材料科学Ⅱ

科目基礎情報

学校 長岡工業高等専門学校 開講年度 平成28年度 (2016年度)
授業科目 材料科学Ⅱ
科目番号 0020 科目区分 専門 / 必履修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 W.D.Callister,材料の科学と工学1 材料の微細構造,培風館 2002年
担当教員 青柳 成俊

到達目標

この科目は長岡高専の教育目標の(C)と主体的に関わる。この科目の到達目標と、各到達目標と長岡高専の学習・教育到達目標との関連を、到達目標、評価の重み、学習・教育目標との関連の順で示す。①結晶学、結晶固体中の不純物元素の挙動と役割を理解する。35%(c1)、②固体材料の拡散と平衡状態、相変態を理解する。35%(c1)、③本科目に関連した大学編入試験程度の計算問題が解ける。30%(c1),(d1)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
結晶学、結晶固体中の不純物元素の挙動と役割を理解する結晶学、結晶固体中の不純物元素の挙動と役割を理解して説明できる結晶学、結晶固体中の不純物元素の挙動と役割を理解できている結晶学、結晶固体中の不純物元素の挙動と役割を理解できていない
固体材料の拡散と平衡状態、相変態を理解する固体材料の拡散と平衡状態、相変態を理解して説明できる固体材料の拡散と平衡状態、相変態を理解できている固体材料の拡散と平衡状態、相変態を理解できていない
本科目に関連した大学編入試験程度の計算問題が解ける本科目に関連した大学編入試験程度の計算問題が8割以上解ける本科目に関連した大学編入試験程度の計算問題が6割以上解ける本科目に関連した大学編入試験程度の計算問題が1割未満で解ける

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達目標 c1 説明 閉じる
学習・教育到達目標 d1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
原子の構造、結晶学とX線回折、固体中の欠陥、拡散、合金の状態図、相変態を学ぶ.計算演習課題とその解説にも時間をかけて説明する.
○関連する科目:材料科学Ⅰ(前年度履修),材料組織学(後期履修),材料強度学(次年度履修)
授業の進め方・方法:
学習する内容を主に対話形式とグループ討議で進め、確認テストや大学過去問の演習形式で理解度を確認する。
注意点:
電卓を持参すること

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 授業概要の説明 金属と合金 金属と合金の結晶構造を説明できる。
2週 原子の構造と結晶構造 金属と合金の状態変化および凝固過程を説明できる。
3週 結晶構造、演習 代表的な結晶構造の原子配置について説明でき、充填率の計算ができる。
4週 結晶学的方向と面1、演習 格子面とミラー指数の導出方法について説明することができ、格子方位と格子面を記述できる。
5週 結晶学的方向と面2、演習 金属と合金の結晶構造を説明できる。格子面とミラー指数の導出方法について説明することができ、格子方位と格子面を記述できる。
6週 結晶物質とX線回折1、演習 X線回折の原理を理解し、結晶構造の解析に応用することができる。
7週 結晶物質とX線回折2、演習 結晶系の種類について説明できる。
8週 炭素鋼の熱処理1 炭素鋼の性質を理解し、分類することができる。焼入れ、焼き戻し、焼きならしの目的と操作を説明できる。
4thQ
9週 炭素鋼の熱処理2 炭素鋼の性質を理解して分類することができる。
10週 合金の平衡状態図1、演習 純鉄の組織と変態について、結晶構造を含めて説明できる。
11週 合金の平衡状態図2、演習 Fe-C系平衡状態図の見方を理解できる。2元系平衡状態図上で、てこの原理を用いて、各相の割合を計算できる。
12週 鉄―炭素系状態図、演習 Fe-C系平衡状態図の見方を理解できる
13週 金属の相変態 炭素鋼の恒温変態(T.T.T.)曲線の読み方ならびにC.C.T.曲線との相違が説明できる。焼入れた炭素鋼の焼戻しの目的ならびにその過程、焼入れ焼き戻しによる機械的性質の変化を説明できる。
14週 鉄―炭素合金の組織と特性の変化 共析変態での状態変化や特徴を説明できる。共晶型の反応と状態図を理解し、一般的な共晶組織について説明できる。
15週 試験解説と発展授業 マルテンサイト変態の相変態時および結晶学的特徴について説明できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野材料金属と合金の結晶構造を説明できる。3後3
金属と合金の状態変化および凝固過程を説明できる。3後15
合金の状態図の見方を説明できる。3後10
炭素鋼の性質を理解し、分類することができる。3後2,後5,後9
Fe-C系平衡状態図の見方を説明できる。3後4,後8
焼きなましの目的と操作を説明できる。3後12
焼きならしの目的と操作を説明できる。3後8
焼入れの目的と操作を説明できる。3後8
焼戻しの目的と操作を説明できる。3後8
材料系分野材料物性代表的な結晶構造の原子配置について説明でき、充填率の計算ができる。3後5,後11
結晶系の種類、14種のブラベー格子について説明できる。3後3
ミラー指数を用いて格子方位と格子面を記述できる。3後6,後13
代表的な結晶構造の原子配置を描き、充填率の計算ができる。3後2
X線回折法を用いて結晶構造の解析に応用することができる。3後7
金属材料純鉄の組織と変態について、結晶構造を含めて説明できる。3後10
炭素鋼の状態図を用いて標準組織および機械的性質を説明できる。3後8
炭素鋼の焼なましと焼ならしについて冷却速度の違いに依存した機械的性質の変化を説明できる。3後9
炭素鋼の連続冷却変態(C.C.T.)曲線の読み方が説明できる。3後9
炭素鋼の焼きならしの目的と焼きならしによる機械的性質の変化を説明できる。3後9
炭素鋼の恒温変態(T.T.T.)曲線と連続冷却変態(C.C.T.)曲線の読み方とこれらの相違を説明できる。3後7
炭素鋼の焼入れの目的と得られる組織、焼入れによる機械的性質の変化を説明できる。3後9
焼入れた炭素鋼の焼戻しの目的とその過程に関する知識を活用し、焼入れ焼き戻しによる機械的性質の変化を説明できる。3後14
材料組織純金属の凝固過程での過冷却状態、核生成、結晶粒成長の各段階について説明できる。3後4
2元系平衡状態図上で、てこの原理を用いて、各相の割合を計算できる。3後14,後15
共晶型反応の状態図を用いて、一般的な共晶組織の形成過程について説明できる。3後11
共析変態で生じる組織を描き、相変態過程を説明できる。3後11
マルテンサイト変態について結晶学的観点からの相変態の特徴を説明できる。3後14

評価割合

試験(中間)試験(期末)その他の試験レポート合計その他合計
総合評価割合0800201000200
基礎的能力040010500100
専門的能力040010500100
分野横断的能力0000000