線形空間論

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 線形空間論
科目番号 0017 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 Linear Algebra (Serge Lang 著・Springer) 東京大学工学教程 フーリエ・ラプラス解析(加藤雄介、求幸年著・丸善出版)
担当教員 井口 雄紀

到達目標

1.線形空間の基底と次元の概念を理解し、計算できる
2.内積空間、とくに直交の概念を理解し、計算できる
3.フーリエ解析の概念を理解し、計算ができる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
線形空間関数がなす空間の基底と次元を計算できる線形写像の像と核の基底と次元が計算できるユークリッド空間における部分空間の基底と次元が計算できる部分空間の基底と次元が計算できない
内積空間直交多項式を計算できるグラムシュミットの正規直交化法が使えるベクトル同士の内積を計算できるベクトル同士の内積を計算できない
フーリエ解析超関数をフーリエ変換できる複素解析を用いてフーリエ変換が計算できるフーリエ変換が計算できるフーリエ変換が計算できない

学科の到達目標項目との関係

JABEE (c) 説明 閉じる
学習・教育目標 C1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本科で触れる機会が少なかった線形(ベクトル)空間について学ぶ。講義で使うテキストは英語で書かれており、自然科学における英語の表現に触れる良い機会となるだろう。ベクトル空間を具体例を通し、直感的に理解すること、とくに基底と次元の計算が出来るようになることが目標である。後半は、フーリエ解析について述べる.
授業の進め方・方法:
講義はできるだけ具体例を示すよう心掛けるが、自ら手を動かして理解して欲しいので、講義ででてくる簡単な計算をレポートとして課すことがある。
注意点:
本科3年までに学んだ数学、特に線形代数の知識を前提とする。フーリエ解析を理解するため、微分積分の基礎知識を必要とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
n次元空間
n次元とは何かを理解する
2週 抽象ベクトル空間の定義と具体例 ベクトル空間の具体例を挙げることができる
3週 部分空間および基底と次元
線形写像の定義と性質
ベクトル空間の基底と次元を求めることができる
線形写像の定義と性質を説明できる
4週 線形写像の像と核 線形写像の像と核の基底と次元を計算できる
5週 ベクトル空間における内積の定義 ベクトル空間における内積の意義を知る
内積を計算できる
6週 関数空間における内積の具体例 関数空間上で内積を計算できる
7週 周期関数のフーリエ級数展開 周期関数をフーリエ級数展開できる
8週 グラム・シュミットの正規直交化法 グラム・シュミットの直交化法を用いて、様々な直交多項式を計算できる
2ndQ
9週 直交多項式による関数の級数展開 ルジャンドル多項式による級数展開ができる
10週 フーリエ変換の定義と計算 フーリエ変換が計算できる
11週 逆フーリエ変換とフーリエの積分定理 フーリエの積分定理を用いてフーリエ逆変換が計算できる
12週 複素解析を用いたフーリエ変換の計算 複素解析を用いてフーリエ変換が計算できる
13週 たたみこみ積分と超関数のフーリエ変換 超関数のフーリエ変換が計算できる
14週 高速フーリエ変換(FFT)のアルゴリズム FFTアルゴリズムの仕組みを理解できる
15週 期末試験
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。3
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。3
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。3
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。3
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。3
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。3
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。3
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。3
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。3
簡単な場合について、関数の極限を求めることができる。3
微分係数の意味や、導関数の定義を理解し、導関数を求めることができる。3
積・商の導関数の公式を用いて、導関数を求めることがができる。3
合成関数の導関数を求めることができる。3
三角関数・指数関数・対数関数の導関数を求めることができる。3
逆三角関数を理解し、逆三角関数の導関数を求めることができる。3
関数の増減表を書いて、極値を求め、グラフの概形をかくことができる。3
極値を利用して、関数の最大値・最小値を求めることができる。3
簡単な場合について、関数の接線の方程式を求めることができる。3
2次の導関数を利用して、グラフの凹凸を調べることができる。3
関数の媒介変数表示を理解し、媒介変数を利用して、その導関数を求めることができる。3
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。3
置換積分および部分積分を用いて、不定積分や定積分を求めることができる。3
定積分の定義と微積分の基本定理を理解し、簡単な定積分を求めることができる。3
分数関数・無理関数・三角関数・指数関数・対数関数の不定積分・定積分を求めることができる。3
2重積分の定義を理解し、簡単な2重積分を累次積分に直して求めることができる。3
極座標に変換することによって2重積分を求めることができる。3
微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。3
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。3
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。3
簡単な1変数関数の局所的な1次近似式を求めることができる。3
1変数関数のテイラー展開を理解し、基本的な関数のマクローリン展開を求めることができる。3

評価割合

試験レポート相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合75250000100
基礎的能力75250000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000