固体物性学

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 固体物性学
科目番号 0005 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 基礎固体物性 斎藤理一郎 著 朝倉書店
担当教員 土屋 賢一

到達目標

固体の物性を理解することは様々な電子デバイスの動作原理を理解するうえで重要なことである。本講は、数式を使って表現された、固体物性の理論を教科書を読みながら理解することを目標とする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安単位取得可能なレベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1結晶構造の応用事項について数式を用いて理解できる。結晶構造の応用事項について理解できる。結晶構造の基礎事項について理解できる。結晶構造について理解できない。
評価項目2エネルギーバンドの応用事項について数式を用いて理解できる。エネルギーバンドの応用事項について理解できる。エネルギーバンドの基礎事項について理解できる。エネルギーバンドについて理解できない。
評価項目3格子振動の応用事項について数式を用いて理解できる。格子振動の応用事項について理解できる。格子振動の基礎事項について理解できる。格子振動について理解できない。
評価項目4固体の電子物性の応用事項について数式を用いて理解できる。固体の電子物性の応用事項について理解できる。固体の電子物性の基礎事項について理解できる。固体の電子物性について理解できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本講においては固体の電子状態を中心に学習し、固体の構造や電気伝導に関する理解を深める。その際、現象を表現する最終式のみを暗記してもあまり意味がないので、最初に何が仮定されていたか?、最終式の導出過程はどうであったか?等についても注目して授業を進める。
授業の進め方・方法:
講義形式と輪講形式を併用して授業を進める。式の導出等も丁寧に行い、根本から現象を理解する。輪講においては、自らが問題点を見出し、説明する能力を養う。この科目は学修単位科目のため、事前・事後学習として予習・復習を行うこと。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 結晶の構造、X線構造解析 1 格子と逆格子及びデバイ・シェラー法について理解する。
2週 結晶の構造、X線構造解析 2 ブラベー格子と空間群について理解する。
3週 結晶の構造、X線構造解析 3 構造因子と形状因子について理解する。
4週 エネルギーバンド 1 エネルギーバンドの概念について理解する。
5週 エネルギーバンド 2 ブロッホの定理について理解する。
6週 エネルギーバンド 3 エネルギーバンドの計算法について理解する。
7週 エネルギーバンド 4 状態密度について理解する。
8週 格子振動 1 フォノンについて理解する。
2ndQ
9週 格子振動 2 1次元調和振動子について理解する。
10週 格子振動 3 音響ファオノン、光学フォノンについて理解する。
11週 格子振動 4 縦波、横波について理解する。
12週 固体中の電子物性 1 金属、半導体、絶縁体について理解する。
13週 固体中の電子物性 2 半金属、周期律表、元素について理解する。
14週 固体中の電子物性 3 有効質量とホール、フェルミエネルギーについて理解する。
15週 固体中の電子物性 4 自由電子、状態密度、電子比熱について理解する。
16週 レポート作成 最終提出用のレポートを作成する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野無機化学主量子数、方位量子数、磁気量子数について説明できる。5
電子殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。5
パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。5
金属結合の形成について理解できる。5
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。5
物理化学内部エネルギー、熱容量の定義と適用方法を説明できる。5

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート合計
総合評価割合00000100100
基礎的能力0000000
専門的能力00000100100
分野横断的能力0000000