移動速度論

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 移動速度論
科目番号 0012 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学専攻 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 斎藤恭一著:道具としての微分方程式、講談社
担当教員 庄司 良

到達目標

化学工学の根幹である移動速度論を、基礎方程式の導出から様々な現象への応用まで丁寧に学習する。
物質、熱、運動量の移動が勾配に比例し、それらの移動現象は同形の基礎方程式により表現できることを理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
物質収支物質収支式を解き、解を得ること物質収支式が立式できること物質収支を構成する項がわかること物質収支が理解できないこと
移動現象熱、物質、運動量の移動が理解できること熱、物質、運動量の移動の基礎式が理解できること物質や熱や運動量の移動の法則の意味が分かること基本的な法則が理解できないこと
単位と無次元数無次元数の持つ物理的意味を理解できること次元解析ができること次元という概念が理解できること無次元数が無次元であることが理解できないこと

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標 C4 説明 閉じる
学習・教育目標 C6 説明 閉じる

教育方法等

概要:
物理、化学、生物に関する現象を法則化し、方程式を用いて表現する工学的手法の一つである。物質生産における予測と制御の基礎をなす学問として位置づけられる。
授業の進め方・方法:
試験と演習で評価する。「教科書で取り上げられている現象の収支式をたてることができ、これを解いて代表的な解析解を導くことができる。」ことを基準とする。事前・事後学習としてレポート等を実施します
注意点:
学習の前提として化学工学の知識が必要である。微分・積分の内容を理解していること。この講義は学修単位科目なので予習と復習が前提となっている。十分な演習時間が授業時間内では確保できないため、予習、復習課題を課すことがある。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 移動速度論とは何か 移動速度論の誕生とこれによる現象の捉え方を学ぶ
2週 物質、熱、運動量の収支とアナロジー 異なる現象が同形の式で表現できることを学ぶ
3週 各種座標系による収支式の導出 基礎方程式の導き方を学ぶ
4週 微分・積分の工学的使い方 微分・積分の復習
5週 二酸化炭素がアルカリ溶液に溶け込む現象の解析 微分方程式の解法に習熟する
6週 多孔性触媒粒子における反応と拡散 反応律速と拡散律速の意味を理解する
7週 場所によって、時間によって量が変化する現象の解析 物質、熱、運動量の式の形を学ぶ
8週 ラプラス変換の基礎 簡単なラプラス変換ができること
4thQ
9週 ラプラス変換を使った微分方程式の解法 誤差関数を用いた解の意味を学ぶ
10週 活性炭吸着反応 収支式の導き方を学ぶ
11週 活性炭吸着反応 収支式の導き方を学ぶ
12週 固体中の熱伝導 定常および非定常熱伝導の違いを学ぶ
13週 静止媒体中の物質移動 フィックの法則により拡散現象を理解する
14週 無次元数 無次元数の物理的意味と有用性を学ぶ
15週 まとめと様々な現象への応用 実際の問題に応用する手順を確認する
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野化学工学SI単位への単位換算ができる。5
物質の流れと物質収支についての計算ができる。5
化学反応を伴う場合と伴わない場合のプロセスの物質収支の計算ができる。5
流れの物質収支の計算ができる。5
流れのエネルギー収支やエネルギー損失の計算ができる。5
バッチ式と連続式反応装置について特徴や用途を理解できる。5

評価割合

試験小テスト合計
総合評価割合8020100
基礎的能力401050
専門的能力20525
分野横断的能力20525