機械工作法

科目基礎情報

学校 長岡工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 機械工作法
科目番号 0034 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 平井三友、和田任弘、塚本晃久、「機械工作法(増補)」、コロナ社、2005年
担当教員 金子 健正

到達目標

(科目コード:11260、英語名:Manufacturing Process and Systems)
この科目は長岡高専の教育目標の(D)と主体的に関わる。この科目の到達目標と、各到達目標と長岡高専の学習・教育到達目標との関連を、到達目標、評価の重み、学習・教育目標との関連の順で次に示す。
①鋳造、塑性加工等の変形加工法を理解し、説明できる 30% (d1), (d2)
②溶接等の付着加工法を理解し、説明できる 15% (d1), (d2)
③切削加工、研削加工等の除去加工法を理解し、説明できる 55% (d1), (d2)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1鋳造、塑性加工等の変形加工法を理解し、詳しく説明できる。鋳造、塑性加工等の変形加工法を理解し、説明できる。鋳造、塑性加工等の変形加工法を理解し、概ね説明できる。左記に達していない
評価項目2溶接等の付着加工法を理解し、詳しく説明できる。溶接等の付着加工法を理解し、説明できる。溶接等の付着加工法を理解し、概ね説明できる。左記に達していない
評価項目3切削加工、研削加工等の除去加工法を理解し、詳しく説明できる。切削加工、研削加工等の除去加工法を理解し、説明できる。切削加工、研削加工等の除去加工法を理解し、概ね説明できる。左記に達していない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
機械工学において「ものを作る」ことは究極の目的であり、したがって「ものの作り方」は機械系のあらゆる分野において必要な知識である。「機械工作法」はこの「ものの作り方」を学ぶ科目である。機械工作法には多くの加工法があるが、機械系エンジニアとして身に付けておくべき基本的な加工法について学修する。
関連する科目:精密加工(5年次履修)
授業の進め方・方法:
講義を中心とする。
注意点:
次に示す項目・割合で達成目標に対する理解の程度を評価する。50点以上を合格とする。
・まとめ課題(70%)【内訳:前期中間17.5、前期末17.5、後期中間17.5、後期末17.5】
・レポート(20%)【内訳:課題出題4回】
・小テスト(10%)【内訳:各回講義終了時30回】

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 機械工作法について 機械工作法の分類を説明できる。
2週 鋳造1(模型、鋳型) 鋳物のつくりかたを説明できる。
鋳型の要件、構造および種類を説明できる。
3週 鋳造2(溶解炉、鋳物の欠陥と検査方法) 鋳物の欠陥とその検査方法を説明できる。
4週 鋳造3(鋳造用金属材料、特殊鋳造法) 精密鋳造法、ダイカスト法およびその他の鋳造法における鋳物のつくりかたを説明できる。
5週 溶接1(アーク溶接、ガス溶接) 溶接法を分類できる。
ガス溶接の接合方法とその特徴、ガスとガス溶接装置、ガス溶接棒とフラックスを説明できる。
アーク溶接の接合方法とその特徴、アーク溶接の種類、アーク溶接棒を説明できる。
6週 溶接2(抵抗溶接、その他の溶接) サブマージアーク溶接、イナートガスアーク溶接、炭酸ガスアーク溶接で用いられる装置と溶接のしくみを理解できる。
7週 溶接3(溶接部の性質、各種材料の溶接) 溶接部の性質、各種材料の溶接を説明できる。
8週 前期中間試験 試験時間:50分
2ndQ
9週 切削加工 1(切削理論 1) 切削加工の原理、切削工具、工作機械の運動を説明できる。
切削工具材料の条件と種類を説明できる。
10週 切削加工 2(切削理論 2) 切削速度、送り量、切込みなどの切削条件を選定できる。
11週 切削加工 3(切削理論 3) 切削のしくみと切りくずの形態、切削による熱の発生、構成刃先を説明できる。
12週 切削加工 4(旋盤、ボール盤) バイトの種類と各部の名称、旋盤の種類と構造を説明できる。
ドリルの種類と各部の名称、ボール盤の種類と構造を説明できる。
13週 切削加工 5(中ぐり盤、フライス盤) フライスの種類と各部の名称、フライス盤の種類と構造を説明できる。
14週 切削加工 6(ブローチ盤、歯切り加工) ブローチ盤、歯切り加工について説明できる。
15週 切削加工 7(NC工作機械) NC工作機械について説明できる。
16週 期末試験
17週:試験解説・発展授業
試験時間:50分
後期
3rdQ
1週 塑性加工1(概要、鍛造1) 塑性加工法の種類を説明できる。
塑性変形の起りかたを説明できる。
加工硬化と再結晶がどのような現象であるか説明できる。
2週 塑性加工2(鍛造2) 鍛造とその特徴を説明できる。
3週 塑性加工3(圧延) 転造、押出し、圧延、引抜きなどの加工法を説明できる。
4週 塑性加工4(プレス加工、その他の塑性加工法) プレス加工とその特徴を説明できる。
5週 研削加工1(概要、研削理論) 研削加工の原理、円筒研削と平面研削の研削方式を説明できる。
6週 研削加工2(研削砥石、平面研削) 砥石の三要素、構成、選定、修正のしかたを説明できる。
7週 研削加工3(円筒研削、心なし研削、内面研削) (円筒研削、心なし研削、内面研削を説明できる
8週 後期中間試験 試験時間:50分
4thQ
9週 精密加工1(ホーニング、超仕上げ) ホーニング、超仕上げなどの研削加工を説明できる。
10週 精密加工2(ラッピング) ラッピングなどの研削加工を説明できる。
11週 特殊加工1(放電加工、レーザー加工) 放電加工などの特殊加工を説明できる。
12週 特殊加工2(電子ビーム加工、電解加工) 電子ビーム加工、電解加工などの特殊加工を説明できる。
13週 プラスチック成形1(プラスチック材料、圧縮成形) プラスチック材料の種類を説明できる。
圧縮成形などの成形方法を説明できる。
14週 プラスチック成形2(射出成形、押出成形他) 射出成形や押出成形などの成形方法を説明できる。
15週 手仕上げ、組立、熱処理 機械材料に求められる性質を説明できる。
16週 期末試験
17週:試験解説・発展授業
試験時間:50分

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野工作鋳物の作り方、鋳型の要件、構造および種類を説明できる。4前2
精密鋳造法、ダイカスト法およびその他の鋳造法における鋳物の作り方を説明できる。4前4
鋳物の欠陥について説明できる。4前3
溶接法を分類できる。4前5
ガス溶接の接合方法とその特徴、ガスとガス溶接装置、ガス溶接棒とフラックスを説明できる。4前5
アーク溶接の接合方法とその特徴、アーク溶接の種類、アーク溶接棒を説明できる。4前5
サブマージアーク溶接、イナートガスアーク溶接、炭酸ガスアーク溶接で用いられる装置と溶接のしくみを説明できる。4前6
塑性加工の各加工法の特徴を説明できる。4後1
降伏、加工硬化、降伏条件式、相当応力、及び体積一定則の塑性力学の基本概念が説明できる。4後1
平行平板の平面ひずみ圧縮を初等解析法により解くことができる。4後1
軸対称の圧縮を初等解析法により解くことができる。4後1
切削加工の原理、切削工具、工作機械の運動を説明できる。4前9
バイトの種類と各部の名称、旋盤の種類と構造を説明できる。4前11
フライスの種類と各部の名称、フライス盤の種類と構造を説明できる。4前12
ドリルの種類と各部の名称、ボール盤の種類と構造を説明できる。4前11
切削工具材料の条件と種類を説明できる。4前9
切削速度、送り量、切込みなどの切削条件を選定できる。4前10
切削のしくみと切りくずの形態、切削による熱の発生、構成刃先を説明できる。4前10
研削加工の原理、円筒研削と平面研削の研削方式を説明できる。4後5
砥石の三要素、構成、選定、修正のしかたを説明できる。4後6
ホーニング、超仕上げ、ラッピングなどの研削加工を説明できる。4後9,後10
材料塑性変形の起り方を説明できる。4後1
加工硬化と再結晶がどのような現象であるか説明できる。4後1
焼きなましの目的と操作を説明できる。4後15
焼きならしの目的と操作を説明できる。4後15
焼入れの目的と操作を説明できる。4後15
焼戻しの目的と操作を説明できる。4後15

評価割合

試験レポート小テスト合計
総合評価割合702010100
基礎的能力0000
専門的能力702010100
分野横断的能力0000