実験物理

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 実験物理
科目番号 0020 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質工学専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材 特になし 必要に応じてプリント等を配布する
担当教員 大野 秀樹

到達目標

この授業(実験)を通じて、現象の物理的な見方、考え方を身につけて自然現象を系統的、論理的に考えていく力を養っていく。本授業では、放射能・放射線に関する分野の学びについて、次のような到達目標を設定する。
【1】放射能と放射線を区別して説明できる。崩壊形式とα線、β線、γ線の特長を説明できる。また、放射能の半減期や平均寿命等の計算が出来る。
【2】放射線と物質の相互作用について、放射線種による違い現象の概要を説明できる。また、原子核反応についても説明でき、それに関する計算ができる。
【3】放射線の取り扱いに注意して安全に実験(放射線計測)を行うことができる。取得したデータの解析を行い、考察してレポートを作成できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1放射能と放射線を区別して説明できる。崩壊形式とα線、β線、γ線の特長を説明できる。また、放射能の半減期等の計算が出来る。放射能と放射線を区別して説明できる。崩壊形式とα線、β線、γ線の特長を説明できる。放射能と放射線を区別して説明できない。崩壊形式とα線、β線、γ線の特長を説明でできない。
評価項目2放射線と物質の相互作用について、放射線種による違い概要を説明できる。また、原子核反応についても説明でき、それに関する計算が出来る。放射線と物質の相互作用について、放射線種による違い概要を説明できる。また、原子核反応についても説明できる。放射線と物質の相互作用について、放射線種による違い概要を説明できない。また、原子核反応についても説明できない。
評価項目3放射線の取り扱いに注意して安全に実験を行うことができる。取得したデータの解析を行い、考察してレポートを作成できる。放射線の取り扱いに注意して安全に実験を行うことができる。取得したデータの解析を行い、その結果をもとにレポートを作成できる。放射線の取り扱いに注意して安全に実験を行うことができるが、取得したデータの解析を行い、その結果をもとにレポートを作成できない。

学科の到達目標項目との関係

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学習・教育目標 C5 説明 閉じる

教育方法等

概要:
放射能・放射線についての基本的事項を実験を行いながら理解していく。実験を通してデータの取り扱いについて基本的な事を学ぶ。原子力発電問題などこれからのエネルギーや環境問題を考えるとき、放射能・放射線について正しく理解し、考えることができるようになることが目標である。
授業の進め方・方法:
おもに講義形式でおこなう。2テーマの実験を予定をしている。実験後には、レポートを提出すること。
注意点:
評価割合の項目別では、それぞれ以下の評価が行われる。
「試験」は1回行われる期末試験の成績である。
「ポートフォリオ」はレポートの成績である。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
日常生活における放射能と放射線
身近にある放射能、放射線についてその存在を知ること。放射線利用におけるメリットとデメリットを考えることができる。
2週 放射能と放射線① 放射能の強さ、半減期、平均寿命、崩壊定数放射平衡について理解する。
3週 大数の法則の実験 放射性物質の崩壊をモデル化して、その確立・統計的な考えを理解する。
4週 特殊相対性理論と核エネルギー、原子力② 等価原理、光速度不変の原理、ファインマン時計、ローレンツ収縮、ローレンツ変換の概要が理解できる。
5週 特殊相対性理論と核エネルギー、原子力① 特殊相対論から質量とエネルギーが等価であることを説明できる。核分裂と核融合についてその概要を説明できる。
6週 放射能と放射線② α崩壊とα線、β崩壊とβ線についてその概要を説明できる。
7週 放射能と放射線③ X線とγ線の発生機構について、その概要を説明できる。
8週 放射線計測実験① 3週にわたり放射性物質【Sr/Y】を用いた放射線計測実験を行う。吸収係数、崩壊率、計数の統計的変動について調べる。
2ndQ
9週 放射線計測実験② 実験のつづき
10週 放射線計測実験③ 実験のつづき
11週 放射線と物質の相互作用① β線と物質の相互作用について、その概要を説明できる。
12週 放射線と物質の相互作用② α線と物質の相互作用について、その概要を説明できる。
13週 放射線と物質の相互作用③ γ線、X線と物質の相互作用について、その概要を説明できる。
14週 試験
15週 本科目のまとめ 期末試験の解説、本授業のまとめ
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度課題その他合計
総合評価割合75000250100
基礎的能力75000250100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000