生物物理化学

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 生物物理化学
科目番号 0008 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学専攻 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 Biochemistry. 8th ed. Berg J. M., TymoczkoJ. L., Gatto, G. J., Stryer L. W H Freeman & Co
担当教員 (伊藤 篤子)

到達目標

生体内外の「運動」と「力の発生」についてタンパク質レベルで説明できる。
生態膜を介した物質輸送について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安)可)未到達レベルの目安
評価項目1分子モータタンパク質について詳細に説明でき英語の文献を辞書なしで理解できる。 分子モータタンパク質について説明でき英語の文献を理解できる。子モータタンパク質について説明できる分子モータタンパク質について説明できず英語の文献も理解できない。
評価項目2生体膜を介した分子の膜輸送について理解し、詳細に説明できる。また,英語の文献を辞書なしで理解できる。 生体膜を介した分子の膜輸送について理解できる。また,英語の文献を理解できる。生体膜を介した分子の膜輸送について理解できる。生体膜を介した分子の膜輸送について理解できない。
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
熱力学と生物化学を基礎として、生体内の化学反応を物理化学的視点から理解する。特に細胞膜を介した物質の輸送と生体分子モーターに着目し、物理化学的変化と生体の機能との関連性を理解する。本授業で取り扱うこれらの現象は,その異常が様々な疾患に直結する。疾患との関連も併せて理解できるものとする。
授業の進め方・方法:
生物化学、分子生物学、生物工学などの本科における生物関連の科目を基礎とし、さらに生物現象を物理化学的な視点で解析するため、物理化学も本科目の基礎となる。これらの科目を基礎として生物物理化学反応を解析し、専攻科2年次の生物化学工学へと発展させる。疾患と基礎的な生物物理現象を関連付けたのは,担当者の企業における分析機器を用いた疾患等のバイオマーカー探索経験に基づくものである。
注意点:
期末試験は授業内の時間を使って実施する。英文の購読を含むことから,日本語の文献を用いた予習が必須である。復習として英語教科書の自学自習を行い,レジュメとしてまとめたものの提出と発表を必要とする。学習単位科目であるため、事 前・事後学習としてレポート等を実施します

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 生物物理化学概説と分子モータータンパク質の特性について 授業の範囲が理解でき、かつ分子モータータンパク質とは何かがわかる。
2週 アクチンミオシン系の運動機構について アクチンミオシン系の運動機構について説明できる
3週 キネシンダイニン系の運動機構について キネシンダイニン系の運動機構について説明できる
4週 細菌類の運動機構について 細菌類の運動機構について理解できる
5週 脂質と膜 細胞膜を構成する脂質について理解し,膜が構成される仕組みを説明できる
6週 脂質と膜とタンパク質 脂質とともに細胞膜を構成するタンパク質について理解し,脂質と共同して細胞膜を形成し,生物の重要な機能を果たすことを説明できる。
7週 生体膜を介した輸送 分子の膜輸送について理解し、膜輸送に関するギブスエネルギーを定量化できる。
8週 生体膜におけるポンプによる輸送 ポンプを介した輸送について説明できる
4thQ
9週 生体膜におけるイオンチャネルによる輸送 イオンチャネルを介した輸送について説明でき,生体における情報伝達の仕組みが説明できる。
10週 生体膜におけるイオンチャネルによる輸送 イオンチャネルを介した輸送について説明でき,生体における情報伝達の仕組みが説明できる。ポンプとチャネル以外の膜輸送について理解し,説明できる
11週 英文購読ー分子モータータンパク質の特性 基本的な細胞運動に関する英単語を学習し、英文購読かつ意味が理解できる。
12週 英文購読ーアクチンーミオシン系の運動機構 基本的なアクチンミオシン系の運動機構に関する英単語を学習し、英文購読かつ意味が理解できる。
13週 英文購読ーダイニンーキネシン系の運動機構 基本的なダイニンーキネシン系の運動機構に関する英単語を学習し、英文購読かつ意味が理解できる。
14週 英文購読ー細菌の運動機構について 基本的な細菌類の運動機構に関する英単語を学習し、英文購読かつ意味が理解できる。
15週 期末試験
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野物理化学熱力学の第二・第三法則の定義と適用方法を説明できる。5後7,後8,後9,後10
化合物の標準生成自由エネルギーを計算できる。5後7,後8,後9,後10
反応における自由エネルギー変化より、平衡定数・組成を計算できる。5後7,後8,後9,後10
生物化学トリアシルグリセロールの構造を説明できる。脂肪酸の構造を説明できる。5後5,後6
リン脂質が作るミセル、脂質二重層について説明でき、生体膜の化学的性質を説明できる。5後5,後6
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。5後1,後2,後3,後4,後6,後11,後12,後13,後14

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート合計
総合評価割合72000028100
基礎的能力5200001971
専門的能力150000924
分野横断的能力5000005