基本的な考え方を説明できる.ベンチャー企業におけるステークホルダーの存在を理解し,資本戦略の概念を理解している.ベンチャー企業におけるステークホルダーの存在や,資本戦略の概念を理解できていない.
ベンチャー企業に関係するファイナンスの基本を理解し,財務諸表の基本概念を説明できるベンチャー企業に関係するファイナンスの基本を理解し,自ら財務諸表の概要を読み取ることができる.ベンチャー企業に関係するファイナンスの基本を理解し,財務諸表の基本的な考え方を説明できる.ベンチャー企業に関係するファイナンスの基本を理解し,財務諸表の概念を理解している.ベンチャー企業に関係するファイナンスの基本事項を把握できておらず,財務諸表の概念を理解できていない.
スタートアップ事業を立ち上げることを想定して事業計画を考え,計画書としてまとめることができる自らがスタートアップ事業を立ち上げることを想定して様々な観点で事業計画を考え,計画書としてまとめることができる.自らがスタートアップ事業を立ち上げることを想定し,定型的な事業計画書としてまとめることができる.自らがスタートアップ事業を立ち上げることを想定し,事業計画書の概要をまとめることができる.スタートアップ事業を立ち上げる際の検討事項を把握できておらず,事業計画書の概要についてもまとめることができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
近年,様々な分野における技術開発スピードの加速やICT技術の発展に伴い,ベンチャー企業のみならず大企業においても新規事業の立ち上げに必要な基本スキルや発想が重要になってきている.本講義では,新規のスタートアップ事業を立ち上げてベンチャー企業を設立することを想定し,ベンチャー企業の立ち上げや経営に必要な資本戦略やファイナンスの基本事項について学ぶとともに,自ら事業計画書の作成を経験することでアントレプレナーシップとして必要な基本スキルを学ぶことを目的とする.また,実際の企業経営者や技術者の講演を聞くことで,実際のビジネスに対するイメージを構築し,将来社会に出てビジネスを行う際の基本的な考え方を身に着ける.
なお,本講義は,ベンチャー企業の経営に携わった経験がある教員が,その経験を活かしてベンチャー企業の経営に関する講義・演習を授業として行うものである.
授業の進め方・方法:
座学講義を基本とし,グループワークによる事業計画書の作成などを行う.また,外部講師の方による講演を複数回行い,実際ビジネスにおける具体的な事例ついて考察する.
注意点:
講義の中で各自調査などを行うことがあるため,ノートパソコンやタブレット端末を所有している場合は持参することが望ましい.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 講義ガイダンス
ベンチャー企業とは何か。起業とはどういうことか。起業が求めらる社会的な背景とリスク。
持続可能な社会の実現に向けた世界的な動きに関心を持ち、その中でベンチャー企業に求められいてる社会的な背景を理解して、起業の具体的なイメージを持つ。グループワークを行うためのグループ分けを行う。
2週 経営理念とは何か。
新しいビジネスアイディアをどのように見つけるか。
実際の企業の経営理念を調査し、事業にどのように生かされているかを考察する。
3週 ビジネスアイディア発表会1 グループごとにいくつかのビジネスアイディアを出して短い時間で発表を行う。
4週 ビジネスのアイディアからビジネスモデルをどのように創出するのか。 ビジネスプランコンテストなどの事例を見ながら、どのようにアイディアからビジネスモデルとしてまとめるのかを理解する。また過去に提案されたビジネスモデルに対して自分なりに評価できる点や改善点を考える。
5週 ライバルとの差別化。スタートアップ事業における特許戦略の重要性 ベンチャー企業の経営に必要となる特許戦略の考え方を理解する。
6週 スタートアップ事業立ち上げと資金調達。 スタートアップとして起業し、成長する上で必要となる資金調達の基本的な考え方を理解する。
7週 【企業講演1】 企業経営者や技術者の外部講師の方の講演を聴講し事例に基づいて理解を深める。
8週 企業と支援者
企業の支援者にはどのような人がいるのか。主要なステークホルダー、ベンチャーキャピタルやエンジェルからの投資と目的。
スタートアップに関係する支援者の存在と役割を理解する。
4thQ
9週 事業計画書の作成ワークグループ1
事業計画書(ビジネスプラン)作成に向けたガイダンス
グループで新規事業を立ち上げることを想定し、グループワークとして事業計画書を作成する。初回は、テーマを決めて事業の概要を設定することを目標とする。
10週 ビジネスプランの作成グループワーク2
ビジネスプランを掘り下げる(提案する製品やサービスの内容、新規性や市場性)
グループで新規事業を立ち上げることを想定し、グループワークとしてビジネスプランを作成する。2回目は具体的なビジネスプランとして概要をまとめることを目標とする。
11週 【企業講演2】 企業経営者や技術者の外部講師の方の講演を聴講し事例に基づいて理解を深める。
12週 事業計画書の作成グループワーク3
ビジネスプランを掘り下げる(市場規模、競合、価格設定)
グループで新規事業を立ち上げることを想定し、グループワークとしてビジネスプランを作成する。3回目はビジネスプランの発表会に向けた資料作成を目標とする。
13週 ビジネスプランの発表会 グループワークで作成したビジネスプランに関する報告会を実施する。また、自分のチームや他のチームが考えた事業について社会的な意義についても考察する。
14週 【企業講演3】 企業経営者や技術者の外部講師の方の講演を聴講し事例に基づいて理解を深める。
15週 【企業講演4】 企業経営者や技術者の外部講師の方の講演を聴講し事例に基づいて理解を深める。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

個人レポートグループ発表出席・態度合計
総合評価割合404020000100
基礎的能力0000000
専門的能力0000000
分野横断的能力404020000100