電気電子工学特別研究Ⅱ(総表)【学修総まとめ科目】

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 電気電子工学特別研究Ⅱ(総表)【学修総まとめ科目】
科目番号 0058 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実習 単位の種別と単位数 学修単位: 12
開設学科 電気電子工学専攻 対象学年 専2
開設期 通期 週時間数 24
教科書/教材 なし
担当教員 新國 広幸

到達目標

電気電子工学と各テーマに関係する応用工学分野を理解した上で,その分野における問題を改善または解決するための手法を開発し,それを検証するための数値実験プログラム開発および検証実験のための装置開発に取り組むことで課題抽出および解決能力を育成すると同時に実践的なものづくり能力を育成する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1自主的に研究背景および課題について説明ができ,その課題解決方法が提案できる.指導教官の下で,研究背景および課題について,説明ができ,その課題解決方法が提案できる.指導教官の下で,研究背景および課題について,説明がある程度でき,その課題解決方法がある程度提案できる.指導教員の下で,研究背景および課題について,説明ができない.
評価項目2自主的に課題解決方法の提案と計画の立案ができ,計画に従い実行できる.指導教官の下で,課題解決方法の提案と計画の立案ができ,計画に従い実行できる.指導教官の下で,課題解決の計画がある程度実行できる指導教官の下で,課題解決の計画が実行できない.
評価項目3自主的に研究結果について,文献調査などを行い考察ができる,また,明確なプレゼンテーションおよび論文の作成ができる.指導教官の下で,研究結果について,文献調査などを行い考察ができる.また,明確なプレゼンテーションおよび論文の作成ができる.指導教官の下で,実験結果の考察があるていどできる.また,プレゼンテーションおよび論文がある程度できる.指導教官の下で,実験結果の考察ができない.また,プレゼンテーションおよび論文ができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
電気電子工学と各テーマに関係する応用工学分野を理解した上で,その分野における問題を改善または解決するための手法を開発し,それを検証するための数値実験プログラム開発および検証実験のための装置開発に取り組むことで課題抽出および解決能力を育成すると同時に実践的なものづくり能力を育成する。また、学修内容のプレゼンテーションを通じて,思考を深める討論のスキルを習得させ、修了後も自ら学び続ける能力を養う。
授業の進め方・方法:
綾野秀樹「電力変換装置の高性能化に関する研究」
 本研究では,電力変換器の高性能化(例えば,低損失高効率化技術,小型化実装技術,低ノイズ化技術)について検討する.具体的には,方式検討・理論解析または計算機シミュレーション評価,および実験装置の試作・性能評価を
行う.また,外部の専門家と議論する機会を設ける.

伊藤 浩「機能性材料の作製と評価に関する研究」
 本研究では,特に半導体を中心とした機能性材料の薄膜及び微細素子を作製し,結晶・薄膜成長,表面電子物性,電気的特性,光学的特性などの物性評価を行い,光センサ,太陽電池,透明導電膜,MEMSセンサなどの応用へ向けた基礎研究を行う.

伊藤 浩「光波を利用したセンサに関する研究」
 本研究では,電気を用いたセンサでは危険な化学分野や原子力分野などで安全に使用できる光を利用したセンサの開発を目標としている.さらに,MEMS技術を利用することで,センサの小型化,高性能化の検討を行う.

木村知彦「システム同定および制御器設計に関する研究」
システムを制御するためには,制御対象の特性を理解し,安定性,速応性,定常特性などを考慮して制御器設計をする必要がある.本研究では,前述に示したシステムの制御に関する研究に取り組む.

舘泉雄治「コンピュータ・ネットワークシステムの構築とその評価に関する研究」
 パソコンやスマートフォン,各種のサーバとを結びつけるネットワークを考え,システムの構築や運用,評価などについて実践的に学ぶ.更に,セキュリティの確保や新たなヒューマンインターフェイスの提案,改善などにも取り組む.

玉田耕治「新規性電気電子材料の作製と基礎評価」
 電気電子材料に関して,作製および評価技術を学修を最終目的とし,実践的な電気電子材料開発の能力を育成する.また,修了後も自らを成長させ続けていくための基礎力を養成する.

青木宏之「自律移動ロボットの制御,画像処理,マイコン応用に関する研究」
 本研究で扱う研究領域は主に自律移動ロボットの制御やそのための画像処理,およびマイコンやネットワークを活用した情報システムの構築にあるが,常に現実社会における課題を考え,その解決をはかるためのしくみやシステム
を提案していくことを強く意識する.

大塚友彦「デジタルシステムにおける多次元信号解析に関する研究」
 本研究では,生体信号や生態情報等の多次元信号解析について検討する.医療工学,防犯・事故防止技術,生態認証等へ応用するための方式検討・理論解析または計算機シミュレーション評価,及び実験装置の試作・性能評価を行う.

加藤 格「物理的・化学的手法を用いた機能性材料の開発及び物質の有効利用に関する研究」
 本研究では,資源リサイクルや環境浄化および機能性材料の開発などのテーマに取り組み,実践的開発応用能力を育成する.また環境評価手法を用いて,製造プロセスやリサイクルプロセスの環境評価を行い,総合的な考察力を育成する.

加藤 格「先端電子材料の開発と応用に関する研究」
 磁気光学材料、電子光学材料、熱電材料などの機能性材料を応用することで、従来の電子材料では実現できない新規デバイスの実現が期待できる。そこで本科目では、機能性材料をベースとした新規デバイスのシミュレーション、作製、及び評価を行う。

一戸隆久「荷電粒子を用いた薄膜材料創成に関する研究」
 新しい機能性・特性を有する電子材料の開発が現代エレクトロニクスの発展に寄与している.本研究では最先端の論文を引用しながら材料プロセスが薄膜材料の物性に与える影響について基本的な薄膜評価技術を用いて実験的に調べ,薄膜材料創成について検討する.

安田利貴「医療福祉機器の開発のための基礎研究」
 電子工学,メカトロニクス,情報工学を基礎として,これらを複合的に活用することで,医療,福祉機器の開発,評価技法を習得する.特に,工学者としての倫理を元に,安全性を考慮した実験計画を構築する.また,必要に応じて外部研究機関において議論などを行い,説明能力を習得させる.
注意点:
 本科5年次の卒業研究および専攻科1年次の特別研究Ⅰ並びに本科・専攻科4年間の学修を総括する科目として,担当教員の個別指導の下,より専門性の高いテーマに主体的に取り組む.成果発表は学内外の専門家を招いた発表会で行うことで外部からの意見を積極的に取り入れる.これらをまとめ論文を提出する.評価項目の全てにおいて,3点上(5点満点)で「合」と認定する.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
分野横断的能力態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3
目標の実現に向けて計画ができる。3
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。3
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3
法令やルールを遵守した行動をとれる。3
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。3
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。3
企業等における技術者・研究者等の実務を認識している。3
企業人としての責任ある仕事を進めるための基本的な行動を上げることができる。3
企業における福利厚生面や社員の価値観など多様な要素から自己の進路としての企業を判断することの重要性を認識している。3
企業には社会的責任があることを認識している。3
企業が国内外で他社(他者)とどのような関係性の中で活動しているか説明できる。3
調査、インターンシップ、共同教育等を通して地域社会・産業界の抱える課題を説明できる。3
企業活動には品質、コスト、効率、納期などの視点が重要であることを認識している。3
社会人も継続的に成長していくことが求められていることを認識している。3
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などが必要とされることを認識している。3
技術者が知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践な活動を行った事例を挙げることができる。3
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。3
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。3
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。3
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。3
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。3
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。3
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。3
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。3
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート合計
総合評価割合045004510100
基礎的能力0150015535
専門的能力0150015535
分野横断的能力0150015030