計測工学

科目基礎情報

学校 長岡工業高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 計測工学
科目番号 0053 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 基礎精密測定,共立出版
担当教員 井山 徹郎

到達目標

(科目コード:11230,英語名:Measurement and Instrumentation)
この科目は長岡高専の教育目標の(C)(D)と主体的に関わる。この科目の到達目標と、各到達目標と長岡高専の学習・教育到達目標との関連を、到達目標、評価の重み、学習・教育目標との関連の順で次に示す。
①計測データを適切に取り扱い,さまざまなデータ処理ができる.・・・・15% (c1)(c2)
②精密測定に必要な原理・原則を説明できる.・・・・20%(d1)
③長さのさまざまな測定方法・測定技術を理解し,適切に使用できる.・・・・25%(d1),(d2)
④長さ測定機器の種類と使用方法を理解し,適切に使用できる.・・・・25%(d1),(d2)
⑤寸法公差、幾何公差の考え方を理解し,適切に使用できる.・・・・15%(d1),(d2)

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1計測データを適切に取り扱い、さまざまなデータ処理ができる.計測データを適切に取り扱い、特定のデータ処理ができる.計測データを取り扱い、データ処理が概ねできる.左記に達していない.
評価項目2精密測定に必要な原理・原則をほぼすべての基本的な測定機器や方式について説明できる.精密測定に必要な原理・原則を特定の測定機器や方式についてのみ説明できる.精密測定に必要な原理・原則を概ね説明できる.左記に達していない.
評価項目3長さの測定方法・測定技術をほぼすべての基本的な測定機器について理解し,適切に使用できる.長さの測定方法・測定技術を特定の測定機器について理解し,適切に使用できる.長さの測定方法・測定技術を理解し,概ね適切に使用できる.左記に達していない.
評価項目4基本的な長さ測定機器の種類と使用方法を理解し,適切に使用できる.特定の長さ測定機器の種類と使用方法を理解し,適切に使用できる.長さ測定機器の種類と使用方法を理解し,概ね適切に使用できる.左記に達していない.
評価項目5寸法公差、幾何公差の両方の考え方を理解し,適切に使用できる.寸法公差、幾何公差のいずれかを理解し,適切に使用できる.寸法公差、幾何公差の考え方を概ね理解できる.左記に達していない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
製作したモノが精度良くできているかどうかを確認するには測定が不可欠である.言い換えれば,
測れないモノは作れない.本科目は機械技術者として必須である,計測データとその処理,長さ計
測の基礎理論,計測技術と計測機器及び公差について学修する.
授業の進め方・方法:
講義を中心として授業を進める.測定機器はできるだけ実物を示しながら測定原理や測定精度について説明するように心がける.
注意点:
機械工学実験で使用する測定機器及び測定データの処理については,本科目で学習したことを実
践して理解を深めること.各試験後に必要な場合は再試験を1度だけ実施する.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 測定の基礎,SI の基本単位 測定とはなにか,単位とはなにかを理解し,基本単位と組立単位の違いについて理解することを目標とする.
2週 有効数字 有効数字とはなにか,有効数字を含んだ計算方法について理解することを目標とする.
3週 精密測定と誤差1 精密測定における誤差(系統誤差)について理解することを目標とする.
4週 精密測定と誤差2 精密測定における誤差(偶然誤差)について理解することを目標とする.
5週 平均値、誤差の伝播 誤差の伝播について理解し,誤差伝播を考慮した計算ができるようになることを目標とする.
6週 最小二乗法1 最小二乗法の原理について理解することを目標とする.
7週 最小二乗法2 任意の点群を最小二乗法を用いて直線または曲線近似できるようになることを目標とする.
8週 前期中間試験 試験時間:50分
2ndQ
9週 弾性変形と測定精度 変形による測定精度への誤差について原因と対策を理解することを目標とする.
10週 測定機器と測定精度,目盛尺 一般的な測定機器の測定精度について理解し,目盛尺の原理と構造および各部の名称を理解することを目標とする.
11週 標準ゲージ 標準ゲージの原理と構造および,ブロックゲージにおける密着について理解することを目標とする.
12週 限界ゲージ 限界ゲージの原理と構造および使用方法について理解することを目標とする.
13週 機械式測定機1 機械式の拡大機構に用いられる要素(バーニア,ネジ,歯車)を理解し,それらが測定機にどのように応用されているか理解することを目標とする.
14週 機械式測定機2 機械式の測定機の名称と特徴を理解することを目標とする.
15週 機械式測定器3 機械式の測定機の使用実例について理解することを目標とする.
16週 前記期末試験
17週:試験解説と発展授業
試験時間:50分
後期
3rdQ
1週 電気式測定機器1 電気式の拡大機構に用いられる要素(差動変圧方式,静電容量方式,渦電流方式)を理解し,それらが測定機にどのように応用されているか理解することを目標とする.
2週 電気式測定機器2 電気式の測定機の名称と特徴を理解することを目標とする.
3週 流体式測定機器 空気マイクロメータの測定原理を理解し,その特徴について理解することを目標とする.
4週 測定のディジタル化 ディジタル式の測定機の特徴について理解し,リニアエンコーダーの構造を説明できるようになることを目標とする.
5週 角度の測定 角度基準のつくりかたを理解し,角度測定に用いられる測定機器の名称と,特徴を説明できるようになることを目標とする.
6週 内径の測定 内径測定における誤差の性質を理解し,内径測定時の原則と使用される測定機器について説明できるようになることを目標とする.
7週 機械加工中の精密測定 インプロセス計測の重要性について理解することを目標とする.
8週 後期中間試験 試験時間:50分
4thQ
9週 表面粗さ1 表面粗さとはなにか理解し,算術平均高さと最大高さの違いを説明できるようになることを目標とする.
10週 表面粗さ2 表面粗さ測定に用いられる測定機の名称,測定原理を理解し,測定方式ごとの特徴を説明できるようになることを目標とする.
11週 アッベの原理 アッベの原理とはなにか理解し,説明できるようになることを目標とする.
12週 アッベの原理2 アッベの原理を満たした測定機と満たしていない測定機の,測定誤差を計算で求めることができるようになることを目標とする.
13週 形状の測定 三次元測定器の構造について理解することを目標とする.
14週 寸法公差 寸法公差とはなにか理解し,それぞれの測定方法について理解することを目標とする.
15週 幾何公差 幾何公差とはなにか理解し,それぞれの測定方法について理解することを目標とする.
16週 後期期末試験
17週:試験解説と発展授業
試験時間:50分

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野製図公差と表面性状の意味を理解し、図示することができる。4後14
計測制御計測の定義と種類を説明できる。4前1,前2
測定誤差の原因と種類、精度と不確かさを説明できる。4前3,前4,前5,前9
国際単位系の構成を理解し、SI単位およびSI接頭語を説明できる。4前1,前2
代表的な物理量の計測方法と計測機器を説明できる。4前10,前11,前12,後1,後2,後3,後4,後5,後6,後7,後9,後10,後11,後12,後13,後14
分野別の工学実験・実習能力機械系分野【実験・実習能力】機械系【実験実習】ノギスの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。4前13,前14,後1,後2
マイクロメータの各部の名称、構造、目盛りの読み方、使い方を理解し、計測できる。4前13,前14,後1,後2
ダイヤルゲージ、ハイトゲージ、デプスゲージなどの使い方を理解し、計測できる。4前13,前14

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力000002020
専門的能力800000080
分野横断的能力0000000