無機固体化学

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 無機固体化学
科目番号 0048 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学専攻 対象学年 専2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 P. A. Cox「固体の電子鋼構造と化学」魚崎浩平ほか訳,技報堂出版(1989)
担当教員 井手 智仁

到達目標

無機固体の分類や分析方法をまず学ぶ.続いて無機固体の化学結合,バンド構造などの電子状態について学ぶ.また,格子の歪や欠陥の影響,表面などについても学習する.幅の広い固体化学に関する知識について教養を深めることを目的とし,それらの知識を将来の研究開発の役に立てることを目標とする.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
固体の分類と分析固体の分類や分析法について詳細に説明できる.固体の分類や分析法について簡潔に説明できる.固体の分類や分析法について知っている.固体の分類や分析法を知らない.
固体の化学構造やバンド構造固体の化学結合やバンド構造について詳細に説明できる.固体の化学結合やバンド構造について簡潔に説明できる.固体の化学結合やバンド構造について知っている.固体の化学結合やバンド構造を知らない.
格子歪や欠陥,表面格子の歪や欠陥,表面が物性に与える影響を説明できる.格子の歪や欠陥,表面などについて説明できる.格子の歪や欠陥,表面などについて知っている.格子の歪や欠陥,表面などを知らない.
無機固体に関する調査発表無機固体に関する文献を調査した結果を明瞭に説明できる.無機固体に関する文献を調査した結果を簡潔に説明できる.無機固体に関する文献を調査した結果をまとめることができる.無機固体に関する文献を調査した結果をまとめることができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
企業での材料の研究開発の経験を活かし,固体の電子構造と化学について学習する.
授業の進め方・方法:
この科目は輪講形式で行う.このため予習・復習のうえで講義を受ける必要がある.また,学習単位であることからも予習・復習は必須となる.
授業の後半では文献調査と発表を行う.
注意点:
本科目は,予習・復習等の自学自習で効果が向上するので,必ず実施すること.自学自習の習慣を身に着けること.
基本的な無機化学を事前に十分学習しておく必要がある.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 固体の分類と電子状態 固体の化学的分類や電子状態を説明できる.
2週 固体の分光学 固体の分析に使用される分光法を説明できる。
3週 固体の化学結合1 イオン固体や共有固体の化学結合について説明できる.
4週 固体の化学結合2 金属や遷移金属化合物の化学結合について説明できる.
5週 バンド理論の初歩(1) バンド構造について説明ができる.
6週 バンド理論の初歩(2) バンド構造について説明ができる.
7週 固体内での電子反発 電子反発の効果について説明できる.
8週 格子の歪み 格子の歪みについて説明できる.
2ndQ
9週 欠陥と不純物(1) 欠陥の種類と分類,その影響を説明できる.
10週 欠陥と不純物(2) 欠陥の種類と分類,その影響を説明できる.
11週 励起状態や表面 励起状態や表面について説明できる.
12週 無機固体に関する文献調査 無機固体に関する論文を調査し,興味のあるものについて精読する.
13週 発表資料作成 無機固体に関する論文を精読結果をまとめ,スライドとレジュメを作成する.
14週 調査結果の発表 無機固体に関する論文を調査結果を発表する.
15週 まとめ 無機固体化学のこれまでの学習を整理する.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学材料系分野材料物性不純物半導体のエネルギーバンドと不純物準位を描き、伝導機構について説明できる。5
真性半導体の伝導機構について説明できる。5前1
電気・電子系分野電磁気電荷及びクーロンの法則を説明でき、点電荷に働く力等を計算できる。5
導体の性質を説明でき、導体表面の電荷密度や電界などを計算できる。5
誘電体と分極及び電束密度を説明できる。5
電子工学結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。5
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。5
真性半導体と不純物半導体を説明できる。5
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。5
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。5
化学・生物系分野無機化学価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。5
イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度について説明できる。5
イオン結合と共有結合について説明できる。5
金属結合の形成について理解できる。5
代表的な分子に関して、原子価結合法(VB法)や分子軌道法(MO法)から共有結合を説明できる。5
電子配置から混成軌道の形成について説明することができる。5
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。5
配位結合の形成について説明できる。5
配位数と構造について説明できる。5
代表的な錯体の性質(色、磁性等)を説明できる。5

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合60400000100
基礎的能力0000000
専門的能力60400000100
分野横断的能力0000000