到達目標
前半は、固体の関与する無機反応に関して学習する。後半は、固体無機化合物が示す特性(物性)、例えば磁性、電
気導電性、圧電性および薄膜材料の特長などについて学習する。固体の関与する化学反応、固体物性の基礎を理解
し、身につけることが本教科の目的。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 最低限の到達レベルの目安(可) | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 基本的な点欠陥を図を用いて説明できる。 | 点欠陥の種類について十分に理解している。 | 点欠陥の種類について理解している。 | 本的な点欠陥について十分な説明ができない。 |
評価項目2 | 電気導電率の温度変化から活性化エネルギーを計算できる。 | 電気導電率の機構と活性化エネルギーの求め方を理解し、活用できる。 | 電気導電率の機構と活性化エネルギーの求め方を理解している。 | 電気導電率の温度変化から活性化エネルギーを計算できない。 |
評価項目3 | セラミックスの焼結現象を図を用いて説明できる。 | セラミックスの焼結現象を理解し、基本的に説明できる。 | セラミックスの焼結現象を理解し説明できる。 | セラミックスの焼結現象を説明できない。 |
評価項目4 | 微粒子の特長を十分説明できる。 | 微粒子の基本的な特長を十分に説明できる。 | 微粒子の基本的な特長を説明できる。 | 微粒子の特長を十分説明できない。 |
評価項目5 | 電磁気学の基本的な単位を理解し、磁性材料の種類を説明できる。 | 磁性材料の種類を十分に説明できる。 | 磁性材料の種類を説明できる。 | 電磁気学の基本的な単位の理解が不十分で、磁性材料の種類を説明できない。 |
評価項目6 | 真空を表す単位、真空の特徴を正確に説明できる。 | 真空に関して、十分に説明できる。 | 真空の単位、特徴をおおむね理解している。 | 真空について十分に説明できない。 |
評価項目7 | 薄膜の基本的な製造プロセスを十分理解している。 | 薄膜の基本的な製造プロセスを簡単に説明できる。 | 薄膜の基本的な製造プロセスをある程度話せる。 | 薄膜の基本的な製造プロセスを十分理解していない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
企業での無機材料の研究開発の経験を活かし、(1)特徴のある固体の関与する無機反応を理解し、(2)固体物性に関して理論的理解と応用例を学習する。
本講義は本科の無機化学をさらに固体に絞って学習する。
授業の進め方・方法:
講義と実際の電子部品などを使ったデモ実験を行う。また、この科目は学修単位科目のため、事前・事後学習として予習・復習を行うこと。
無機化学の工業上の応用例としては、実際に企業で研究していた焼結体、磁性材料および薄膜技術を活用して授業を行う。
注意点:
本科目は、予習・復習等の自学自習で効果が向上するので、必ず心がけること。自学自習の習慣を身に着けること。
基本的な無機化学を事前に十分学習しておく必要がある。
授業計画
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス |
これから学ぶ固体無機化学の流れを学ぶ。
|
2週 |
格子欠陥(1) |
基本的な点欠陥を説明できる。
|
3週 |
格子欠陥(2) |
欠陥の生成を説明できる。
|
4週 |
導電率 |
電気導電率の測定の意義、測定方法を説明できる。
|
5週 |
活性化エネルギー |
電気導電率の温度変化から活性化エネルギーを求められる。
|
6週 |
トポタキシーと核成長 |
無機化合物の形骸について説明できる。
|
7週 |
焼結現象 |
セラミックスの焼結現象に関して説明できる。
|
8週 |
中間試験 |
今までに学んだことの整理を行う。
|
2ndQ |
9週 |
微粒子 |
微粒子が持つ特徴を理解し、説明できる。
|
10週 |
磁性材料 |
ハードとソフトの磁性について理解し、説明できる。電磁気学の基本的な単位および磁気記録について説明できる。
|
11週 |
電子材料(1) |
圧電と焦電効果について説明できる。
|
12週 |
電子材料(2) |
結晶構造に伴う電気特性について説明できる。
|
13週 |
真空技術 |
真空のレベルを表す単位および真空の特徴を説明できる。
|
14週 |
薄膜材料 |
真空技術を利用した、薄膜の製造方法と薄膜の特長について説明できる。
|
15週 |
まとめ |
固体無機化学のこれまでの学習を整理する。
|
16週 |
|
|
モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 材料系分野 | 材料物性 | 不純物半導体のエネルギーバンドと不純物準位を描き、伝導機構について説明できる。 | 5 | |
真性半導体の伝導機構について説明できる。 | 5 | 前1 |
無機材料 | セラミックス、金属材料、炭素材料、複合材料等、無機材料の用途・製法・構造等について説明できる。 | 5 | |
単結晶化、焼結、薄膜化、微粒子化、多孔質化などに必要な材料合成法について説明できる。 | 5 | |
電気・電子系分野 | 電磁気 | 電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。 | 5 | |
誘電体と分極及び電束密度を説明できる。 | 5 | |
磁性体と磁化及び磁束密度を説明できる。 | 5 | |
磁気エネルギーを説明できる。 | 5 | |
電子工学 | 結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。 | 5 | |
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。 | 5 | |
真性半導体と不純物半導体を説明できる。 | 5 | |
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。 | 5 | |
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。 | 5 | |
化学・生物系分野 | 無機化学 | 金属結合の形成について理解できる。 | 5 | |
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。 | 5 | |
代表的な錯体の性質(色、磁性等)を説明できる。 | 5 | |
物理化学 | エンタルピーの定義と適用方法を説明できる。 | 5 | |
平衡の記述(質量作用の法則)を説明できる。 | 5 | |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 100 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 100 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |