機器分析(2022年度以降入学生用科目)

科目基礎情報

学校 東京工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 機器分析(2022年度以降入学生用科目)
科目番号 0053 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 物質工学専攻 対象学年 専2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 授業担当教員が配布する資料を用いる
担当教員 伊藤 未希雄,山本 祥正

到達目標

物質工学分野の材料開発研究において、必須の技術である物質の化学的な機器分析に共通の理論、およびいくつかの個別の測定法の概要を理解し、実践できる能力を身に付ける。測定法の正しい理解と使用法を身に付け、持続可能な社会の実現のためのエネルギーやインフラの材料生産に活用できるようにする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(A評価)標準的な到達レベルの目安(B評価)最低限の到達レベルの目安(C評価)未到達レベルの目安(D評価)
分析技術の基礎目的に応じて平滑化、ピーク分離や差分の計算などの適切なスペクトルデータの処理を行い情報を抽出できる。部分的にスペクトルデータの処理ができ情報の抽出ができる。スペクトルデータの処理ができるが、それにより得られる情報の意味を理解していない。スペクトルデータの処理ができない。
振動分光法分子の振動の様子を数式により表すことができる。選択率を用いて赤外・ラマン活性を議論できる。振動回転スペクトルから分子の回転運動の様子を説明できる。分子の振動の様子を数式により表すことができる。選択率を用いて赤外・ラマン活性を議論できる。選択率を用いて赤外・ラマン活性を議論できる。選択率を用いた赤外・ラマン活性の議論ができない。
結晶の構造とX線構造解析X線回折パターン読み取り結晶構造を推定できる。逆に結晶構造から回折パターンを推定できる。結晶面をミラー指数を用いて表すことができる。様々な結晶格子を図示したり結晶格子の図からその格子が何かを説明できる。結晶格子の説明ができない。
クロマトグラフィー分配現象の説明やチャートの読み取り、カラムに必要な要素などを説明できる。チャートの読み取り、カラムに必要な要素などを説明できる。カラムに必要な要素などを説明できる。クロマトカラムに必要な要素を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
物質工学分野の研究開発において各種の材料分析・計測技術は必須のツールである。
正しい計測とデータの利用のためにはそのバックグラウンドにある原理の理解が必要不可欠である。
本授業では計測とそれに関連する現象の基礎や機器の原理、実験法について学習し理解することを目的とする。
初めに主に分光法に共通する事項を説明し、その後個別の分析手法の原理と利用方法を学習していく。
授業の進め方・方法:
座学の講義を基本とし、データ処理の作業や文献調査、実験を合わせて実施する。
また授業内容に関連した課題を課し、それらの取り組み状況を総合的に判断して成績評価を行う。
注意点:
この科目は学修単位科目のため、授業時間での学習内容に合わせた事前・事後学習として予習・復習を行うことが重要である。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 赤外分光法および関連する分光法 (1) Lambert - Beer則を復習した後、分子振動がどのように定式化されるかを説明できる。
2週 赤外分光法および関連する分光法 (2) 赤外分光法と関連する分光法の特徴や違いについて説明できるようになる。
3週 赤外分光法および関連する分光法 (3) 応用的な赤外分光法の特徴を説明でき、データから情報を読み取れるようになる。
4週 X線回折 (1) 任意の単位格子の指数面を図示できる。
Braggの法則を利用して任意の結晶の任意の指数面からの回折角を計算できる。
5週 X線回折 (2) fccやbccなどの結晶からのX線回折ピークの消滅則を説明できる。
6週 光電子分光法 (1) 光電子分光法の原理を説明できる。
7週 光電子分光法 (2) 光電子スペクトル(主にX線光電子スペクトル)を読み取ることができる。
8週 発表 これまでの学習内容に関する課題について調査した結果をプレゼンテーションする。
4thQ
9週 分析機器の調査およびデータベースの使い方 特別研究で使用している分析機器の特徴を捉え、データベースの使い方を習得する。
10週 質量分析 原理、試料調製、解析方法を習得する。
11週 質量分析 原理、試料調製、解析方法を習得する。
12週 赤外吸収スペクトル分析 試料調製、解析方法を習得する。
13週 赤外吸収スペクトル分析 試料調製、解析方法を習得する。
14週 核磁気共鳴スペクトル分析 原理、試料調製、解析方法を習得する。
15週 核磁気共鳴スペクトル分析 原理、試料調製、解析方法を習得する。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験レポート発表・実習 合計
総合評価割合403030100
基礎的能力0000
専門的能力403030100
分野横断的能力0000