到達目標
物質工学分野の材料開発研究において、必須の技術である物質の化学的な機器分析に共通の理論、およびいくつかの個別の測定法の概要を理解し、実践できる能力を身に付ける。測定法の正しい理解と使用法を身に付け、持続可能な社会の実現のためのエネルギーやインフラの材料生産に活用できるようにする。
【ディプロマ・ポリシー及びSDGsとの関係】ディプロマ・ポリシー:(2), (3), SDGs:7, 9
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安(A評価) | 標準的な到達レベルの目安(B評価) | 最低限の到達レベルの目安(C評価) | 未到達レベルの目安(D評価) |
分析技術の基礎 | 目的に応じて平滑化、ピーク分離や差分の計算などの適切なスペクトルデータの処理を行い情報を抽出できる。 | 部分的にスペクトルデータの処理ができ情報の抽出ができる。 | スペクトルデータの処理ができるが、それにより得られる情報の意味を理解していない。 | スペクトルデータの処理ができない。 |
振動分光法 | 分子の振動の様子を数式により表すことができる。選択率を用いて赤外・ラマン活性を議論できる。振動回転スペクトルから分子の回転運動の様子を説明できる。 | 分子の振動の様子を数式により表すことができる。選択率を用いて赤外・ラマン活性を議論できる。 | 選択率を用いて赤外・ラマン活性を議論できる。 | 選択率を用いた赤外・ラマン活性の議論ができない。 |
結晶の構造とX線構造解析 | X線回折パターン読み取り結晶構造を推定できる。逆に結晶構造から回折パターンを推定できる。 | 結晶面をミラー指数を用いて表すことができる。 | 様々な結晶格子を図示したり結晶格子の図からその格子が何かを説明できる。 | 結晶格子の説明ができない。 |
質量分析 | 質量分析法の原理を理解し、正確にデータ解析できる。 | 質量分析のデータを正確に解析できる。 | 質量分析のデータを解析できる。 | 質量分析のデータを解析できない。 |
赤外分光法 | 赤外分光法の原理を理解し、正確にデータ解析できる。 | 赤外分光法のデータを正確に解析できる。 | 赤外分光法のデータを解析できる。 | 赤外分光法のデータを解析できない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
物質工学分野の研究開発において各種の材料分析・計測技術は必須のツールである。
正しい計測とデータの利用のためにはそのバックグラウンドにある原理の理解が必要不可欠である。
本授業では計測とそれに関連する現象の基礎や機器の原理、実験法について学習し理解することを目的とする。
初めに主に分光法に共通する事項を説明し、その後個別の分析手法の原理と利用方法を学習していく。
授業の進め方・方法:
座学の講義を基本とし、データ処理の作業や文献調査、実験を合わせて実施する。
また授業内容に関連した課題を課し、それらの取り組み状況を総合的に判断して成績評価を行う。
注意点:
この科目は学修単位科目のため、授業時間での学習内容に合わせた事前・事後学習として予習・復習を行うことが重要である。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
データ処理等の基本事項 1 定量分析の基礎 |
Lambert - Beer則を復習した後、適用の際の注意点と限界、および問題の回避方法などについて説明することができる。
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2週 |
データ処理等の基本事項 2 スペクトルデータの処理 |
様々な測定のスペクトルデータに対して平滑化、差スペクトル法によるデータ処理、波形分離などの手法が扱えるようになる。
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3週 |
データ処理等の基本事項 3 データ処理の実習 |
前週までの知識を実際のデータの解析に適用し、実験データから様々な情報を引き出せる。
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4週 |
振動分光法 1 分子振動、選択率、非調和性 |
分子振動の様子を式を使って表すことができる。 選択率から振動の赤外およびラマン活性を推定することができる。 振動の非調和性により生じる現象を説明できる。
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5週 |
振動分光法 2 振動回転スペクトル |
振動回転スペクトルから分子の回転移運動に関する情報を読み取ることができる。
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6週 |
振動分光法 3 表面分析への適用 |
振動分光法を表面分析へ適用する方法を説明することができる。 その他の表面分析の方法とそれぞれの特徴を説明することができる。
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7週 |
光学素子 |
プリズム・回折格子・各種光学フィルター等の原理を説明できる。
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8週 |
光化学・分光学に使われる光源 |
様々な光源の名称とその特徴を説明できる。
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4thQ |
9週 |
分析機器の調査およびデータベースの使い方 |
特別研究で使用している分析機器の特徴を捉え、データベースの使い方を習得する。
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10週 |
質量分析 |
原理、試料調製、解析方法を習得する。
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11週 |
質量分析 |
原理、試料調製、解析方法を習得する。
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12週 |
赤外吸収スペクトル分析 |
試料調製、解析方法を習得する。
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13週 |
赤外吸収スペクトル分析 |
試料調製、解析方法を習得する。
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14週 |
核磁気共鳴スペクトル分析 |
原理、試料調製、解析方法を習得する。
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15週 |
核磁気共鳴スペクトル分析 |
原理、試料調製、解析方法を習得する。
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 試験 | レポート | 発表・実習 | 合計 |
総合評価割合 | 40 | 30 | 30 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 40 | 30 | 30 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 |