この科目は長岡高専の教育目標の(C)と主体的に関わる。この科目の到達目標と、各到達目標と長岡高専の学習・教育到達目標との関連を、到達目標、評価の重み、学習・教育目標との関連の順で示す。①結晶学、結晶固体中の不純物元素の挙動と役割を理解する。35%(c1)、②固体材料の拡散と平衡状態、相変態を理解する。35%(c1)、③本科目に関連した大学編入試験程度の計算問題が解ける。30%(c1),(d1)
概要:
原子の構造、結晶学とX線回折、固体中の欠陥、拡散、合金の状態図、相変態を学ぶ.計算演習課題とその解説にも時間をかけて説明する.
○関連する科目:材料科学Ⅰ(前年度履修),材料組織学(後期履修),材料強度学(次年度履修)
授業の進め方・方法:
学習する内容を主に対話形式とグループ討議で進め、確認テストや大学過去問の演習形式で理解度を確認する。
注意点:
電卓を持参すること
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
授業概要の説明 金属と合金 |
金属と合金の結晶構造を説明できる。
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2週 |
原子の構造と結晶構造 |
金属と合金の状態変化および凝固過程を説明できる。
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3週 |
結晶構造、演習 |
代表的な結晶構造の原子配置について説明でき、充填率の計算ができる。
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4週 |
結晶学的方向と面1、演習 |
格子面とミラー指数の導出方法について説明することができ、格子方位と格子面を記述できる。
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5週 |
結晶学的方向と面2、演習 |
金属と合金の結晶構造を説明できる。格子面とミラー指数の導出方法について説明することができ、格子方位と格子面を記述できる。
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6週 |
結晶物質とX線回折1、演習 |
X線回折の原理を理解し、結晶構造の解析に応用することができる。
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7週 |
結晶物質とX線回折2、演習 |
結晶系の種類について説明できる。
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8週 |
炭素鋼の熱処理1 |
炭素鋼の性質を理解し、分類することができる。焼入れ、焼き戻し、焼きならしの目的と操作を説明できる。
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4thQ |
9週 |
炭素鋼の熱処理2 |
炭素鋼の性質を理解して分類することができる。
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10週 |
合金の平衡状態図1、演習 |
純鉄の組織と変態について、結晶構造を含めて説明できる。
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11週 |
合金の平衡状態図2、演習 |
Fe-C系平衡状態図の見方を理解できる。2元系平衡状態図上で、てこの原理を用いて、各相の割合を計算できる。
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12週 |
鉄―炭素系状態図、演習 |
Fe-C系平衡状態図の見方を理解できる
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13週 |
金属の相変態 |
炭素鋼の恒温変態(T.T.T.)曲線の読み方ならびにC.C.T.曲線との相違が説明できる。焼入れた炭素鋼の焼戻しの目的ならびにその過程、焼入れ焼き戻しによる機械的性質の変化を説明できる。
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14週 |
鉄―炭素合金の組織と特性の変化 |
共析変態での状態変化や特徴を説明できる。共晶型の反応と状態図を理解し、一般的な共晶組織について説明できる。
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15週 |
試験解説と発展授業 |
マルテンサイト変態の相変態時および結晶学的特徴について説明できる。
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 材料 | 金属と合金の結晶構造を説明できる。 | 3 | 後3 |
金属と合金の状態変化および凝固過程を説明できる。 | 3 | 後15 |
合金の状態図の見方を説明できる。 | 3 | 後10 |
炭素鋼の性質を理解し、分類することができる。 | 3 | 後2,後5,後9 |
Fe-C系平衡状態図の見方を説明できる。 | 3 | 後4,後8 |
焼きなましの目的と操作を説明できる。 | 3 | 後12 |
焼きならしの目的と操作を説明できる。 | 3 | 後8 |
焼入れの目的と操作を説明できる。 | 3 | 後8 |
焼戻しの目的と操作を説明できる。 | 3 | 後8 |
材料系分野 | 材料物性 | 代表的な結晶構造の原子配置について説明でき、充填率の計算ができる。 | 3 | 後5,後11 |
結晶系の種類、14種のブラベー格子について説明できる。 | 3 | 後3 |
ミラー指数を用いて格子方位と格子面を記述できる。 | 3 | 後6,後13 |
代表的な結晶構造の原子配置を描き、充填率の計算ができる。 | 3 | 後2 |
X線回折法を用いて結晶構造の解析に応用することができる。 | 3 | 後7 |
金属材料 | 純鉄の組織と変態について、結晶構造を含めて説明できる。 | 3 | 後10 |
炭素鋼の状態図を用いて標準組織および機械的性質を説明できる。 | 3 | 後8 |
炭素鋼の焼なましと焼ならしについて冷却速度の違いに依存した機械的性質の変化を説明できる。 | 3 | 後9 |
炭素鋼の連続冷却変態(C.C.T.)曲線の読み方が説明できる。 | 3 | 後9 |
炭素鋼の焼きならしの目的と焼きならしによる機械的性質の変化を説明できる。 | 3 | 後9 |
炭素鋼の恒温変態(T.T.T.)曲線と連続冷却変態(C.C.T.)曲線の読み方とこれらの相違を説明できる。 | 3 | 後7 |
炭素鋼の焼入れの目的と得られる組織、焼入れによる機械的性質の変化を説明できる。 | 3 | 後9 |
焼入れた炭素鋼の焼戻しの目的とその過程に関する知識を活用し、焼入れ焼き戻しによる機械的性質の変化を説明できる。 | 3 | 後14 |
材料組織 | 純金属の凝固過程での過冷却状態、核生成、結晶粒成長の各段階について説明できる。 | 3 | 後4 |
2元系平衡状態図上で、てこの原理を用いて、各相の割合を計算できる。 | 3 | 後14,後15 |
共晶型反応の状態図を用いて、一般的な共晶組織の形成過程について説明できる。 | 3 | 後11 |
共析変態で生じる組織を描き、相変態過程を説明できる。 | 3 | 後11 |
マルテンサイト変態について結晶学的観点からの相変態の特徴を説明できる。 | 3 | 後14 |