生物化学工学(2022年度以降入学生・2021年度以前入学生用科目)

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 生物化学工学(2022年度以降入学生・2021年度以前入学生用科目)
科目番号 0047 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学専攻 対象学年 専2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 岸本通雅,堀内淳一,藤原伸介著「新生物化学工学」三京出版
担当教員 庄司 良

到達目標

生物化学工学は生物学と化学工学の橋渡しの役を担っている.生物反応を産業規模で行わせるための技術を生物化学工学の講義を通じて,理解すること。
【ディプロマ・ポリシー及びSDGsとの関係】ディプロマ・ポリシー:(1), (2), (3),SDGs:1,2,4,6,7,9,12,14,15

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
培養方法管型と槽型の違いの理解回分と半回分の違いの理解回分と連続の違いの理解いろいろな種類があることがわからない
物質収支物質収支式を解くことができる生物工学に必要な物質収支式が理解できる物質収支式が立てられる物質収支式が立てられない
生物の維持の方法生物一個体あたりの概念が理解できること生物の維持に必要なパラメータを考えることができること温度やpH、浸透圧の重要性が理解できること温度やpHの重要性が理解できないこと

学科の到達目標項目との関係

学習・教育目標 C2 説明 閉じる
学習・教育目標 C4 説明 閉じる
学習・教育目標 C6 説明 閉じる
学習・教育目標 D5 説明 閉じる

教育方法等

概要:
生物物理化学を基礎とする。生物反応を工業レベルで実践しようとする場合,化学工学的な切り口から生物反応を考察する必要が出てくる.この講義では生物を工学的に利用するための基礎と考え方を学ぶ.
授業の進め方・方法:
反応工学が本講義の基礎となる.生物化学工学の中心課題は細胞レベルでの反応の制御である.生物学の基礎的知識はもとより,化学工学の素養を身につけている事を前提とする.事前・事後学習としてレポート等を実施します
注意点:
生物化学反応の反応速度論を理解すること。ミカエリスメンテン反応速度式を状況に応じて式変形させて、データを解析する手法を理解すること。
本科目は学修単位科目なので予習復習が前提になる。適宜レポート課題を課すことになるので、十分な自学自習の時間を確保して授業に臨むようにしてください。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 生物化学工学とは 生物化学工学の緒論として,講義の目的と理解の目標を明示する.発酵工学から生物工学までの発展を理解する。
2週 微生物の特性と代謝 微生物の種類と性質,増殖の機構,環境変化による影響
3週 微生物の特性と代謝 エネルギー代謝経路を理解する。
4週 生物化学反応速度論 生物化学反応の反応速度論を徹底的に理解する.
5週 生物化学反応速度論 Monod式の理解,物質収支式の導
出を理解する。
6週 酵素反応速度論 酵素反応速度論について、まず酵素反応の特徴、ミカエリスメンテン式の理解、Monod式との類似点
7週 酵素反応速度論 定常状態近似法、ミカエリスメンテン式の導出などの点を理解する。
8週 速度論に対する平衡論 基礎となる法則を理解すること
4thQ
9週 速度論に対する平衡論 速度論と平衡論の違いについて考察し、各種生物反応を大まかに分類分けする。
10週 連続培養 多槽式連続培養,非定常連続培養の物質収支式を導出手法の理解
11週 連続培養 回分培養と連続培養の比較を定量的に行う手法を理解する。
12週 通気 物質移動特に拡散移動を理解し,酸素の供給量を算出する手法を理解する.
13週 通気 シーレのモジュラスを利用して、生物体内部における酸素の分配量を概算する。
14週 生物化学工学に関する実験と解析(生物処理プロセスなど) 生物処理プロセスの進行をCODで評価し時間変化を解析するシミュレーションを実施する
15週 まとめ 化学工学的切り口からの生物工学、今後の見通し。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野化学工学SI単位への単位換算ができる。5
物質の流れと物質収支についての計算ができる。5
バッチ式と連続式反応装置について特徴や用途を理解できる。5
生物工学原核微生物の種類と特徴について説明できる。5
微生物の増殖(増殖曲線)について説明できる。5
微生物の育種方法について説明できる。5
微生物の培養方法について説明でき、安全対策についても説明できる。5
アルコール発酵について説明でき、その醸造への利用について説明できる。5
食品加工と微生物の関係について説明できる。5
抗生物質や生理活性物質の例を挙げ、微生物を用いたそれらの生産方法について説明できる。5
微生物を用いた廃水処理・バイオレメディエーションについて説明できる。5

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合8020100
基礎的能力401050
専門的能力20525
分野横断的能力20525