無機固体の分類や分析方法をまず学ぶ.続いて無機固体の化学結合,バンド構造などの電子状態について学ぶ.また,格子の歪や欠陥の影響,表面などについても学習する.幅の広い固体化学に関する知識について教養を深めることを目的とし,それらの知識を将来の研究開発の役に立てることを目標とする.
概要:
企業での材料の研究開発の経験を活かし,固体の電子構造と化学について学習する.
授業の進め方・方法:
この科目は輪講形式で行う.このため予習・復習のうえで講義を受ける必要がある.また,学習単位であることからも予習・復習は必須となる.
授業の後半では文献調査と発表を行う.
注意点:
本科目は,予習・復習等の自学自習で効果が向上するので,必ず実施すること.自学自習の習慣を身に着けること.
基本的な無機化学を事前に十分学習しておく必要がある.
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 材料系分野 | 材料物性 | 不純物半導体のエネルギーバンドと不純物準位を描き、伝導機構について説明できる。 | 5 | |
真性半導体の伝導機構について説明できる。 | 5 | 前1 |
電気・電子系分野 | 電磁気 | 電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。 | 5 | |
導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。 | 5 | |
誘電体と分極及び電束密度を説明できる。 | 5 | |
電子工学 | 結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。 | 5 | |
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。 | 5 | |
真性半導体と不純物半導体を説明できる。 | 5 | |
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。 | 5 | |
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。 | 5 | |
化学・生物系分野 | 無機化学 | 価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。 | 5 | |
イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度について説明できる。 | 5 | |
イオン結合と共有結合について説明できる。 | 5 | |
金属結合の形成について理解できる。 | 5 | |
代表的な分子に関して、原子価結合法(VB法)や分子軌道法(MO法)から共有結合を説明できる。 | 5 | |
電子配置から混成軌道の形成について説明することができる。 | 5 | |
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。 | 5 | |
配位結合の形成について説明できる。 | 5 | |
配位数と構造について説明できる。 | 5 | |
代表的な錯体の性質(色、磁性等)を説明できる。 | 5 | |